"kwsk"って何て読む?←これが読める理由を説明します
ネットスラングは脳が生んだ奇跡。
人間の脳は非常によくできていて、実際に目で見えているものだけで物事を判断するだけではありません。見えていない部分については、脳が勝手に補完・予測して意味や全容を理解しようとします。
母音や文字が抜けていても、脳は文の意味を理解する
それは単語の理解でも一緒。例えば英単語を見て、そこに母音が一切欠如していたとしても、それがなんの単語なのか理解する能力があります。
たとえば、”Th dg s rnng”という文章を見たときに、脳は過去の経験や文脈を基に推測し、”The dog is running”かな?と意味を理解しようとします。
日本語でも、「宿題わすて田中先に怒らた」と、文字がところどころ抜けた文章を読んでも、「ああ、宿題忘れて田中先生に怒られたのかなー」と理解できますよね。
人間が視覚的に情報を処理する際、視覚野や特定の文字の組み合わせを認識する領域が関与しているそうで、ここが文字パターンの認識に重要な役割を果たします。母音などの情報が欠けて曖昧な文になっても、脳が単語を再構築する能力を発揮して、情報が不完全でも認識してくれるのです。
文字だけでなく、顔や物も補完して認識
スタンフォード大学の神経科学者デイビッド・イーグルマン氏は、これについて「私たちは受動的に文を受け取るのではなく、能動的にそれを予測しています」と話しています。
イーグルマン氏によると、これは暗闇の中で姿が見えなくても、声やシルエットで友人を判別できるのとも似ているのだそう。
確かにコロナ禍でマスク生活をしていたころ、「マスクで隠れている顔の部分を脳が補って、顔として認識している」みたいな話をよく聞きましたよね。
ただ、ほとんどの人は、右側の紡錘状回が顔や物の認識を担当しており、左側のVWFA(視覚言語処理領域)が、文字パターンや単語の認識に重要な役割を果たしているのだそう。
脳の補完能力が生んだネットスラング
この能力が遺憾なく発揮されている分野の1つがネットスラングです。
たとえば”kwsk”。これは「もっと詳しく教えて」という意味をあらわすネット用語で、「kuwashiku(詳しく)」の母音を略した言葉。
2ちゃんねる時代に生まれ、今もなお使用されているという、ある意味「インターネット古語」とも呼べる老舗のネットスラングです。
他にもあまり気分の良い言葉ではありませんが、DQNとかggrksなども同じような使われ方なのでしょう。
人間の脳はまだまだ奥が深いもの。宇宙よりも地球の奥底よりも、まずは自分たちのことをよく知ってみたいものです。
Source: Live Science