コラム:韓国の李新大統領就任、日本に続き株主資本主義に転換か
[香港 4日 ロイターBREAKINGVIEWS] - 韓国大統領選挙における最大の勝者は投資家かもしれない。半年にわたる政治の混乱は、革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表の勝利により終止符が打たれた。株式市場の活性化や、企業経営陣の説明責任のあり方にメスを入れることを公約を掲げた李氏は、有権者から負託を受け、韓国企業が市場で他国企業に比べて低く評価される「コリア・ディスカウント」の解消に本格的に取り組む。
49%余りの得票率で決定的勝利を収めた李氏は、米国の関税措置による影響への対応、脆弱な輸出依存型経済で低迷する国内需要の活性化など、山積する課題を抱えて就任する。それでも、左寄りの政権に対する期待を映し、韓国の主要株価指数KOSPIは今年に入り12%上昇している。これは、李氏のより積極的な財政支出と政府主導の成長という、罷免された尹錫悦前大統領の減税や規制緩和とは異なるアプローチが一定程度寄与している。
Line chart comparing the benchmark index price performance of South Korea, Japan and the U.S. since the start of 2025李新大統領はコリア・ディスカウントを解消し、KOSPI(4日時点で約2700ポイント)を2倍の5000ポイントに押し上げると公約しており、市場は上昇を維持するとみられる。
韓国では長らくコーポレートガバナンス(企業統治)が不十分で、国内で圧倒的な影響力を持つ財閥は株主保護に関する認識が低く、それがコリア・ディスカウントと高い資本コストをもたらしてきた。
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(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
Robyn Mak joined Reuters Breakingviews in 2013. Previously, she was a Research Associate for the Global Policy Programs at the Asia Society in New York. She has also worked at the Carnegie Endowment for International Peace in Washington DC and interned at several consulting firms, including the Albright Stonebridge Group. She holds a masters degree in international economics and international relations from the Johns Hopkins School of Advanced International Studies and is a magna cum laude graduate of New York University.