“飛び級”U-17日本代表選出の北原慎「プレーの面は全然問題はない」 同世代ヤマルは「憧れるという見方はしていないです」

 6月1日からスペイン遠征を行なっているU-17日本代表は8日、U−17スウェーデン代表と対戦した。前半16分にDFラインでのパスミスから失点したU-17日本代表は、決定機も多く作ったがそのまま0-1で敗れた。11月にカタールで開催されるU−17ワールドカップに向けて最終選考的な意味合いも持つ今回のスペイン遠征では、今季のJ1で史上最年少(15歳7カ月22日)のデビューを飾った北原慎(FC東京U-18)も初招集された。  この試合、3-4-2-1の左シャドーとして先発出場した北原だったが、攻撃面での見せ場や違いを作ることができず、決定機も決めきることができなかった。チーム全体としてプレス回避からのボール前進、アタッキングサードの質といった攻撃面の課題が多く見えた試合ではあったため、北原だけのパフォーマンスが特段低く映る試合ではなかったものの、悔しそうな表情で試合後の取材に応じてくれた。以下、北原慎との一問一答。 ――0-1でスウェーデンに敗れてしまいました。まずはチームとして振り返って下さい。 「チームとして前半の入りがすごく悪かったというのと、個人として個でボールを奪い取ることもできなかったですし、ビッグチャンスも決めきることができませんでした。僕が決めていれば最低でも同点になっていた中で、自分たちのせいで負けるゲームしてしまいましたし、自分が決めていればというところはあります」 ――前後半共にチャンスはありました。この試合の課題としては前線の決定力ですか? 「そうですね、僕が決めていれば、というのはありますし、あと前半は特にプレッシングのところでハマりきらず、行くのか行かないのか、はっきりしていなかったのかなと思います。そういう面も、U−17ワールドカップに向けて課題として出たと思うので、次のアメリカ戦(10日)に向けて修正していければと思います」 ――スウエーデンの4-3-3での保持に対して、日本の守備は3-4-3でプレスに行く場面も多くありました。北原選手は相手の右SBを見ながらCBにプレスに行かなければいけなかったので、プレスのハメ方として難しかったと思います。守備のプレッシングについてはどうでしたか? 「ウイングバックが出てくることが難しい場合は僕が2度追いをするか、または真ん中を消しながらって(プレスに)行くところを意識しつつ。やっぱり、(吉田)湊海が(プレスを)被せて来てくれた時であったり、右センターバックから自分サイドのセンターバックに入った時は、僕が被せるように(守備の)スイッチを入れるっていうところは意識していました」 ――このU−17日本代表での活動は初めて? 「1つ上のこのU−17日本代表は初めてです」 ――実際にこの代表に来てみて、どうですか? 「みんな本当に優しいですし、プレーの面では全然問題はないです。できる感覚もあります。だからといって毎試合結果を残せているわけでもないですし、こういう試合で違いを出さないと意味がない中で、埋もれてしまったという感覚は自分の中であります」 ――逆に決定力以外では、今日自分の中で掴めた手応え、この強度の中で通用したものはありますか? 「ポジショニングを取って、センターバックからボールを引き出しつつボランチの選手と関わることであったり。前の3枚とウイングバックの関係でボックス内に入っていくというところは手応えが多少ありました」 ――11月のU−17ワールドカップに向けた意気込みはいかがでしょうか? メンバーに入りたい、本大会に出たいと思っていますか? 「もちろん、それはあります。まずはこのスペイン遠征の中でインパクトを残さないと見えてきませんし、自チームでの活動があってからこその代表だと思うので。あと1試合しか残っていませんけど、吸収できるものを吸収して自チームに帰ってまたそれを自分の中で応用というか生かして、(次の)フランス遠征に向けてまた。本当にここにはいい選手が沢山いるので、そこ(競争)に勝てるように頑張っていきます」 ――最年少でJ1デビュー飾って、周りに相当騒がれたと思いますが、何か変化はありましたか? 「まあ、街中で声かけられるようになりました。(周囲の)視線というものは感じます」 ――自分の中では変わってないですか? 「いや、でも自分の中でも見られているから、行動はは多少意識します」 ――逆にそこは良い面ですか?周囲の期待や視線が変なプレッシャーになっているのではなく、逆にプラスになっている? 「全くプレッシャーは感じていないですし、僕は注目されることは好きなので。プレッシャーは全くないですし、元々得点っていうところ、結果っていうのを僕個人として大事にしている中で、1試合目(カナダ戦)出せて、今日出せないというところで。出せる局面というのはあったので、それで出せなかったといのは練習するしかないです」 ――7月に16歳になります。年齢的にはもちろん若いですが、世界的に見るとラミン・ヤマル(バルセロナ)が17歳でスペインA代表でプレーしていて、早くもバロンドールを獲るんじゃないかと言われています。前回のU−17ワールドカップで日本がスペインに敗れた試合では、今季バルサでレギュラーのパウ・クバルシもいました。スペインでは16歳、17歳がラ・リーガ、バルサでプレーしていますが、北原選手の視線や基準もやはり世界ですか? 「はい、世界でやりたいと思っていますし、(ヤマルは)2個上なので憧れるという見方はしていないです。何年後になるかわからないですけど、自分がもし海外に行くとなった時に勝たないといけない相手だと思いますし、ワールドカップで優勝とか個人としてバロンドールとか。そういうところを本当に獲りに行くとするなら、いいお手本にはなってもらってもいいかなと思います。今トップチームでこうなかなか出場機会に恵まれなくなってきましたけど、そこに屈せず。絶対にチャンスっていうのを掴み取らないといけないところなので、しっかりやっていければなって思います。 ――自身のポジション適正は?フォワードですか?それともサイドが好き? 「トップ下かシャドーみたいなところはあります。なので今日みたいな3-4-2-1のシャドーみたいなところは自分でも一番適正ポジションだと思っています。ウイングバックで上下とすることは僕としてはまあまあ得意としているので、真ん中かサイドかだと思いますが、前目ならボランチでも外でもシャドーでもトップでもっていう形で、自分ではどこでもできるのかなって思っています」 ――この年齢にしてしっかりサッカーの話ができるのは流石ですし、素晴らしいですね。やはり、普段からしっかりサッカーを見ているのですか?どういうチームが好きですか? 「今はバルサです」 ――バルサの中で好きな選手は? 「ペドリです」 取材・文=小澤一郎

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