イラン戦争の出口戦略、トランプ政権内で路線対立=関係筋
[ワシントン 13日 ロイター] - イラン戦争の行方を巡るトランプ米大統領の発言が揺れている背景には、ホワイトハウス内で複雑な駆け引きが繰り広げられていることが関係者の話で明らかになった。いつどのように勝利を宣言するかを巡って、側近らの間で議論が続いているという。
トランプ氏は昨年、「愚かな」軍事介入を避けることを公約に掲げて政権に復帰した。しかし、イランへの攻撃で世界の金融市場が動揺し、原油価格が高騰したことで極めて大きな政治的リスクに直面している。
関係筋によると、一部の上級補佐官は、イランの指導部の多くが生き延び、核開発計画が一部残るとしても、少なくとも軍事的には勝利と呼べる形で紛争を終結させるよう助言している。
ある顧問と2人の関係者によると、財務省や国家経済会議(NEC)の当局者を含む経済顧問らは、石油ショックとガソリン価格上昇により、国内の戦争への支持が急速に低下する可能性があるとトランプ氏に警告している。
関係者らは、ワイルズ首席補佐官やブレア次席補佐官ら政治顧問も同様の立場だと話した。ガソリン高による政治的打撃が焦点となっており、勝利の定義を絞り込み、この作戦が限定的でほぼ終了したことを示すようトランプ氏に促しているという。
これに対し、共和党のグラム、コットン両上院議員や保守派論客のマーク・レビン氏らはイランへの軍事圧力を継続するよう求めている。こうしたタカ派勢力は、米国はイランが核兵器を取得するのを阻止し、米軍や船舶への攻撃には強力に応じなければならないと主張している。
第3の勢力は、トランプ氏のポピュリスト支持基盤、戦略家スティーブ・バノン氏、保守派政治評論家タッカー・カールソン氏らで、再び長期の中東紛争に引きずり込まれる事態を避けるようトランプ氏と同氏の側近に働きかけている。
顧問の1人は「(トランプ氏は)タカ派には作戦が継続すると思わせ、市場には戦争がすぐに終わるかもしれないと思わせ、支持基盤にはエスカレーションは限定的だと思わせようとしている」と述べた。
<ベネズエラの誤算>
戦争の行方を巡る混乱の少なくとも一部は、ベネズエラでの米軍の迅速な成功に起因しているようだ。
政権に近い別の関係者によると、一部の側近は開戦以降、イランでの軍事作戦がベネズエラのマドゥロ大統領拘束と同じように展開する可能性は低いことをトランプ氏に理解させるのに苦慮してきた。
ベネズエラでは長期的な米軍の行動を伴わずにマドゥロ氏の支持者に圧力をかけ、同国の膨大な石油埋蔵量に対して大きな影響力を持つ道を開いた。これに対しイランは強固な聖職者支配と治安機構を備え、強力な兵器を持つ、はるかに手ごわい敵であることが明らかになった。
戦争が長引き、米兵の犠牲が増え、経済的コストが膨らめば、トランプ氏の政治的支持基盤が揺らぐ可能性があると一部のアナリストは指摘している。ただ、軍事介入に反対する一部の支持者の批判はあるものの、「アメリカを再び偉大に(MAGA)」運動のメンバーは、これまでのところイラン問題で概して同氏を支持している。
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Humeyra Pamuk is a senior foreign policy correspondent based in Washington DC. She covers the U.S. State Department, regularly traveling with U.S. Secretary of State. During her 20 years with Reuters, she has had postings in London, Dubai, Cairo and Turkey, covering everything from the Arab Spring and Syria's civil war to numerous Turkish elections and the Kurdish insurgency in the southeast. In 2017, she won the Knight-Bagehot fellowship program at Columbia University’s School of Journalism. She holds a BA in International Relations and an MA on European Union studies.