話題株ピックアップ【夕刊】(1):AOKIHD、DTS、伊藤米久HD
AOKIHD <日足> 「株探」多機能チャートより
■DTS <9682> 4,565円 +470 円 (+11.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
DTS<9682>が8連騰し年初来高値を更新。1日の取引終了後に、上限を75万株(発行済み株数の1.86%)、または25億円とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は5月2日から7月31日までで、東京証券取引所における市場買い付けのほか、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)により取得する予定。なお、取得した全自社株は8月13日付で消却する。同時に発表した26年3月期連結業績予想は、売上高1350億円(前期比7.2%増)、営業利益155億円(同7.0%増)を見込み、年間配当予想を140円(同13円増)とした。主力の業務&ソリューション事業をはじめ、テクノロジー&ソリューション事業、プラットフォーム&サービス事業ともに増収増益を見込む。なお、25年3月期決算は、売上高1259億800万円(前の期比8.8%増)、営業利益144億8900万円(同15.8%増)だった。同時に28年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。最終年度に売上高1600億円、営業利益187億円を目指す。■伊藤米久HD <2296> 4,945円 +440 円 (+9.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
伊藤ハム米久ホールディングス<2296>が後場急上昇。正午ごろに発表した26年3月期の連結業績予想で、売上高1兆300億円(前期比4.2%増)、営業利益265億円(同35.4%増)、純利益175億円(同33.6%増)と大幅増益を見込み、年間配当予想を前期比175円増の320円としたことが好感された。昨年10月の価格改定以降のトレンドが続き、上期は加工食品の販売数量減少を見込むものの、下期はマーケティング施策強化で数量回復を見込む。一方の食肉事業は国産牛・国産豚の収益性改善を見込み、両事業ともに増収増益を計画している。なお、25年3月期決算は、売上高9887億7100万円(前の期比3.5%増)、営業利益195億7600万円(同12.4%減)、純利益130億9700万円(同15.8%減)だった。■JVCケンウッド <6632> 1,184.5円 +104.5 円 (+9.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
JVCケンウッド<6632>は大幅高で3連騰。同社は1日の取引終了後、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の業績・配当予想と、自社株買いの実施を発表した。配当に関しては、前期の期末配当予想を従来の見通しから2円増額し10円(年間配当予想は15円)としたうえで、今期の年間配当予想は前期比3円増配の18円とした。また、取得総数230万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.55%)、取得総額20億円を上限とする自社株買いの実施を発表しており、株主還元姿勢を評価した買いを集めたようだ。自社株の取得期間は5月2日から6月30日まで。26年3月期の売上高は前期比3.3%減の3580億円、最終利益は同31.0%減の140億円を計画する。米国の関税措置による業績へのマイナス影響額は売上高で130億円、事業利益で50億円と想定する。■大阪製鐵 <5449> 2,331円 +121 円 (+5.5%) 本日終値
大阪製鐵<5449>が急反発した。1日の取引終了後、東証スタンダード市場の上場維持基準を充足していることが確認されたと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。ストラテジックキャピタル(東京都渋谷区)が運営するファンドが保有する大阪製鉄の株式に関し、上場会社の株式数の10%以上を所有する者又は組合などの株式は、原則として流通株式としないとする東証の規則の例外に該当することが確かめられたとしている。外国投資信託等に組み入れられている株式について、出資者が小口の保有であることが確認される場合は、流通株式として取り扱うという例外規定に該当したことから、3月末時点での大阪製鉄の流通株式比率は25%以上となり、スタンダード市場の上場維持基準を充足しているという。大阪製鉄は1月31日、自社株TOB(公開買い付け)の実施を発表。その後、ストラテジックキャピタルは大阪製鉄株を買い増し、保有割合が10%を超えることとなった。大阪製鉄は自社株TOB成立後に自己株式を消却する予定だったが、ストラテジックキャピタルの保有株の関係で、自己株消却をしても流通株式比率が25%以上とならない可能性が出たため、4月8日に自己株式の消却中止を発表していた。なお、ストラテジックキャピタルは5月1日、「大阪製鉄の株主価値向上に向けて」と題する特設サイトを再開設した。同社は大阪製鉄に対し、DOE(株主資本配当率)8%を株主還元方針とすること、株主価値向上・非公開化検討委員会を設立することなどを求める株主提案を行っている。■アイカ工業 <4206> 3,522円 +181 円 (+5.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位
