台船で火災…横浜みなとみらいの花火大会で“爆発炎上” 原因は…花火師に聞く

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横浜のみなとみらい地区で4日、花火を打ち上げる台船で火事がありました。

海面の高さスレスレで炸裂する花火。黒い煙と炎が立ち上っているのがカメラで捉えられています。引火したのでしょうか、暴発しているようにも見えます。

歓声と悲鳴のようなものが入り混じっている現場。観客たちも異変に気付き始めているようです。

約2万発が打ち上げられる予定だった花火大会。午後7時半から30分の予定で始まり、当初は、問題なく打ち上げられているように見えますが、10分ほどすると、黒い煙のようなものが確認できます。

会場には、身動きもとれないほどに多くの人が集まっています。

4日は、『みなとみらいスマートフェスティバル』というイベントで、花火のほか、音楽のステージなども行われていました。

横浜海上保安部によりますと、花火を打ち上げる2隻の船で火災が発生し、当時5人の作業員が乗っていて、海に飛び込み、その後、救助されました。

これまでのところ、花火師や見物客でけがをした人はいないということです。

周辺では、夜9時を過ぎても爆発する音が聞こえます。

花火会場の周辺には、まだ多くの人が残っていました。

来場者 「なんか黒い煙がもくもく、花火が下のほうで大きくバーンと。変だよね、いつもと違うねって。上でバーンと上がるのが、下のほうでバーンだったので」

火の手があがった現場に近づくと、まだ鎮火していません。

来場者 「アナウンスだけ流れていて、『中止です』って。(Q.どうして中止になったかは)何もなかったですね。東京から来て、前から約束していて、楽しみにしていたけど、残念」

花火師の資格をもつ写真家の冴木一馬さんと電話がつながっています。

(Q.火災の覚知から2時間以上が経過しましたが、まだ火は消えていません。消火が進まない原因は何だとみていますか)

冴木一馬さん 「花火師は台船に乗って点火します。火が出た時は、消火器や防火用水を準備しているので、自分たちで消そうとしますが、あまりにも大きいと消しきれません。それを対岸から主催者は見ているはずで、無線などでもやり取りをしていると思います。どうしようもなければ、主催者は消防署へ連絡して、消防艇などが出て消すと思います。今回の現場を私も見ていないのではっきりとは分かりませんが、消防艇が出ていないのが不思議に思います」

(Q.火災が大きすぎて消防艇が近付けなかった可能性も考えられますか)

冴木一馬さん 「消防艇の水は遠くまで飛ぶので、近付けないことはないと思います」

(Q.花火の火の粉が降ってくる危険があるため、近付けないということはあり得ますか)

冴木一馬さん 「それはあり得ます。ライブ映像で見る限り、今も花火が上がっています。例えば5号玉だと、直径150メートルの範囲に広がって、周りに火の粉が飛ぶので、150メートル以内に近付けないということになります」

(Q.陸地に火の粉が届いていないので、このままにしておいた方がいいという判断はあり得ますか)

冴木一馬さん 「それはあり得ないと思います。消火作業をするのが一般的だと思います」

(Q.作業員5人が海に飛び込んで救助されたのは、火事の発生から約1時間後のことでした。その1時間で、作業員は鎮火にあたっていたと考えるのが自然ですか)

冴木一馬さん 「1時間の間は持っている消火器や防火用水を使って消火作業をしていたと思います。それでも消火ができないということで、海に飛び込んだと推測されます」

(Q.これだけ大規模な花火会場での火災は経験がありますか)

冴木一馬さん 「初めてです。横浜で以前、同じような事故がありましたが、その時はこんなに燃えてはいませんでした。他の場所で春や秋の花火だと枯れ草があって燃えたりもしますが、これだけ消化ができないのは初めてだと思います」

(Q.火災が起きて、引火した花火が打ち上がっている状況は異様な光景ですか)

冴木一馬さん 「そうですね。4日は風もなく、波もないと聞いているので、可能性があるとすれば『低空開発』です。低空開発は、花火が発射された瞬間、上空に上がらないで開発、いわゆる爆発することです。その場合、他の筒に入っていた玉に火がついて暴発し、火災につながります。考えられるとすれば、これぐらいしか思いつかないです」


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