「愛子さまを皇太子に!」銀座など約400人デモ 改正皇室典範に「国民置き去り」の声

「愛子さまを皇太子に!」の横断幕を先頭に、約400人が都心をパレードした=2026年10月10日、東京・銀座(撮影/野村昌二)(AERA DIGITAL)

「愛子さまを皇太子に!」 10月10日午後、約400人がそう訴え、週末の銀座など東京都心を約3キロ練り歩いた。主催したのは、「愛子天皇を考える会」。愛子さまが天皇になる道を閉ざさず、女性天皇を含む皇位継承について広く議論を呼びかける市民の会だ。

【写真】「愛子天皇を考える会」会長の元週刊文春編集長

*    *    * この日、各地から集まった人たちは「国民総意 愛子天皇」「愛子天皇 いいんじゃない」など、思い思いのメッセージを書いたプラカードを手に、沿道に向かって声を上げた。 参加者たちが訴えたのは、愛子さまに天皇になってほしいという願いだけではない。皇位継承のあり方を、国民の声を置き去りにしたまま決めてよいのかという疑問や不満だ。 7月に成立した改正皇室典範は、「女性皇族の結婚後の身分保持」と「旧宮家の男系男子の養子縁組」を柱とし、男系男子による皇位継承にこだわる保守派の意向が色濃く反映された内容となった。 一方、朝日新聞が5月中旬に実施した全国電話世論調査では、「女性天皇」を認める人は72%、「女系天皇」を認める人は74%に上った。他の報道機関の調査でも、同様の傾向が現れている。 それにもかかわらず、皇室典範改正をめぐる議論では、女性天皇を認める方向には進まなかった。デモの参加者たちは、国民の声が顧みられていないとして、政治への不満を口にした。「愛子さまを皇太子に」と書かれたプラカードを手に参加した、都内に住む60代の女性はこう話す。「国民の総意とは別に、少数の人たちだけで決めていいのでしょうか」 女性は、人柄や品格にひかれ、愛子さまに次の天皇になってほしいと考えている。世論調査の結果も、自らの思いを後押ししている。しかし、国民の声をまったく無視して、国会だけで決められたのは納得できないと話す。

「皇位継承は国の在り方に関わる大事な問題です。世論調査では多くの人が女性天皇を認めているのに、その声が反映されないまま決まってしまいました。もっと国民的な議論を尽くしたうえで、決めるべきだと思います」


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■「民主主義のルールに反する」 40代の会社員の男性も、直系長子の愛子さまがいるにもかかわらず、国民の声を顧みないまま制度を変えようとする高市政権の強引な姿勢に憤りを感じているという。「大多数の国民が望んでいる選択肢をはなから排除し、一方的に推し進めるのは、民主主義のルールに反しています」 男女平等の観点から、女性天皇を認めない制度に疑問を呈する声も多くあった。 40代の会社員の女性は、「愛子さまが女性だから天皇になれないというのは、男尊女卑と地続きなんじゃないかな」と話す。もともと皇室にそれほど関心があったわけではない。それでも、政府の強引な進め方を見て、疑問を抱き、デモに参加した。「皇室の問題だけでなく、日本の社会全体が置き去りにされている気がします」 こうした声の背景には、皇室の問題にとどまらず、今の政治のあり方そのものへの不安もありそうだ。 福岡からデモに参加するため新幹線を使って上京したという80代の女性は、高市政権の姿勢に危機感を募らせる。「高市さんは、戦前の日本に戻したいのかと思います」 ここまでの高市政権の動きを見てきて、国民の総意よりも政権に都合のよい皇室のあり方が優先されていると感じている、と話す。高市政権は「もの言う天皇では困る」と考えているのではないか――。「それは皇室を政権の道具として利用することで、戦前と同じだと思います」 改正皇室典範は今月24日に施行される。考える会会長で、元『週刊文春』編集長の木俣正剛(せいごう)さんはこう話した。「皇室典範を再改正し、男系男子に限定する規定を見直したい。女性天皇の前例も踏まえ、男系だけでなく直系長子による継承を重視すべきだと考えています」 愛子さまを天皇に――。街頭に響いた声は、皇室の将来を誰が、どのように決めるのかという問いを投げかけた。

(AERA編集部・野村昌二)

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