アングル:ムスリム候補者をやり玉に、米中間選挙でイスラム教を争点化する共和党
[ワシントン 8日 ロイター] - バンス米副大統領(共和党)は先週の集会で、ミシガン州から連邦上院議員選に出馬するイスラム教徒のアブドゥル・エルサイード氏(民主党)を「極めて邪悪だ」と呼び、3月にデトロイト郊外のユダヤ教礼拝所が攻撃された後に行った発言を根拠に、テロを擁護していると非難した。
テキサス州では、再選を目指し接戦を戦う共和党のアボット知事が、イスラム教徒が主導する開発計画を攻撃し、「シャリア(イスラム法)裁判所」の創設に向けた動きだとして調査を求めた。開発業者と人権団体はこの主張に反論している。
イスラム教徒が人口の0.5%に満たないアラバマ州では、知事選に出馬している共和党のトミー・タバービル連邦上院議員が、「イスラム過激主義」を指して「敵はわれわれの(州の)中にいる」と語った。
<イスラム教徒が争点に>
こうした発言の背景には、民主党が議会の主導権を奪えるかが決まる11月3日の議会中間選挙を前に、イスラム教徒およびイスラム教を争点化しようとする動きがある。
批判派は、こうした言説が不当にイスラム教徒を標的にしていると主張するが、共和党側は安全保障や過激主義、そして人々の生活における宗教の役割について正当な懸念を提起しているだけだと主張している。
アボット知事陣営の報道担当者は、同知事の開発計画に対する主張は違法行為の疑いに向けられたものであり、宗教的信仰に対するものではないと述べた。
ピュー・リサーチ・センターによると、全米のイスラム教徒は約550万人で、2007年の240万人から増加しており、総人口の約1.6%を占めている。
米国のイスラム教徒は近年、連邦下院選で複数の教徒が当選するなど、政治的な節目を次々と達成してきた。ニューヨーク市では昨年、ゾーラン・ マムダニ氏がイスラム教徒として初の市長に選出され、エルサイード氏はイスラム教徒として初の連邦上院議員になる可能性がある。バージニア州では、ガザラ・ハシュミ氏が副知事選に勝利し、州全体を対象とする公職に選出された初のイスラム教徒女性となった。
激しい言説は下院選にも広がっている。
ともにテキサス州選出の共和党連邦下院議員、キース・セルフ、チップ・ロイ両氏は「シャリアのない米国の議員連盟」を結成し、フロリダ州選出の共和党ランディ・ファイン連邦下院議員は、米国におけるシャリアの「台頭に対処する」とする法案を提出した。
<議論の的、エルサイード氏>
米国生まれのエルサイード氏は全米で唯一、州全域を選挙区とする公職選挙に出馬しているイスラム教徒として、全米で反イスラム言説の標的となってきた。
バンス副大統領による批判は、3月にデトロイト郊外のユダヤ教礼拝所に男が車両で突っ込んだ事件の後に、エルサイード氏が発言した内容に関するものだった。同氏は事件を非難する一方で、容疑者について「傷ついた人間が他人を傷つける」と述べ、レバノンにいる容疑者の親族の一部が最近イスラエル軍の空爆で死亡していたことに触れた。
エルサイード氏はその後、この発言が誤解を招いた可能性があるとして謝罪した。
また先月には、バンス氏の攻撃に対して「邪悪とは、大富豪への減税と引き換えに働く人々から医療を奪うことだ。邪悪とは、貿易戦争や実際の戦争を推進しながら、人々に食料品やガソリンの価格高騰を強いることだ。邪悪とは、己の利益のために人々を分断することだ」と反論した。
エルサイード氏はまた、ポッドキャストのインタビューで、一部の米国人が孤立感を抱いているのは、携帯電話やソーシャルメディア(SNS)に原因があると述べ、エジプトにいる親戚が感じているコミュニティとの一体感と対比させた。
するとアラバマ州のタバービル氏はSNSのXに「そんなに米国が嫌いならエジプトに行けばいい」と投稿した。
エルサイード氏はまた、2001年9月11日の米国同時多発攻撃について「米国には報いを受ける理由があった」と発言した左派インフルエンサー、ハサン・パイカー氏との交流をめぐり、共和党から批判を受けている。
<政治的動機を巡る論争>
国民は今トランプ大統領に疑問を抱き、支持率は約33%と低迷している。国民の最大の懸念事項は、高い生活費、米国とイスラエルによる対イラン戦争、そしてトランプ氏による外国製品への関税だ。
イスラエルに対する世論は、特に民主党員の間で変化しており、世論調査ではパレスチナ人への同情や、米国の軍事支援に対する反対の高まりが示されている。
ロチェスター大学の宗教学教授、アーロン・ヒューズ氏は、共和党が生活費、イラン戦争、移民問題などの課題で政治的な支持を得るのに苦戦する中で、イスラム教徒についての問題提起が強まったと指摘する。
ヒューズ氏は電話インタビューで「国旗を身にまとい、イスラム教徒やイスラム教を批判すれば、実際の課題に向き合わずに済む」と述べ、「不安のあおり立て」だと批判。「(イスラム)コミュニティに極端なレッテルを貼り、ハマスやイランと結びつけている。このような混同に最もショックを受けている」と語った。
ヒューズ氏はまた、多くのイスラム教徒が一部の人工妊娠中絶や同性婚に反対するなど、共和党の正統派と一致する保守的な信念を抱いているにもかかわらず、攻撃されていると指摘した。
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David works as a Race and Justice correspondent at Reuters. He writes about all the ways policy, legislation and politics affect people of all identities — or doesn’t. For 2026, he covers how various Latino communities in the U.S. view their place in American culture and how that influences their votes in the midterm elections. He previously worked for Bloomberg Industry Group, where he covered state and corporate taxes, with a focus on equity in the tax code. On the Bloomberg Law desk, he covered the anti-environmental, -social and -governance movement that underpinned Donald Trump's return to the White House for two years. He also spent eight years covering Congress, financial and fiscal policy, legislation and regulations, with an eye for justice and injustice in these systems. David is the son of Latino immigrants and grew up on the Central Coast of California. He enjoys salsa of both kinds: dancing and cooking from all regions of Mexico.