「愛の、がっこう。」最終話 心が震えた……。ラウールと木村文乃が魅せた「魂の演技」に最大級の賛辞を。#木村文乃 #ラウール #SnowMan #6969b
「愛という字を書くのは難しい、真ん中の心が小さすぎても大きすぎても不恰好になる」
その言葉を聞いた時、私は不恰好でも構わないから、この作品への愛を語りたい。 そう思った。
それほどに、心を揺さぶられ、心を動かされたのだ。
現代社会において、純愛がいかに愛おしく尊いものなのかを教えてくれた「愛の、がっこう。」に心から感謝したい。 「愛の、がっこう。」というタイトルは、私たち視聴者に向けた言葉なのかもしれない。
最終回、蓋を開けてみると、そこには想像を超えるほど壮絶な展開が待っていた。
試験不合格となったカヲルと愛実の別れのシーンは、目を覆いたくなるほどに辛く重いものに……。 しかし、この悲痛な感情と同時に“後世に語り継がれる名シーン”を目の当たりにしているという高揚感に近い感情になっている自分がいたのだ。
これまでもラウール氏の繊細で美しい演技に驚かされてきたが、最終回では、さらに1段階上がったような彼の“凄み”を感じた。
これまで自分を保つために自分を肯定し嘘の自分を演じてきたカヲルが、あのシーンで初めて本当の自分を愛実に曝け出すことができたのだ。
そのカヲルの不器用ながらも成長していく姿を、ラウール氏は、繊細な表情とセリフの絶妙な抑揚によって完璧に表現していたと私は思う。
カヲルの持つ「未完成の美しさ」をここまで自然体で表現できるのは、ラウール氏の底知れない表現力と、これまでに培われた経験値、そして秀逸な脚本があってのことだろう。ラウール氏の底が見えない魅力に恐怖すら感じるこの頃だが、歌、ダンス、演技、モデル業と、全てにおいて“表現者”である彼を今後も追っていきたい。
結末はハッピーエンド! 余白があるからこそ広がる妄想!
22時40分時(前述したカヲルと愛実の別れ時)はどうなってしまうのだろうと思った結末だが、無事にハッピーエンドとなった。
そのラストは「愛まみれの中での接吻」
愛に溢れる作品で、文字通り“愛”に溢れたラスト。 私はこの「大胆さ」も、このドラマの好きな点であり、魅力の一つだと考える。
大胆な演出ではあるが、この演出には「カヲルは愛という字の中に、心があると気づいたことで、愛を上手く書けるようになった」という意味も込められているのだ。
カヲルも愛実も様々な挫折の中で「愛は心でするもの」と気付いたのだろう。
自分に正直に生きる大切さを知った2人の未来は、描かれずとも幸せなものになると想像ができる。もう少し先(何年後かの未来)の2人の姿も見たかったと思う方もいるかもしれないが、描かれなかったという「余白」のおかげで余韻に浸りながら妄想できるというものだ。
カヲルの父が松浦社長(沢村一樹)なのかも明確に描かれなかったのも然り。私は「父親のような表情でカヲルを見つめる松浦社長」でしばらく妄想ができそうだ。
また2人のラストは「愛まみれの中での接吻」だったが、物語のラストシーンは「小川家の日常」だったことも、このドラマがただの恋愛ドラマではない理由が詰まっている。その日常には「新しい1歩」を暗示するように新芽が咲いていた。芽吹はカヲルと愛実の新たな1歩でもあり、小川家の新たな1歩でもあるのだ。
恋愛においての愛だけでなく、家族としての愛も丁寧に描いてきた「愛のがっこう。」らしい素敵なラストシーンだった。
改めて、生きていく上で大事なことを沢山学ばせてもらったこの作品に心より感謝したい。個人的には「弱さを曝け出せるようになったカヲル」から多くのことを学んだ。 偽りの自信で見栄を張り「強い自分」を演じるよりも「弱い自分」を認めて真摯に生きていくことの方が人間として強いんだと再認識させられた。
失敗しない人間も、1人だけで生きていくことのできる人間もいないんだなと。 この作品が今後の人生の大きな道標の一つになったことは間違いない。
「句点は新しい文章を始める印でもある」
私たちの中で「愛の、がっこう。」は永遠に続いていく。
著者:ペチ イメージイラスト:サク
••┈┈┈┈•• ドラマ情報 ••┈┈┈┈•• フジテレビ『愛の、がっこう。』( 毎週木曜夜10時~) 出演:ラウール(Snow Man)、木村文乃、沢村一樹、中島歩、田中みな実、りょう、酒匂芳 、吉瀬美智子 他 脚本:井上由美子 演出:西谷弘、高橋由妃、山田勇人 プロデュース:栗原彩乃 音楽:菅野祐悟
主題歌:レイニ『Spiral feat. Yura』