香港中銀が為替介入、ペッグ下限到達で12億米ドル売却
[香港/上海 26日 ロイター] - 香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)は26日、香港ドルが許容変動幅の下限に達したことを受け、12億米ドル規模の米ドル売り・香港ドル買い介入を行ったと明らかにした。
香港ドルは1米ドル=7.75─7.85香港ドルの範囲で変動するドルペッグ制を採用し、HKMAがレンジの上限と下限で介入してペッグを維持している。
香港ドルは先週末、2年ぶりに許容変動幅の下限に下落していた。
HKMAのエディー・ユー総裁はオンライン声明で「資本の流れの方向や香港ドルの需給状況によっては、香港ドル安サイドの交換性保証が将来、再び発動される可能性がある」と表明。
「総残高の減少で香港ドルの銀行間金利が上昇する可能性がある。HKMAは香港ドル市場の秩序ある運営のため、市場の動向と外部環境を引き続き注視する」と述べた。
HKMAによると、銀行システムの流動性を示す総残高は27日に94億2000万香港ドル減少する。香港ドル相場の低迷が続き、追加介入が行われた場合、香港ドルの流動性はさらに縮小する見通し。
DBSのストラテジスト、チャン・ウェイ・リャン氏は「現状ではキャリートレードで米ドル/香港ドルをロングにする動きが維持されており、香港ドルの流動性が正常化するには時間がかかる可能性がある。香港ドル買い介入をさらに実施し、総残高を減少させる必要がある」と述べた。
香港ドルは5月から6月にかけて、大規模な株式公開や割安株の買いに中国本土や海外から資金が流入したため急変動した。
資金流入による香港ドル高を受け、HKMAはペッグを維持するため香港ドル売却を迫られ、銀行システムの流動性が増加したことから香港銀行間取引金利は急低下。このため香港ドルを借り入れて他市場に振り向けるキャリートレードが拡大している。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab