トランプ大統領、州兵の展開拡大を検討-ニューヨークとシカゴも視野
- 首都ワシントン以外の都市にも州兵の展開を拡大する準備
- シカゴ市長やイリノイ州知事は反発、NY市長候補は不要と主張
トランプ米大統領は22日、首都ワシントン以外の都市にも州兵の展開を拡大する準備を進めていると述べ、ニューヨークやシカゴなども検討対象だと明らかにした。
トランプ氏はすでに、ワシントンの警察を連邦政府の指揮下に置き、約2000人の部隊を同市に派遣している。同氏は次の展開先として、民主党が主導権を握る他の大都市となる可能性を示した。
「シカゴは混乱している。無能な市長がいる。非常に無能だ。われわれが立て直すことになるだろう。おそらく次はそこだ」とトランプ氏は述べ、「それからニューヨークも助ける」と語った。
この方針に対し、シカゴのジョンソン市長は反発。住民と警察の緊張を悪化させ、犯罪対策の進展を妨げる可能性があると警告した。「大統領のやり方は、調整されておらず、必要性もなく、健全でもない」とした。
シカゴでは新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)後に犯罪が増加したが、近年は改善傾向にあり、今年上期の殺人事件は前年同期比で32%減の188件となり、10年以上ぶりの低水準となっている。
イリノイ州のプリツカー知事も反対の意を表明。「トランプ氏はロサンゼルスやワシントンを使って権威主義的な過剰介入を試みた後、今度は他の州や都市にまで手を伸ばそうとしている」と批判。「トランプ氏の目的は、地域社会に恐怖を与え、既存の治安対策を不安定化させ、自らの権限乱用を正当化することにある」と指摘した。
ニューヨーク市のアダムズ市長も先週、「われわれに任せてほしい」と述べ、州兵展開に反対の意向を示している。アダムズ氏は民主党所属だが11月のニューヨーク市長選では無所属で立候補し再選を目指す。
一方、共和党のニューヨーク市長候補カーティス・スリワ氏は22日、ミッドタウンでの選挙活動中、多くの有権者がワシントンへの州兵派遣には賛成していたが「ニューヨークにまで大統領が介入する必要はない」と語った。
ボンディ司法長官は22日にX(旧ツイッター)への投稿で、州兵展開の命令以降、ワシントンでは719人が逮捕され、銃器91丁が押収されたと述べた。警察は8月13日以降、殺人事件は発生していないと発表している。
🚨 719 arrests and 91 illegal guns seized in Washington, DCJust yesterday we made 40 arrests, took 5 more illegal firearms off our streets, and had 36 ICE arrests—including a suspected MS-13 gang member.
Thank you @POTUS for your unwavering support to make DC safe again! pic.twitter.com/WzFM9QAuBg