原油反落、ブレント一時3.5%下落-米国のイラン攻撃近いとの懸念後退
Bloomberg News
- トランプ氏、イラン攻撃を2週間以内に判断-ホワイトハウス報道官
- 激しくは動くものの、当面は70-80ドルのレンジ-ウエストパック銀
20日の取引で、原油相場が反落している。トランプ米大統領はイランを攻撃するか2週間以内に判断すると示唆し、米国の攻撃が迫っているとの懸念が後退した。
ブレント原油先物は一時3.5%下落し、1バレル=77ドルを割り込んだ。その後、下げをやや縮小した。ホワイトハウスのレビット報道官は19日、イランと「交渉する相当の可能性」があるため、決定まで一定の時間を置くとするトランプ氏の声明を読み上げた。
今週の原油相場は先物の変動幅が8ドルに達するなど激しく、ボラティリティーが急上昇し、タイムスプレッドも大きく拡大した。オプション市場では、ロシアのウクライナ全面侵攻後よりも強気に傾く場面があった。
米国が週末の間にイランを攻撃するとの懸念から、19日はブレント原油が約3%上げて引けていた。米高官は攻撃の可能性を準備しているものの、状況は依然として流動的だと、事情に詳しい関係者は述べた。
ウエストパック銀行の商品・カーボン調査部門責任者ロバート・レニー氏は、「レビット報道官の発言が、市場の切迫感をある程度和らげた」と指摘。「少なくとも当面は、激しくは動くものの、70-80ドルのレンジが支えられそうだ」と分析した。
イスラエルはイランの核施設に対する攻撃を続けているが、イランの原油輸出インフラには今のところ被害は及んでいない。ただ、同国の主要輸出ターミナルであるカーグ島の貯蔵タンクは原油で満杯となるなど、輸出を急いでいる様子もみられる。
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原題:Oil Drops as Trump Signals Iran Strike Decision Within Two Weeks(抜粋)
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