鈴木優磨が吼えた!浦和のミス逃さず千金弾! 鹿島、7戦ドロー続いた名門対決制して首位浮上
J1リーグは20日、第30節を各地で行い、埼玉スタジアム2002で浦和レッズと鹿島アントラーズが対戦した。今季最多53301人の大観衆が詰めかけたチケット完売の一戦。前半14分、FW鈴木優磨が浦和のミスを逃さず決めた先制ゴールが決勝点となり、鹿島が1-0で勝利した。今節は首位の京都が清水に敗れたため、鹿島は首位に浮上した。
2022年から過去7試合連続で引き分けが続いていた名門対決。ホームの浦和は負傷明けで前節途中出場のMF渡邊凌磨が7試合ぶりに先発復帰し、FW松尾佑介を1トップに置く今夏のクラブW杯を戦った主力布陣で臨んだ。対する鹿島はMF舩橋佑が3試合ぶりに先発復帰。ユース所属で17歳のFW吉田湊海がベンチに入った。[スタメン&布陣]
前半開始直後、浦和の松尾がDF植田直通にペナルティエリア際で倒され、さっそくビッグチャンス。だが、MF金子拓郎のシュートは日本代表GK早川友基のファインセーブに阻まれた。対する鹿島も同5分、左サイド起点の攻撃でバイタルエリアを横断すると、前節今季初ゴールのDF濃野公人が果敢な攻撃参加からフィニッシュ。DF長沼洋一のスライディングブロックに止められた。
そうして迎えた前半14分、浦和のミスから試合が動いた。左CBのDFマリウス・ホイブラーテンが前方へのパスコースを探したが、鹿島の守備ブロックを見ていったんバックパスを選択すると、GK西川周作が鈴木のプレッシングを受けて左足パスをミス。これを鈴木に奪われ、無人のゴールマウスに流し込まれた。
鹿島にとっては見事なハイプレスからしてやったりの先制点。ゴール裏に向かってエンブレムをアピールし、大きく吼えた鈴木は3試合ぶりの今季9ゴール目となった。その後は浦和が攻め込む時間が続くが、鹿島は前線からのプレッシングに加え、植田と韓国代表DFキム・テヒョンの守備が固く、決定的なチャンスは作らせない。前半31分にはMFサミュエル・グスタフソンのスルーパスに渡邊が抜け出し、左足で狙うも早川が右足でストップ。同32分、MFマテウス・サヴィオの左CKに渡邊がファーサイドで飛び込むも、ボレーシュートは枠を外れた。
なおも猛攻を仕掛ける浦和は前半36分、西川のロングキックをM・サヴィオが収め、左サイドを突破すると、右足アウトサイドでゴール前にラストパス。これに松尾が反応するが、ボールをやや追い越してしまい、良い形で合わせられない。同41分にはM・サヴィオの縦パスを渡邊がエリア内で収め、ラストパスを攻撃参加していたDFダニーロ・ボザが収めたが、右足シュートは惜しくも左に外れた。
さらに浦和は前半42分、グスタフソンを起点とした速攻から長沼が濃野を振り切ってペナルティエリア内に攻め込み、植田の股を抜いてゴール前を横断するクロスを送ると、ファーサイドでフリーになっていた金子が反応。左足ダイレクトでシュートを放ったが、大きく枠を外れた。ミスで失点した後、満員のゴール裏に向かって攻勢を続けた浦和だったが、チャンスをことごとく決め切れず、ノーゴールで前半を終えた。リードしながらも苦しい内容が続いた鹿島は後半開始時、舩橋とFWエウベルに代わってMF知念慶とMF松村優太を投入。松村は右サイドハーフに入り、FWチャヴリッチが右から左に回った。すると同5分、チャヴリッチがDF石原広教から高い位置でボールを奪い、またもハイプレスでビッグチャンス。だが、FWレオ・セアラがホイブラーテンの素早い寄せに阻まれた。
さらに後半9分、鹿島はレオ・セアラのボール奪取から鋭いカウンターを仕掛けると、チャヴィリッチが浦和DF2人をかわして右足シュート。だが、これは西川のスーパーセーブに阻まれ、絶好のチャンスを逃した。一方の西川は前半の痛いミスから切り替え、チームを救う仕事を果たした。劣勢が続いた浦和は後半12分、金子に代わってFW小森飛絢を投入し、4-4-2に布陣を変更。前半途中からトップ下を務めていた渡邊が右サイドに回った。すると同16分、長沼のボール奪取から松尾がカットインし、対面の相手と駆け引きしながら右足シュート。だが、わずかに枠の右に外れる。
浦和は後半27分、グスタフソン、M・サヴィオ、松尾の3人を一気に入れ替え、MF中島翔哉、MF関根貴大、FWイサーク・キーセ・テリンを投入。渡邊はボランチに回った。なおも優勢を保つ浦和は同36分、中島の左CKからテリンがヘディングで狙うが、これも枠外。同38分には左サイド攻撃から関根が決定機を迎えたが、早川の連続スーパーセーブに阻まれた。
その後も見どころあふれる攻防が続いたが、鹿島は最終盤のテリンの決定的なシュートもGK早川が完璧なセーブを見せ、1点リードを守ったままタイムアップ。名門対決は8試合ぶりに決着がつき、最後に決着がついた21年11月7日の対戦に続いて鹿島が1-0で勝利した。 (取材・文 竹内達也)●2025シーズンJリーグ特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中