ノーベル平和賞にも「忘れられた戦争」 「利権」に群がる国々
アフリカのスーダンで続く「忘れられた戦争」が10月に発生から3年半を迎えた。
「世界最悪の人道危機の一つ」(国連)が起きているにもかかわらず、中東やウクライナの紛争に比べて、国際社会の優先度や注目度は低い。過去2年のノーベル平和賞では、スーダンの人道支援団体が有力候補に挙がっていたが、受賞はならなかった。
「平和の構築者」を自任するトランプ米大統領の関心が低い一方で、地域大国やロシアが「利権」を狙って介入し、混迷に拍車がかかっている。
<主な内容> ・なぜ長期化するのか ・重なる「代理戦争」の構図 ・戦況に応じて乗りかえるロシア
・血塗られた「内戦の歴史」の背景
2人の「主役」の権力闘争
発端はスーダンの軍事組織を束ねる2人の権力者による主導権争いだった。
スーダン国軍トップのブルハン氏と、準軍事組織・即応支援部隊(RSF)を率いるダガロ氏。2019年のクーデターで「共闘」してバシル独裁政権を倒した後、民主化勢力を抑え込んで権力を握った。
しかし民政移管プロセスを進める中、「国軍とRSFの統合」で権力闘争が激化した。23年4月に首都ハルツームでの市街戦から火が付き、国土全域を巻き込む大規模な内戦に発展した。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、国軍はハルツームや北・東・中部の大部分を支配下に置いている。
一方、RSFはダルフール地方のほぼ全域を含む西部の多くを制圧し、ダルフール地方の金鉱山の利権も握っている。
最近は両陣営の支配地域が接する南コルドファン州で戦闘が激化しており、国軍側が攻勢を強めている。
1000万人以上が家を追われ
内戦の長期化で、民間人の被害や難民・国内避難民は増加している。
米国の調査団体「ACLED」などによると、過去3年半で少なくとも5万9000人が死亡し、1000万人以上が家を追われた。
国連機関などで作る連合体「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」は、今年5月時点で人口の4割以上にあたる約1950万人が深刻な飢餓に直面し、今年約82万5000人の5歳以下の子どもが重度の急性栄養不良に苦しむと予測した。
複雑に絡み合う地域諸国の思惑
内戦が長期化した要因は、豊富な資源を背景に地域諸国の思惑が…
1日あたり約35円!月額1,078円(税込)で読み放題