アイカ工業<4206>が大幅に4日続伸し、年初来高値を更新した。1日の取引終了後、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の業績予想を開示。今期の売上高予想は前期比6.6%増の2650億円、最終利益予想は同8.3%増の183億円とした。前期に続き、過去最高益の更新を見込む。加えて、3月31日を基準日とする前期の期末配当を従来の見通しから4円増額して70円(年間配当は126円)で決定。今期の年間配当予想は前期比10円増配の136円とした。更に、取得総数225万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.58%)、取得総額60億円を上限とする自社株買いの実施も発表し、これらをポジティブ視した買いを集めたようだ。国内で住宅着工は停滞気味となると想定。半面、非住宅建設市場は企業の設備投資の持ち直しの動きを支えに堅調に推移すると見込む。自社株の取得期間は12日から12月30日。25年3月期の売上高は前の期比5.1%増の2486億9600万円、最終利益は同11.6%増の168億9600万円だった。このほか同社は、コーティングなどのフィルム加工を手掛けるタカラインコーポレーション(大阪市中央区)の株式を取得し子会社化することで基本合意したと発表した。■ヤマトホールディングス <9064> 2,077.5円 +105 円 (+5.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
ヤマトホールディングス<9064>が切り返し急。前日は4営業日ぶりに値を下げ長い陰線を引いたが、きょうは一転して買いが優勢となり、フシ目の2000円大台ラインを巡る攻防となっている。同社が1日取引終了後に発表した26年3月期の業績予想は営業利益が前期比2.8倍となる400億円と急回復を見込んでおり、これをポジティブ視する買いを引き寄せている。「宅急便」の料金値上げによる収益改善に加え、集配拠点の集約や自社車両の効率的稼働など合理化努力に伴うオペレーティングコストの低減によって収益体質向上を図る。なお、25年3月期の営業利益は前の期比65%減の142億600万円と落ち込んだものの、会社側計画を40億円あまり上回って着地している。■アイティメディア <2148> 1,581円 +51 円 (+3.3%) 本日終値
アイティメディア<2148>は反発。1日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を前期比4.9%増の85億円、営業利益を同3.5%増の21億円と発表。配当予想は前期比同額の100円とした。堅調な見通しを好感した買いが入った。同時に発表した25年3月期決算は売上高が前の期比1.2%増の81億円、営業利益が同9.0%減の20億2800万円だった。デジタルイベント収益や運用型広告収益が寄与し増収となった一方、成長投資を中心に総コストが増加したため利益は減少した。■エーザイ <4523> 4,271円 +120 円 (+2.9%) 本日終値
エーザイ<4523>が5日続伸。1日の取引終了後、バイオジェン<BIIB>と共同開発したアルツハイマー病治療剤「レカネマブ」(製品名レケンビ)について、25年3月期のグローバルでの売上高が443億円になったと発表しており、計画していた425億円を上回ったことが好感された。なお、同社は5月15日に決算発表を予定している。■dely <299A> 1,298円 +20 円 (+1.6%) 本日終値
dely<299A>が高い。国内最大級の料理動画サービスである「クラシル」を運営するほか、マーケティング支援や人材採用サービスなども展開している。筆頭株主はLINEヤフー<4689>で同社株式の3分の1強を保有する。足もとの業績は、マーケティング支援事業などを中心に好調を極めている。1日取引終了後に発表した25年3月期決算は営業利益が前の期比14%増の26億6200万円と2ケタ成長を達成し、続く26年3月期は前期比27%増の33億7400万円予想と伸びが加速し、過去最高利益更新が続く見通し。これが好感され物色人気が集中する格好となった。 株探ニュース