米市場に進出した韓国ハンファ、米海軍向けの中型揚陸艦建造契約を獲得

韓国のハンファオーシャンは米フィリー造船所を2024年6月に買収して米国市場に進出し、2026年7月にミサイル観測艦建造契約(推定2隻20億ドル)を受注したが、今度は米海軍向けの中型揚陸艦(LSM)建造契約も受注し、今年に獲得した契約額は最大30億ドル=4,720億円まで膨らむ可能性を秘めている。

参考:HDUSA Selected by TOTE Services for LSM Construction Contract in Philadelphia

バイデン政権時代のデル・トロ米海軍長官は佐世保重工業、三菱重工業、ジャパン・マリンユナイテッド、現代重工業、ハンファと会談して「米国では日本や韓国を含む親密な同盟国の造船企業と提携する機が熟している」「世界で最も先進的な造船企業を誘致し、米国に子会社を設立させ投資させることで米造船産業の近代化や拡充を図り、より健全で競争力がある造船産業を創出する」と呼びかけ、韓国のハンファオーシャンも国際的な海軍艦艇向けMRO事業の需要が高まると予想して米フィリー造船所を2024年6月に1億ドルで買収して米国市場に進出した。

出典:Hanwha

2024年末までに買収手続きを完了したフィリー造船所はハンファ・フィラデルフィア造船所と名称を改め、2025年8月「50億ドル=約7,800億円を投資して造船所の建造能力を年2隻未満から最大年20隻に拡張する」と発表し、ハンファ・フィラデルフィア造船所を世界クラスの自動化とスマート造船技術を備えたデジタル対応の高効率造船所に転換中だ。

ホワイトハウスと共に海軍向け艦艇の海外建造を主導している米行政管理予算局(OMB)のラッセル・ボート局長は2026年7月「国家安全保障多目的船(NSMV)の設計を流用し、ゴールデン・ドーム計画を支援する新たなミサイル観測艦=ゴールデン・ディフェンダーをフィラデルフィアのハンファ・フィリー造船所で建造する」「この契約授与を発表できることを光栄に思う」と発表し、韓国のハンファは念願の米海軍艦艇(補助艦)建造を受注したが、米海軍と米海兵隊が35隻の調達を予定している中型揚陸艦(LSM)の建造も任されることになった。

#NEWS: We’ve been selected to build America’s new Medium Landing Ship.

As our first @USNavy shipbuilding contract, this marks an important milestone in our commitment to invest in @PhillyShipyard and expand its naval production capacity.

More detail: https://t.co/ijLUOmTlzB https://t.co/WLec7L56EF

— Hanwha Defense USA (@HanwhaDefenseUS) October 30, 2026

ハンファの米国法人=ハンファ・ディフェンスUSA(HDUSA)は29日「米海軍及び米海兵隊向けの中型揚陸艦(LSM)を建造する最初の請負造船業者に選定された」「今回の選定はHDUSAにとって米国海軍向け艦艇建造の初契約となり、最初の1隻をハンファ・フィラデルフィア造船所で建造(総額2億6,900万ドル)し、この契約には3隻の追加建造オプションも含まれる」「最初のLSMは2030年に納入される予定だ」と発表し、HDUSAは支配株を取得してハンファ・フィラデルフィア造船所を同社の傘下に収めるらしい。

ハンファ・フィラデルフィア造船所が建造するLSMはダーメンが設計したLST-100ベースの太平洋海域で使用することを目的にした揚陸艦(排水量約4,000トン)で、LSM建造は米海軍の代わりにTOTE Servicesが管理し、2026年7月に最大8隻の建造契約を22億ドルで発注した。米海軍は8隻のうち5隻をボリンジャー造船所(1隻)とフィンカンティエリ・マリネット・マリン(4隻)で建造するよう指示したが、残りの3隻についてはTOTE Servicesが独自に請負造船所を選定し、HDUSAは競争入札枠に勝利して滑り込んだ格好だ。

出典:Hanwha

ちなみにゴールデン・ディフェンダーの契約額は「2隻20億ドル」もしくは「1隻確定+オプション2隻」と報道されることが多く、仮にハンファ・フィラデルフィア造船所でLSMを4隻建造することになれば30億ドル分=4,720億円分の契約を獲得することになり、50億ドルの投資を始めた1年目としては上々の結果だろう。

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※アイキャッチ画像の出典:Damen

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