KAT-TUN、“終幕”ではなく“証明”の夜へ――時代を駆け抜けたグループの軌跡、荒波の先に見える新たな出航

 KAT-TUNのラストコンサート『Break the KAT-TUN』が11月8日、千葉・ZOZOマリンスタジアムで予定されている。グループ活動は2025年3月末をもって幕を下ろし、亀梨和也は事務所を退所して独立。上田竜也と中丸雄一は、個人として事務所での活動を継続している。そんな3人がこの日のために再び集結し、ラストコンサートを開催するのだ。

【KAT-TUN】「Break the KAT-TUN」11/8(土) 17時より生配信スタート!!

デジタル時代を切り拓いたKAT-TUNの先進的な挑戦

 KAT-TUNは、堂本光一がMCを務める音楽番組『ポップジャム』(NHK総合)で、堂本の専属バックダンサーとして2001年にグループを結成したのがはじまり。メンバーの名前の文字をとって“KAT-TUN”と名づけられ、のちに真ん中のハイフンはメンバーを繋ぐファンを表すのだと意味づけられた。

 ジュニア時代から、襟足を長めにした茶髪、デニムにブーツといったスタイルで、メンバーのワイルドな雰囲気が当時としては新鮮に映ったのを、今でも覚えている。個性的でエッジの効いたファッションを含め、それまでのアイドル像をまた違った角度から広げて人気を獲得していった。

 2002年8月、東京・東京国際フォーラムで初の単独ライブ『お客様は神サマーConcert 55万人愛のリクエストに応えて!!』を開催。デビュー前のグループにもかかわらず、約55万人が応募したことも大きく話題を集めた。コンサートツアーのほか、ソロ活動も盛んだった。特に亀梨は、2005年1月期放送の『ごくせん』第2シリーズ(日本テレビ系)に、当時同じくグループのメンバーだった赤西仁とともに出演。やんちゃでありながらファッショナブルな高校生役が大ヒットし、高視聴率を獲得し、知名度は一気に全国区へ。グループ人気がさらに加速した。

亀梨和也 - 絆 [Official Live Video]

 同年にはドラマ『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)で、事務所伝統とも言える金田一一役を亀梨が受け継いだ。さらに亀梨は、ドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)に山下智久とともに出演。“修二と彰”として一世を風靡。主題歌の「青春アミーゴ」は、平成を代表する大ヒットシングルとなった。

 CDデビュー直前の2006年3月には、東京ドームでコンサートを開催。そして、同年3月22日にシングル『Real Face』、アルバム『Best of KAT-TUN』、DVD『Real Face Film』の3作同時リリースで華々しくデビューを飾った。以降、冠バラエティ番組やラジオ番組、グループでの作品リリース、コンサート開催のほか、引き続きソロ活動も積極的に行っていった。

 KAT-TUNの活動は、時流に合わせた革新的な展開も特徴のひとつだった。それまでは同じ事務所に所属するグループ/アーティストの作品はフィジカルでのリリースのみが常だったが、KAT-TUNは2013年8月に配信形式でも楽曲を展開し、music.jpにて期間限定で「BOUNCE GIRL」を独占配信を実施。今でこそ配信というのはメジャーなリリース方法ではあるが、事務所グループ/アーティストの当時の手法としてはセンセーショナルな取り組みだった。また、デビュー15周年を迎える直前の2021年3月には、シングル『Roar』でデジタル配信を行ったほか、配信限定でシングル「CRYSTAL MOMENT」をリリースするなど時代の変化に柔軟に対応していった。

KAT-TUN - Roar [Official Music Video]

関連記事: