米国で航空便の欠航続く、連邦当局は便数削減をさらに強化

11日から適用される米連邦当局による空の便の規制強化に伴い、旅行業界を覆う混乱はさらに深刻化する見通しだ。政府閉鎖終結に向けて議会が動きを見せているにもかかわらず、影響の長期化が懸念されている。

  連邦航空局(FAA)は航空各社に対し、現地時間午前6時から午後10時までの米国内の運航を6%削減するよう求めている。これまで義務付けられていた削減は4%だった。

  フライトアウェアと航空分析会社シリウムのデータによると、ニューヨーク時間午前5時40分までに11日に予定されていた2万2811便のうち約1159便(約5.1%)が欠航となった。

  フライトアウェアによれば、欠航が最も多いのは、シカゴのオヘア国際空港、アトランタのハーツフィールド・ジャクソン国際空港、ニューヨークのラガーディア空港の順となっている。

  FAAの緊急指示では、13日までに8%、14日からは10%の便数削減を達成するよう求めている。

  米上院は、41日に及ぶ政府閉鎖を終わらせるためのつなぎ予算案を可決した。下院は上院が可決したつなぎ予算案を12日に審議する見通しだ。法案は下院での可決を経て、トランプ大統領に送付され、署名を得る必要がある。

関連記事:米上院がつなぎ予算可決、政府閉鎖解除に近づく-下院は12日表決へ

  ただし実際に法案が通過しても、空の便の混乱緩和にどの程度早く結びつくかは見通せない。

  アメリカン航空グループのパイロットで、関連労組の報道担当を務めるデニス・テージャー氏は、欠航により一部の操縦士が勤務地に到着できず、航空会社が予備操縦士の動員を始めざるを得なくなっていると説明した。

情報求める

  米政府が国内航空会社に義務付けた減便措置が発効する数日前、一部の航空会社幹部が、安全関連データが減便措置を正当化するものかどうか、より多くの情報を求め、政府へ非公式に働きかけていたことがわかった。

  事情に詳しい関係者によると、5日の連邦航空局(FAA)のベッドフォード長官との電話会議で、航空会社幹部は「航空会社が認識していないリスクを、FAAは把握しているのか」と質問した。ベッドフォード氏はこうした懸念を一蹴し、減便は航空会社ではなくFAAの決定であり、削減数については交渉の余地がないと述べたという。

  ダフィー運輸長官は、欠勤中の航空管制官が職場に復帰するまで、政府は減便を撤回しないとしている。大手航空会社を代表する業界団体「エアラインズ・フォー・アメリカ」によると、政府閉鎖が始まって以来、500万人以上の航空旅客が影響を受けている。

  サウスウエスト航空、ジェットブルー航空の代表者は、コメントの要請に対して今のところ返答していない。アメリカン航空、デルタ航空、ユナイテッド航空はコメントを控えた。

原題:US Flight Cuts Set to Increase With Tighter Limits Taking EffectSome Airline CEOs Pushed Trump Officials to Justify Flight Cuts(抜粋)

— 取材協力 Kate Duffy

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