米紙は「プーチンの論法と同じ」と警告…海外メディアが報じた「トランプ大統領が狙うベネズエラの次」とは(プレジデントオンライン)|dメニューニュース

2026年1月6日、ワシントンD.C.のケネディ・センターで行われた下院共和党議員のリトリートで演説するドナルド・トランプ米大統領 - 写真=時事通信フォト

PRESIDENT Online 掲載

ベネズエラ攻撃の衝撃が冷めやらぬ中、トランプ大統領の「次の一手」に国際社会の警戒が強まっている。米メディアはその論法を「プーチンと同じだ」と厳しく批判。覇権と資源をめぐる強硬姿勢は、戦後80年かけて築かれた国際秩序を揺るがしかねず、中露に口実を与えると警告している――。

■トランプが狙う西半球の覇権

トランプ政権が西半球(南北アメリカ大陸)の支配権を確立しようと、不穏な動きを見せている。

米ウォール・ストリート・ジャーナル紙ほか国内でも多くのメディアが報じたように、1月にはベネズエラを攻撃したことが記憶に新しい。だが、トランプ氏の野望はベネズエラにとどまらない。

米有力シンクタンクのカーネギー国際平和財団は、トランプ大統領がかつてアメリカが管理していたパナマ運河の支配権を奪還するほか、カナダをアメリカ51番目の州として併合すること、さらには「国家安全保障上の理由」を口実にデンマーク領グリーンランドを併合するなど、複数の意欲を表明していると指摘。いずれについても軍事手段の行使を辞さない構えだとして問題視している。

背景には石油業界との蜜月がある。同シンクタンクによると、石油・ガス業界は2024年、トランプ陣営とスーパーPAC(候補者を支援する政治広告に無制限の支出が認められる団体)に対し、少なくとも計9600万ドル(約150億円)を寄付。選挙後もさらに、就任式基金などへ4100万ドル(約64億円)を拠出した。トランプ大統領自身も軍事行動が石油採掘と結びついていることを認めており、アメリカ軍が自国の石油企業の利益のために動員されている構図が浮かび上がる。

アジアの治安維持への関心は薄くなるとみられる。2期目就任以前から一部専門家は、欧州やアジアの同盟国から距離を置き、南北アメリカ大陸での影響力確保に注力するようになるとの予測を示していた。

■ロシアのウクライナ侵攻と類似

目下、「ベネズエラの次」とされるのがグリーンランドだ。

トランプ氏は大統領就任前の昨年1月、デンマーク領グリーンランドの購入をめぐり強硬姿勢を鮮明にした。米ニューヨーク・タイムズ紙によると、同氏は記者会見でデンマークが売却に応じなければ「非常に高い関税を課す」と脅しをかけ、軍事力行使の可能性についても「(行使しないという)保証はできない」と否定しなかった。

アメリカ大統領が同盟国への武力行使を否定しない姿勢は異例だ。同氏はグリーンランド獲得の理由として北極航路の戦略的重要性を強調するが、政治リスク分析会社ユーラシア・グループのイアン・ブレマー氏は、地政学的理由を掲げて他国の領土を要求するこの論法が、ロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵攻の正当化と類似していると指摘する。

3月の議会演説でも、トランプ大統領はグリーンランドを「なんらかの形で手に入れる」と改めて表明した。

グリーンランドはデンマーク領でありながら、高度な自治権を持つ。同自治政府の首相は「我々は売り物ではない」と即座に反論した。実際、昨年の世論調査では、住民の85%がアメリカへの編入を望んでいないとの結果が出ている。英ガーディアン紙は、賛成はわずか6%に留まると報じた。

そもそもデンマークは長年のNATO同盟国である。その自治領を強引に手に入れようとする姿勢は、米欧の同盟関係の根幹を揺るがしかねない。

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