8年前の今日、カッシーニが土星の大気へ突入(2017年9月15日)

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【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:NASA)

8年前の2017年9月15日、土星探査機「カッシーニ」はミッションの最終フェーズ「グランド・フィナーレ」を経て土星の大気へ突入し、約20年に及ぶ探査の幕を閉じました。

カッシーニは1997年10月15日(日本時間)、タイタンIV-Bロケットで打ち上げられ、重力アシストを経て2004年7月に土星周回軌道へ投入されました。計画はNASA主導、ESAとASIが参加する国際ミッション「カッシーニ・ホイヘンス」です。

【▲ 打ち上げ前の振動試験・熱真空試験を受ける土星探査機「カッシーニ」。中央の円盤状の箇所が「ホイヘンス」(Credit: NASA)】

カッシーニは土星本体・環・多数の衛星を精密観測し、衛星タイタンにメタンやエタンの湖や海が広がり、地球の水循環に相当する炭化水素の循環が存在することを示しました。また、衛星エンケラドゥスの南極域から噴き上がる水氷のプルーム(間欠泉)を捉え、氷殻下に内部海が広がる可能性を強く示しました。これらの成果は、地球外生命の可能性を議論する上で重要な手がかりとなりました。

さらに、計画に含まれるESAの着陸機「ホイヘンス」は、2004年12月にカッシーニから分離し、2005年1月14日にタイタンへ降下・着陸しました。降下中および着陸後に地表の画像や環境データを取得し、外惑星圏での初の着陸という歴史的成果を残しました。

【▲ 着陸機「Huygens(ホイヘンス)」のカメラで撮影された土星の衛星タイタンの表面(Credit: NASA/JPL/ESA/University of Arizona)」】

グランド・フィナーレは、土星本体と環の間を計22回通過して未踏域を観測し、最終的に土星の大気へ突入してミッションを終える最終フェーズとして設計されました。これは、推進剤枯渇後の制御不能による衛星衝突と前方汚染を防ぐためです。そして日本時間2017年9月15日、カッシーニは土星の大気へ突入し、最終信号は20時55分に受信。こうして「カッシーニ・ホイヘンス」のミッションは幕を閉じました。

【▲ カッシーニが日本時間2017年9月15日04時59分に撮影した最後の画像。土星の夜側の突入予定地点が写っている(Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute)】

「カッシーニ・ホイヘンス」を振り返る

編集/sorae編集部

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