宮城知事選、現職の村井氏が6選果たす 参政応援の新顔らを退ける
大山稜
26日に投開票された宮城県知事選は、無所属現職の村井嘉浩氏(65)が新顔4氏を破り、県政史上最多となる6選を果たした。投票率は46・50%で、4年前の前回知事選(56・29%)を下回った。無所属新顔で自民党前参院議員の和田政宗氏(51)は参政党の全面バックアップを受け、都市部や若年層を中心に支持を伸ばしたが、届かなかった。
午後11時25分、村井氏の当選確実の一報が届くと、仙台市青葉区の選挙事務所に集まった支援者からは歓喜の声が上がった。村井コールと拍手の中で登場した村井氏は「非常に苦しい選挙だったが選挙が終わればノーサイド。少しでも良い形でバトンタッチできるように次の4年間しっかりやり遂げたい」と語った。
村井氏は東日本大震災の発災時から復興に向けた陣頭指揮を執り、全国知事会長も務めた。過去5回の知事選はいずれも順調に勝ったが、今回は多選批判に加え、SNS上で見られたデマに対する「火消し」にも時間を取られ、苦戦を強いられた。
そんな中でも、出身母体でもある自民会派や公明、維新県議らの支援を受け、支持を固めた。松下政経塾の先輩にあたる高市早苗首相からも応援メッセージが寄せられ、保守分裂の戦いを制した。
一方、和田氏の仙台市青葉区の事務所では、落選見込みがテレビで流れると、支援者が落胆の声を漏らした。和田氏は「皆さんに応援をいただきながら、最終的に勝ちきることができなかった」と唇をかんだ。参政党の神谷宗幣代表はこの日夜に出したコメントで「草の根の活動で支持を広げ、もうあと一歩のところまで追い詰めたことには意義を感じている」とした。
和田氏は今夏の参院選で落選した後、知事選出馬を表明。同時期、公認候補擁立を模索していた参政党と政策が似通っていたこともあり、村井氏と対抗する立場で一致し、政策覚書を締結。神谷宗幣代表や党所属議員が次々と宮城入りし、強力な支援を受けた。
和田氏は県が民間に運営権を売却した水道事業について、出資10社の中に外資系1社が含まれていることを引き合いに「国同士で対立すれば水が出なくなるかもしれない」と批判を展開。参政が掲げる「日本人ファースト」を強く意識した訴えを繰り返した。
【宮城県知事選の確定開票結果】
村井 嘉浩氏 340,190票
和田 政宗氏 324,375票
遊佐美由紀氏 176,287票
伊藤 修人氏 20,445票
金山 屯 氏 3,663票
【30周年キャンペーン】今なら2カ月間無料で有料記事が読み放題!詳しくはこちら
この記事を書いた人
- 大山稜
- 仙台総局|行政担当
- 専門・関心分野
- 気象、防災行政、労働