そりゃ"結婚離れ"が進むわ…大規模データが暴いた「理想とする男性」と「現実の未婚男性」の絶望的ギャップ(プレジデントオンライン)

婚姻率が減少し未婚者が増え続けている。原因は何か。拓殖大学教授の佐藤一磨さんは「アメリカで行われた大規模な調査で、結婚したくない人が増えたのではなく、いい男に出会えない構造があることがわかった。日本でも同様の現象が起きている」という――。 【図表でみる】女性が求める「いい男」と「実際の未婚男性」のはっきりした差 ■先進国で進む「結婚離れ」の本当の理由  いま、先進国で共通して起きているのが「結婚する人の減少」です。  OECD加盟国の平均婚姻率は、1990年には人口1000人あたり6.7件でしたが、2022年には4.35件にまで低下しました(*1)。日本でも同様に、この30年で結婚する人が減り、未婚者は増え続けています。  なぜこのように結婚する人は減っているのでしょうか。この点に関して近年、注目されているのが次の仮説です。  「女性から見ていい男が減ったからではないか。」  少し刺激的な言い方ですが、この「いい男不足」という視点は、データによって裏付けられつつあります。 ■未婚女性が思う「いい男」をデータから再現  この問題を分析したのがアメリカのコーネル大学のダニエル・リヒター教授らの研究チームです(*2)。  彼らは「結婚したくない人が増えた」という説明ではなく、「いい男に出会えない構造」があるのではないかと考えました。研究では、アメリカ人口の約4%にあたる大規模データを使い、次のような方法が取られました。  未婚女性一人ひとりについて、年齢・学歴・所得などが似ている既婚女性を見つけ、その夫の特徴をもとに、「もし結婚していたら、この未婚女性はどんな男性と結婚していたか」を推計したのです。  つまり、未婚女性が現実的に想定している「いい男像」をデータで可視化したということになります。

■「いい男」と「実際の未婚男性」のはっきりした差  この「いい男」と、実際の未婚男性を比較すると、はっきりとした差が見えてきます。  第一に、未婚女性が想定する「いい男」の年収は、実際の未婚男性より58〜66%も高い。  第二に、「いい男」の大学卒業率は、現実より19〜49%高い。  第三に、「いい男」の雇用率は90%(実際は70%)と大きな差がある。  つまり、「いい男」とは、高収入、高学歴、安定した職を兼ね備えた存在として想定されているのです。 ■女性の理想が非現実的なわけではない  ここで重要なのは、女性の理想が非現実的だという単純な話ではないという点です。  むしろデータが示しているのは、女性が求める「いい男」に該当する男性が、結婚市場に少ないという現実です。言い換えれば、「いい男がいない」のではなく「いい男の数が需要に対して足りていない」のです。  その結果として、「いい男待ち」の状態が広がり、結婚が成立しにくくなっていると解釈できます。 ■「いい男」が足りない2つの理由  では、なぜこれほどまでに「いい男」は足りなくなってしまったのでしょうか。  単に男性の努力不足や価値観の変化だけで説明できる話ではありません。リヒター教授らの研究は、社会構造そのものの変化が「いい男不足」を生み出していると指摘しています。その鍵となるのが、次の2つの要因です。  まず1つ目は、女性の高学歴化です。  現在、アメリカでは学士号取得者の57%以上が女性となっています。かつては男性のほうが高学歴であることが一般的でしたが、いまや状況は逆転しているのです。  2つ目は、結婚相手の選び方に関する女性の傾向です。  一般に、女性は「自分と同等かそれ以上の条件の男性」を選びやすい傾向があると知られています。「自分と同等か、それ以上の学歴や地位・収入を持つ男性」を求めるというわけです。  以上の2つの要因によって今のアメリカでは、高学歴女性ほど、「条件が釣り合ういい男」が見つかりにくくなるという状況が生まれています。  女性の学歴が上昇すればするほど、「いい男」の基準も同時に引き上げられてしまう。この結果として、なかなか自分の望んだ条件にあった「いい男」に出会えない。このようなメカニズムがアメリカでは働いているというわけです。

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