大阪府にデータセンター集積へ 官民で協議会、副首都構想の柱にも
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大阪府内にデータセンター(DC)を集積させる取り組みが加速する。府は28日、デジタルインフラの整備を促進する官民協議会を設立した。DCの需要が高まるなか、災害リスクの分散などで関西に追い風が吹く。官民連携で誘致力を高め、首都機能の一部を地方に移す「副首都構想」の柱にする。
協議会の名称は「大阪デジタルインフラ協議会」。府が事務局を務めソフトバンクや米DC運営大手のエクイニクス、関西電力などの民間事業者21社をはじめ、識者も参加する。
28日の初会合では、関西のデジタルインフラを取り巻く課題や目指すべき方針について意見交換した。事業者からは「電力会社とDC開発会社の事情をすり合わせて連携して検討していくことが重要」「コストや施工余力の関係からも集積地があるとよい」といった声があがった。
会長を務める大阪府の吉村洋文知事は「都市の力を高めるうえでデジタルインフラの整備は極めて重要だ。大阪として副首都になることを目指すなか、官民で協力して一つの方向性を作って進めていきたい」と話した。
協議会では事業者から相談や要望を受ける窓口を設置するほか、電力の需給調整を円滑に進める体制を整える。税制優遇などの支援策も検討する。
官民一体でDCの整備に取り組むのは、建設ニーズが関西にシフトしてきているからだ。国内での整備は首都圏が先行してきた。建設済みのDCは約6割が関東に集積し、関西は約2割にとどまる。
一方、首都圏では適地が減っているほか、高圧電力の確保が難しくなっている。不動産サービス大手のシービーアールイー(CBRE、東京・千代田)によると、首都圏のDCの稼働率は2024年末時点で9割に近い水準に達した。ユーザーの新規募集を止める目安となる数値だ。
事業継続計画(BCP)の観点からも、首都圏外での開発の必要性は高い。関西に同規模のDC拠点をかまえることで、首都直下型地震など関東での有事の際にバックアップが可能になる。
大阪は通信インフラの整備が進む。電力供給の面でも、関西電力送配電が1500億円を投じて変圧器や送電線などの設備を増強する方針を掲げる。
CBREの岩間有史シニアディレクターは「DCは地方分散も鍵になるが、やはり大都市圏の需要は常に強い」と説明する。そのうえで「大阪は大規模な経済圏を有する都市の一つであり、首都圏のバックアップの受け皿としても成長が見込める」と話す。
大阪へのDC誘致を加速させるため、協議会では開発スピードを上げる施策も打つ。障壁となる規制の緩和を国に働きかける。
日本では建築や送配電に関わる各法令が横断的に広がっていることで、手続きの手間が多いことが課題だ。DC開発の期間が海外は3〜6年なのに対し、国内では5〜10年かかるとされる。
実際に各国でも開発スピードを速めるために政策面からの後押しが進む。米国ではトランプ大統領が25年7月に「人工知能(AI)行動計画」を発表し、計画に合わせて発した大統領令で環境レビューや許認可審査の迅速化を国家レベルで主導する方針を掲げた。
大阪府は日本の経済成長と災害時の首都代替機能を担う「副首都」の実現を目指す。国際競争力のある都市として成長するため、府が作成した副首都構想のなかで、AIや金融サービスの基盤となる通信網、DC、電力供給設備などのデジタルインフラの整備を柱に据えている。
(水上ありさ、谷本克之)
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