「因果応報」 億万長者の米国人ハンター(59)がバッファローに襲われ即死 /南アフリカ
南アフリカ共和国の草原で狩りをしていた米国人の億万長者が、自身が追っていた野生のバッファローに襲われて即死したことが分かった。英紙ガーディアンやデイリー・メールなどが8日に報道した。
【写真】亡くなったアッシャー・ワトキンスさん(59)と同氏を襲ったバッファロー
報道によると、米テキサス出身の億万長者アッシャー・ワトキンス氏(59)は3日、南アフリカ共和国リンポポ州のあるサファリでバッファローの狩りをしていたところ、バッファローに突き飛ばされて死亡したとのことだ。
ワトキンス氏は当時、南アフリカ共和国のある高級狩猟ツアーに参加し、専門の狩猟ガイドと共にバッファローを追跡していたという。時速56キロメートルで突進してきたバッファローに突き飛ばされたワトキンス氏は、バッファローの角が刺さって即死したとのことだ。
現場に出動した救急救助隊の関係者は「肋骨(ろっこつ)と腹部に深刻な傷を負って倒れていた」「救急車に遺体を載せること以外、できることがなかった」と語った。
ワトキンス氏は米テキサス州で数百万ドル(数億円)規模の高級牧場不動産を取引するファミリー企業「ワトキンス・ランチ・グループ」のマネージング・パートナーだ。交流サイト(SNS)を通じてピューマ・大型のオスのシカ・数百羽の野鳥など、さまざまな野生動物を狩って記念品(トロフィー)としてその体の一部などを手に入れる「トロフィーハンティング」の写真を公開してきた。
この狩猟ツアーの常連客だったワトキンス氏は、今回も多額の費用をかけて参加したと言われている。初日にはウォーターバックのオスを狩り、2日目にバッファローを追っていたところで悲劇に見舞われた。
現地メディアは「ワトキンス氏は家族と共に数万ドルかけて南アフリカ共和国を訪れ、獲った動物の種類に応じて追加料金を支払っていたものと推定される」と報じた。同氏が追っていたバッファローのハンティング費用は1頭当たり7500ポンド(約150万円)に達する。
事故時、ワトキンス氏は母親ときょうだい、義理の父親、元妻と共に高級サファリのロッジに滞在しており、16歳の娘も同行していた。
遺族は大きなショックを受けている。元妻のコートニーさんは交流サイト(SNS)を通じ、「この現実は受け止めがたい。娘のために一日一日を耐えている」という長文の追悼文を投稿した。
だが、インターネット上には、ワトキンス氏の死を「因果応報」とする投稿が多く寄せられている。「同氏は生前、狩りで殺した動物をアピールしてきたのだから、同氏の死はお悔やみを述べるに当たらない」というのが彼らの主張だ。
ワトキンス氏を襲ったバッファローもやはり狩猟専門ガイドが撃った銃に当たり、その場で死んでいたことが分かり、ネット上ではワトキンス氏を襲ったバッファローに対する哀悼の言葉が寄せられている。
ワトキンス氏の事故を巡り、否定的な世論が高まるや、コートニーさんはSNSに掲載した追悼文を削除した。
現地の当局は、ワトキンス氏の事故に関する詳しい経緯を把握するために、調査を行っている。
キム・ジャア記者
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