レアルでのホーム最終戦を終えたモドリッチ「終わったからって泣かないで。それが起こったことを笑おうよ」「最高のトロフィーは皆の愛情だった」
【欧州・海外サッカー ニュース】レアル・マドリーMFモドリッチ、感動のスピーチ。
今季限りでレアル・マドリーを退団するMFルカ・モドリッチ(39)が24日、本拠地サンティアゴ・ベルナベウでの最後の一戦を終えた。
レアル・マドリーと今季まで結んでいた契約を延長することなく、クラブ・ワールドカップ終了後にクラブを離れることになったモドリッチ。24日のラ・リーガ最終節レアル・ソシエダ戦(2-0)が、ベルナベウで臨む最終戦となった。
先発出場を果たしたモドリッチは、相変わらずのハイクオリティーなプレーでマドリーを牽引して、チームの2-0の勝利に貢献(いずれのゴールもFWキリアン・エンバペが記録)。そして86分、交代でピッチから下がる際には、マドリー、ソシエダの選手たちが彼のために花道をつくっている。
モドリッチは花道を通る前、まずセンターサークルから全スタンドに喝采を送り返し、それから花道を通ってベルナベウでの最後のプレーを終えた。そしてピッチを出た後には、昨季で引退した相棒のトニ・クロース氏、同じくこれがベルナベウでの最終戦となったカルロ・アンチェロッティ監督、さらには家族と強い抱擁を交わしている。観客はその間、大喝采を送り続け、モドリッチ同様、涙が止まらない人たちも数多く見受けられた。
そして試合終了後、モドリッチはマイクを取り、次のようなスピーチを行っている。
「絶対にやって来てほしくない瞬間が、ついに訪れてしまったね。長い旅だったけど、素晴らしかったよ」
「まず最初に、クラブに感謝を伝えたい。フロレンティーノ・ペレス、これまでチームを率いてきたすべての監督、この道をともに歩んでくれたチームメートたち、ずっと僕を支えてくれた人々に……。同様に、家族にも感謝をさせてほしい」
「僕たちはたくさんの勝利をつかんできた。いくつもの素晴らしい瞬間を経験してきた。たくさんのトロフィーを掲げてきた。でもね……最も大切なトロフィーは、あなたたちが僕にくれた気持ち、愛情だったんだ。感謝の言葉が見つからないよ」
「最後に、好きになった言葉を一つだけ言わせてほしい」
「終わったからって泣かないで。それが起こったことを笑おうよ」
「アラ・マドリー・イ・ナーダ・マス(マドリー万歳、それ以上にものはない)。ありがとう」
2012年夏にトッテナムからマドリーに加入し、合計13シーズンを過ごしたモドリッチ。中盤の絶対的存在に君臨し続け、チャンピオンズリーグ6回、ラ・リーガ4回、コパ・デル・レイ2回、スペイン・スーパーカップ5回、UEFAスーパーカップ5回、クラブ・ワールドカップ5回、インターコンチネンタルカップ1回と、クラブ史上最多となる合計28タイトルを獲得。また今季には、故フレンツ・プスカシュ氏の39歳と38日という記録を上回り、マドリーの最年長出場記録を更新していた。
なお、モドリッチが紹介した言葉「終わったから泣くんじゃなくて、(そもそも終わってほしくない素敵なことが)起こったのだから笑おうじゃないか」は、『百年の孤独』などを執筆したコロンビア人作家、故ガブリエル・ガルシア=マルケス氏のもの。スピーチを終えた直後には、若手や新加入選手にさらなる出場機会や責任を与えるため、断腸の思いでモドリッチとの契約を延長しないことを決断したとされるフロレンティーノ・ペレス会長も涙を流していた。
翻訳=江間慎一郎(モドリッチのコメント部分)