米国女性の「半数が独身」の時代へ “低努力男性”に疲れた? 20、30代で「生涯独身」宣言の女性も
回答者の多くは「自分の人生を豊かにしてくれるパートナー」を求めている。具体的には、自立した生活を送りながら、恋愛面での喜びを共有でき、知的・感情的なつながりをともに深められる人物だ。 しかし、ニューヨーク在住の美容師のバベット(32)は、「パートナーは欲しいけれど、男性は本当に努力が足りない。デートアプリで返事をしない、コミュニケーションもうまくできない、デートの計画も立てたがらない。多くの男性は女性の人生を豊かにするどころか悪化させている」と語る。 また、ジョージア州在住のケリー(43)はネットを通じて広がった「ジェンダー戦争」や、男性優位的な価値観や性差認識を強調する「レッドピル的な言説」が、恋愛や結婚観を歪めていると指摘する。 「愚かなジェンダー戦争のせいで恋愛や結婚観が台無しになる前に、運命の人に出会えていればよかった」
同紙の調査では、多くの女性が、価値観、政治観、興味、教育レベルの共通点を持つパートナーを見つけるのに苦労していると報告している。 テネシー州在住のダニエル(29)は基本条件として「優しさや思慮深さ、責任感があって信頼でき、大学教育を受けていること」を挙げるが、「同世代の男性は全体的に女性よりも学歴が低く、社交スキルもひどい。インセルフォーラムに走った人も少なくない」と落胆する。 精神的健康に向き合っていないことを、パートナー探しの主な障壁に挙げる女性も多い。 離婚後、10年間独身だというローラ(40代)は、「ピーターパン症候群や、大人としての責任を取りたがらない独身男性の多さに驚く」と語っている。 オレゴン州在住のクリスタル(39)も、離婚後にオンラインで出会いを試したが、出会った男性たちは「感情的に未熟で、自分の面倒を見てもらいたがるか、飲酒、薬物、ギャンブル、ゲーム、ポルノのどれかに依存していた。共に成長しようという意志がみられなかった」と嘆く。
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多くの女性にとって、経済的自立は重要であり、同等の社会経済的立場の相手を求める傾向がある。 こうした現状のなか、経済的自立のある女性は、パートナーを望みつつも、自身のキャリアや価値観を優先した生活を送っている。 コネチカット州のローリン(35)は「家も買ったし、収入もそこそこあるし、子供もひとりいる。働き者で誠実な人に出会えれば嬉しいが、独身でいることに満足している」と語っている。 シカゴの政府政策アナリストのランディ(33)は、“生涯のパートナーを持ってこそ一人前”という考えを捨ててからは、パートナー探しにいっさい時間を割かなくなったという。 「老後資金も貯め始めたし、里親や養子縁組でシングルマザーになるのも検討している。パートナー探しに時間と労力を費やすより、ひとりで子供を育てる道を選ぶ」 メリーランド州のヴァレリー(27)もまた、すでにデートを辞め、生涯独身の覚悟を固めているが、「いまは何もかもが高い。できるだけお金を節約したいので、親と住んでいる」と明かす。 一方で、独身のコストの高さをデメリットと感じる声もある。ポートランドの高校教師、ニコール(42)はこう語っている。 「米国はカップルや家族向けに設計されている。家賃やその他の費用も上がり続けている。生活費の負担を誰かと分けられればいいのに、とは思う」
COURRiER Japon