MetaのAIエージェント「Muse」で旅の予約してみた→人のほうが早い
小説もAIなら画像もAI生成。
Epic Gamesが新作ゲームの開発を「AIファースト」にして、手書きコードを全面的に禁じた話もニュースになってますね。
このままいけば、雑用すべてをAIがやって、人間は生産的なこと(寝る、とか)に従事する日も近い!とさえ思えてくる今日この頃ですが、AIエージェントを100%使うには、銀行やクレカの情報入力が必須で、そこがハードルですよね。
今年は戦慄のHugging Faceハック事件もありましたし。なんだか怖いな、と思ってる人も多いはず。
そういうムードを配慮して、Metaが新AIエージェント「Muse」で起用したのは、こんなゆるキャラのアバターでした。
ふだんは警戒気味の人も、このアバター(Jollyという)にはガードを下げてしまうらしく、利用が急騰。「忘却の彼方だったAmazonクーポンが730ドルぶん見つかった。電話を解約したときの返金272ドル、未使用のギフトカードも見つかった!」などなど、利用のもとがとれたという報告の後押しもあって、米国のiOS App Store無料アプリ部門で執筆現在も首位を独走中です。
MetaがAI開発に注ぎ込むお金は今年だけで1億4500万ドル(約229億6400万円)。9月下旬に開かれた年次開発者会議Meta Connectでマーク・ザッカーバーグCEOは「われわれの開発の中心はMuseだ」と宣言しました。
その後、1週間と開けずにOpenAIもMuseそっくりなAIエージェント「dots」をリリース。火花を散らしています。
これだけ話題なら、さぞ便利なんだろうと思ってちょっと試してみたんですが、自分が期待したほどではありませんでした。
あれこれ試した結果
雑用すべてをまかせられる。それがAIエージェントの特性であり、その辺のチャットボットとの違いなわけですが、まかせる雑用が広範になれば、それだけ手綱もゆるんで、ミスが起こるシーンも増えるのはしょうがないのはわかるんですけどね(実際初期段階には無断アクセスなどのミスやバグもあった)。
ちなみにテストで使ったのは無料版なので、1週間で使用できるトークン数には制限があります(月額20ドル=約3,200円、100ドルの有料版ほど多くない)。
設定そのものはカンタンで、設定画面でエージェントに名前を付けて(僕の場合、Baxter、Jewel、Museから選択できた)、接続先のアプリを選ぶだけでした。
自分はある程度手動でコントロールできる余地を残しておきたかったので、個人用のGmailとGoogleカレンダーを接続するだけにとどめました。なので、少し中途半端だったのかもしれません。
レストランの予約
最初に頼んだのは、観劇のときのレストランの予約です。
「マンハッタンのミッドタウンで6PM・2名で安めのレストラン予約して」って頼んだら候補が出てきて、一番上の地中海料理のお店がよさげだったので「これで予約してカレンダーに保存して」と指示。即座に実行できました。
受信トレイに予約確定メールが届いたときにはよっしゃー!と思ったけど、ノートPCでメニュー見たらだいぶ予算オーバーとわかって、Museとすったもんだの揚げ句、返答がもたつくMuseにしびれを切らして、結局行きつけの店に予約なしで寄るのが一番だわ~って結論になりました。
搭乗券の返金リクエスト
次に頼んだのが返金申請です。
こないだ乗った飛行機が遅れに遅れて、終電とっくに過ぎた明け方に到着してLyft乗らないと家に帰れなかったので、返金をリクエストしたいんだけど、ってMuseに頼んでみました。
レシートとフライト情報のスクショをアップしたら、丁寧で説得性のある文章でメールの下書きができあがってきました。そこまではよかったんですが、メールでリクエストは受理されないので人力で航空会社のサイトにメールをコピペしないとダメ。さすがにこれはできないみたい。
こちらも最終的には手動で入力、という結末(下書きはありがたく活用)。
年末年始の旅行の予約手配
最期に頼んだのが帰省旅行の予約です。これは一番Museでやりたかったこと。毎年ギリギリにならないと腰をあげないので、今年はインフレすごいし、早めに予約して節約したいと思ってたんです。旅行の予約は、Metaが一番アピールしているMuseの得意分野だし。
でも、ここでも結果はイマイチでした。
Expediaで往復便の価格を見比べて、ベストルート選ぶのに20分もかかって。やりとりが長々続いて途中で脱線するし、何度もスクロールバックしてフライト情報確かめなきゃならなくて、Expediaのサイトにつなごうとしてもエラーになるんですよね。
本当は往復で1000ドル以上するので、使えるマイルが溜まってないかチェックしたかったんですが、ユナイテッド航空はボットからのアクセスを禁じてるみたいで…。こないだAmazonがMuseをブロックしてニュースになりましたけど、 似た方針を打ち出してる会社はほかにもあるんですね。残念。
CAPTCHA認証でブラウザのコントロールを人力に切り替えるよう言われたのでやってみたんですが、ユナイテッドのサイト側は手入力でもログイン情報を受け付けないし。
またまたMuseアプリを閉じて手入力という結果に終わりました。
AIエージェントが人間に代わる時代はまだ先
たった3つ試しただけで結論付けるのは酷ですけど、Museはまだ万能選手じゃない印象です。もっと個人情報をMuseに渡して、接続するアプリの範囲を広げて、長く使っていけば、どんどん便利になるんでしょうけどね。
使ってみて、AIエージェントが目指してるものが何かは理解できたんですが、AIが生活の中心になるまでにはまだハードルが高いなと感じました。人は習慣に縛られる生きものなので、いくらアバターをかわいくしても、信用して慣れ親しむまでには時間がかかりそうです。
そのうち、手作業でアポとったり、絵を描いてた2020年代を懐かしく振り返る日がくるかもしれないけど、それは10年先なのか20年先なのか。企業にとっては大きな賭けですね。