米海軍長官代理、イランがバーレーンの米海軍基地を徹底的に破壊した

米海軍中央軍や第5艦隊にとってバーレーン海軍支援活動基地(NSA Bahrain)は最も重要な拠点かつ兵站の要だったのが、2月28日に始まった対イラン作戦で攻撃を受けて中東海域の兵站が破綻し、フン・カオ海軍長官代理も「イランがバーレーンの基地を徹底的に破壊した」と認めた。

参考:How Iran Devastated an American Naval Base—and Caused a U.S. Recalculation 参考:Navy Evaluating Future at Key Middle East Base Following Iran War Damage: Acting Secretary 参考:Iran ‘blew the hell out of’ base in Bahrain, acting Navy Secretary admits 参考:U.S. Navy is Looking for an Alternative to Bahrain for Mideast Port Calls

米海軍中央軍や第5艦隊にとってバーレーン海軍支援活動基地(NSA Bahrain)は最も重要な拠点であり、空母が寄港可能な商業港=ハリファ・ビン・サルマン港も合わせると同基地は中東地域における兵站の要だったのが、2月28日に始まった対イラン作戦=エピック・フューリー作戦中にイランの攻撃で第5艦隊司令部の建物、AN/GSC-52B衛星通信端末、通信管理施設、訓練施設、貯水槽、複数の倉庫、食堂、兵舎、海軍が民間企業から借りていた倉庫などが破壊されてしまう。

エピック・フューリー作戦に参加した兵士も「海上展開中の艦艇に対する食料、物資、スペアパーツなどの補給が完全に失敗していた」と証言し、これはイランの攻撃でバーレーン海軍支援活動基地が機能しなくなって兵站拠点を中東地域から2000マイル以上も離れたインド洋のディエゴガルシアに下げたためで、この兵士は「30日前に食料を発注するよう要求されたが、そもそもの兵站計画がずさんで補給スケジュールが悪化していたためそんなことは不可能だった。兵站拠点からの補給が期待できないため洋上補給艦から調達できるものをかき集めるしかなかった」と述べた。

マイク・レビン下院議員も「作戦に派遣された人々から話を聞いたが、この問題はイランの鼻先にあるバーレーンを補給、食料調達、休養などを提供する兵站拠点として利用する前提だったという点で、少なくともそれが機能しなくなった時点で作戦の軌道修正を考えるべきだったんだ」と述べ、ダリル・コードル海軍作戦部長も8月31日「海軍はバーレーンの基地にすぐには戻れないだろう」と言及し、フン・カオ海軍長官代理も9月9日にフィラデルフィアの造船所を視察した後「イランがバーレーンの基地を徹底的に破壊した」と明かし、バーレーン海軍支援活動基地が受けた被害の深刻さを浮き彫りにしている。

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 1st Class Gary Granger Jr./Released

但し、バーレーン海軍支援活動基地はイランが現在のような長距離攻撃能力を構築するずっと前に建設されたもので、米海軍中央軍や第5艦隊の司令官を務めたことがあるジョン・ミラー元中将も「我々は50年以上にわたり現地に駐留してきたが、基地はその時々の状況に応じて場当たり的に拡張されてきた経緯がある。(もし一から構築できるのであれば)基地の設計や運用面で今とは異なる点がいくつもあると考えている」と述べており、長年の投資が積み重なって基地の脆弱性を理解していても抜本的な基地移転や能力分散に取り組めなかったのだ。

例えるなら沖縄の嘉手納基地、普天間基地、ホワイト・ビーチ地区などは現在でも平時の軍事プレゼンスに効果的だが、この基地群が建設された82年前と現在では安全保障環境が様変わりし、中国軍の能力も飛躍的に増大しているため有事の際に基地機能が維持できるかどうかは非常に怪しく、現在の安全保障環境と中国軍の能力を加味して一から構築できるのであれば今とは違った形になる可能性が高いものの、何十年も基地インフラに投資し続けると「これを別の場所に移転する」という柔軟性や合理的な判断が難しくなる。

出典:U.S. Navy photo

米国はバーレーンとの外交関係や中東地域における軍事プレゼンスのためバーレーン海軍支援活動基地を完全に放棄することはないと思われるが、ここに集中していた米海軍中央軍や第5艦隊の機能や能力は別の場所に分散していく可能性が高く、コードル海軍作戦部長も「空母の補給および乗組員の休養のための新たな寄港地の選択肢を同地域周辺で模索している」「ケニア、ディエゴガルシア、インド、さらには通常の作戦海域であるアラビア海から3,000海里も離れたシンガポールも検討対象に上っている」と言及しており、どちらにしても新たな基地インフラの取得には莫大な資金と時間がかかるだろう。

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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Central Command

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