父も務めたSBから「攻撃で貢献したい」と前線へ…広島JrユースMF駒野友春「どんな相手でも点を取れるように」

[9.15 メニコンカップ EAST 0-4 WEST メドウ]

 サンフレッチェ広島ジュニアユースのMF駒野友春が2年生フィールドプレーヤーとしては唯一、U-15世代のタレントが集まったメニコンカップに出場した。

 父に元日本代表DF駒野友一氏(現広島ユースコーチ)を持つ駒野は小学校卒業後、静岡から広島へと進んで広島Jrユースに加入。当初は父と同じサイドバックを務めていたというが、「自分はSBをあまりやりたくないというか、攻撃で貢献したいという気持ちがある」とポジションを前線に移した。MF登録の通りサイドハーフでの出場もありつつFWとしてもプレーしており、今季のU-15中国リーグではハットトリックも記録。日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会では東京ヴェルディジュニアユース戦で1ゴールを奪った。

 駒野はクラセンU-15での活躍が認められて優秀選手に選出され、東西各選抜に分かれて対戦するメニコンカップに参戦。今大会で2年生のフィールドプレーヤーは駒野のみで、インターシティカップ(クラセンU-15不出場勢が参加する大会)組を除けばクラセンU-15で3位のガンバ大阪ジュニアユースと優勝のヴィッセル神戸U-15メンバーのみで構成されたWESTに割って入る形でもあった。  そうした立場に駒野は「初めての舞台で緊張した」。それでもFWとして先発出場すると、前半7分にペナルティエリア内でパスを引き出してゴールに迫る場面を作り、同9分にはスルーパスに反応してボールを収めるなど次第に存在感を示していった。  すると前半10分に最大のチャンス。MF浅田連(神戸U-15)がペナルティエリア右でボールを持つ中で「クロスを上げる子と目が合った」と相手2CBの間にポジションを取る。クラセンU-15の得点パターンと同じ右サイドからのクロスに反応する形となったが、「あまり得意ではないです」と明かすヘディングシュートはミートできず枠の左へ。「(浅田を)信じて飛んだんですけどあまり届かなかった」と唇を噛んだ。  前半37分にはポストプレーで味方のシュートシーンを演出するプレーも見せ、控え選手が全員投入されたハーフタイム明けに交代。駒野は「時間が経ったらあまり緊張せずにプレーすることができました」と総括し、一定の手応えを感じながら“オールスター戦”を戦い抜いた。  得意とするのはサイドから中に切り込んでファーサイドへ巻くシュート。FWキリアン・ムバッペの決定力を参考にしているといい、サイドハーフで出場する際でも「点を決められるように考えています」と得点意欲が高い。また、父の友一氏について「左サイドバックもやっていて両足で精度の高いパスとかクロスとかができるので、自分も両足を蹴られるようにという部分は刺激を感じています」と話し、両足で得点できるストライカーを目指す考えだ。  広島Jrユースで出場機会を掴んでいる中で「自分でためたり仕掛けたりして、味方も使いながらゴールを狙えるように頑張りたい」と駒野。折り返しとなる中学年代でさらなる成長を重ねて「攻撃で貢献してどんな相手でも点を取れるように頑張りたい」と力を込めた。

(取材・文 加藤直岐)

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