フランス、米大使クシュナー氏呼び出しへ-「容認できない」主張展開
Tony Czuczka
- クシュナー氏、反ユダヤ主義への対応甘いとWSJに寄稿
- 外交官による受け入れ国への内政干渉禁じる慣例に違反-仏外務省
フランス政府は、反ユダヤ主義への対応が甘いと同国を批判した駐仏米国大使のチャールズ・クシュナー氏を非難した上で、外務省に呼び出す方針を明らかにした。
クシュナー大使は「エマニュエル・マクロン大統領への手紙」と題する文章を米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)に寄稿し、「フランスにおける急激な反ユダヤ主義台頭と、政府がそれに十分対処していないことに対する深い懸念から」執筆することにしたと説明した。
フランス外務省は24日夜の声明で、この主張は「容認できない」と表明し、外国の外交官による受け入れ国への内政干渉を禁じる慣例に違反していると指摘した。
「フランスはこれらの主張を断固拒否する」とした上で、「フランスと米国の大西洋をまたぐパートナーシップのあり方にも、同盟国間で当然保たれるべき信頼関係にもふさわしくない」と強調した。
フランスでは反ユダヤ主義的な事案が増加傾向にある。背景にはイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザでの軍事作戦がある。米ホロコースト記念博物館によれば、仏国内ではホロコーストのメモリアル施設、シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)、ユダヤ人経営のレストランなどが標的となっている。
クシュナー氏は不動産開発業者で、トランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏の父。かつて脱税や証人への不当な働きかけなどの罪で1年以上にわたって連邦刑務所に服役したが、2020年にトランプ大統領から恩赦を受けた。
原題:France Summons US Envoy Kushner for ‘Unacceptable’ Comments(抜粋)
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