「10円ライス」に「100円ランチ」大学食堂で格安提供が続々 物価高、限界学生を救う
物価高騰に苦しむ学生の「食」を支援しようと、関西各地の大学が格安ランチの提供などを行っている。関西外国語大(大阪府枚方市)は週1回のペースで実施していた格安ランチの提供を4月から週2回に増やした。昨年には滋賀大(滋賀県彦根市)がライス1杯を10円で、佛教大(京都市北区)もランチを100円で提供したところ、食費を切り詰めて暮らす学生らに好評だった。中東情勢の緊迫化などを背景に物価高に歯止めがかからない中、各大学は引き続き支援を行う方針だ。
550円→300円「Happy Monday LUNCH」
関西外大の格安ランチ提供は、令和3年に新型コロナウイルス禍でアルバイト収入や仕送りが減った学生向けに始めた支援プロジェクトがきっかけ。プロジェクトは食料品や日用品の無料配布からスタートし、4年の秋学期(9月開始)からは「Happy Monday LUNCH」と題してキャンパス内の食堂で毎週月曜に格安ランチの提供を始めた。4月からはさらに手厚くサポートしようと、「Lucky Thursday LUNCH」と銘打って毎週木曜にも格安ランチの提供を行っている。550円相当の食事を300円で提供、差額を大学側が負担する仕組みだ。
関西外大で提供されている格安ランチ=大阪府枚方市(同大提供)メニューは「鶏白湯ラーメン」や、ご飯とみそ汁付きの「味噌(みそ)カツ」など。友人と食堂を訪れた外国語学部2年の今村美咲さん(19)は「アルバイトをしながら自炊を続けているが、『物価が高い』と感じる。それだけに(格安ランチが)週2回になったのはうれしい。栄養やボリュームもあるので本当に助かる」と喜んでいた。
同大の担当者は格安ランチが予想を上回るペースで売れていることも踏まえ、「物価高への不安を抱える学生は多い。状況をみながら、どう学生を支援できるのか協議を進めたい」としている。
高タンパクで睡眠の質も改善
学校法人「常翔学園」が運営する大阪工業大(大阪市旭区)と摂南大(大阪府寝屋川市)も4月、学生限定で「100円ランチ」を提供した。鶏肉のそぼろを使った「黒米入り三色丼」などのメニューを用意。物価高対策とあわせ、慣れない新生活による疲れを、睡眠の質向上に効果があるとされる鶏肉や卵などのタンパク質を取ることで改善してもらうのが目的だ。
通常なら600円相当の食事を「100円ランチ」として提供する取り組みは6年度から各年度4回のペースで実施。物価高が続く中、人気が定着しており、「学生が食券販売機の前に並ぶのが恒例になっている」(大工大の担当者)。
滋賀大は昨年10~11月、物価高に苦しむ学生の経済的負担を減らし、学業に専念できる環境を整えるため、彦根、大津の両キャンパスの食堂でライス1杯10円で提供した。滋賀県産の「近江米」を使い、特大・大・中・小・ミニの5種類を用意。「特大」は本部のある彦根キャンパスのみだったが、体育会系の学生らを中心に好評だったという。1万杯を準備し、当初は11月中旬ごろの終了を見込んでいたが、人気のため11月3日に前倒しで終了した。
佛教大も昨年10~11月、京都市の紫野、二条の両キャンパス内の5カ所で「学生応援ランチ」として通常600円相当の昼食を学生証を提示すれば100円で食べられるようにした。学生らでつくる学友会と同大の協力で実現。6千食を準備し1日の提供数に上限を設けていたが、定食だけでなくパスタとスープのセットなど内容も豊富とあって、営業前から学生が列を作るほどの人気ぶり。反響が大きかったことから「時期は未定だが、今年度の開催も検討している」(同大担当者)という。(藤崎真生)
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