ATOKのサブスクを辞めて「かわせみ4」へ乗り換えたら効率アップした話

 ジャストシステムの「ATOK」を使うのをやめ、物書堂の「かわせみ4」というMac用の日本語IMEを使い始めた。まず手っ取り早く現時点での俺的結論を書いてしまうと、「かわせみ4」はサイコーにイイっ!!! というか、俺にとっての「かわせみ4」はサイコーに都合がよくて実に使いやすいッ!!! と思った。

物書堂「かわせみ4」はmacOS用の日本語IMEで、買い切りタイプのソフトウェア。1ライセンスキーの「かわせみ4 シングルライセンス」が3300円で、3ライセンスキーの「かわせみ4 ファミリーパック」が6600円。※画像は物書堂Webサイトより抜粋。
「かわせみ4」を使いテキストエディター上で原稿を書いている様子。非常にシンプルで扱いやすいMac用日本語IMEだと感じる。

 なんで「かわせみ4」? それは2023年夏ごろから再度使い始めたジャストシステムの「ATOK」が徐々におかしくなってきたから。使い始めた当初はよかったのだが、2年少々したら「これはもう俺の仕事では使えない」という印象に変わってしまった。

 ちなみに「ATOK」は何度か使ったり使うのをやめたりしている。「ATOK」以外の日本語IMEも使ったりしてきたが、2023年夏ごろには「やっぱりATOKいいわ~♪」と実感していた。

 ATOKの使用をやめようと思ったのは、前述のように徐々におかしくなってきたから。「えぇぇぇ~?」という俺的にはアリエナイ変換をしまくるようになった。俺の場合は昔ながらの単文節変換で、もしかすると現在のATOKは単文節変換には全然向かない日本語IMEなのかもしれないが、ともあれ「これじゃあ仕事にならない!」と思ったのだ。

 もーしかしたら辞書学習内容をリセットしたら直るのか? とも思ったが、そのタイミングでATOKのサブスクリプション料金の値上げが発表された。

 具体的にはジャストシステムのWebサイト「『ATOK Passport』新プランのご案内 ~ 「ATOK Passport」は全て『プレミアム』へ ~」にあるとおり。月額330円のベーシックプランが廃止され、月額660円のプレミアムプランへ一本化されることになった。

 俺の場合はプレミアムプランを使っているので値上げにはなっていないが、非常に多くの人が使っていると思われる330円のベーシックプランは自動的(強制的?)にプレミアムプラン契約に移行することになるので、まあ多くの人にとっては「実質値上げでしかも倍額!」みたいな?

 ともあれ、そんなこともありつつ、「この不便なATOKに年額7920円使ってるんだっけなー、いったんやめちゃおっと♪」と踏ん切りがついた。で、乗り換え先の日本語IMEを探していたら……。

 なんか一部で「かわせみ4」の評判がいい。また、俺がむか~しTwitterをやっていたころのフォロワーさんが「ほとんど使わなかった物書堂のかわせみがかわせみ4ではめちゃめちゃ使えるIMEに大進化していた」と(SNSじゃないところで)書いていた。

 「そうなのか、この人が言うならきっと間違いない!」と思って「かわせみ4」の無料体験版を使ってみたら、「あっ、あっ、あーっ、これかも!」というシンプルな変換性能および機能性を感じて試用を開始。

 そのままどんどん使い勝手がよくなってライセンスを購入して現在まで使い続け「かわせみ4サイコー」と思うに至ったので、今回は「かわせみ4」についてレビューしてゆきたいッ!!! あと、s●●●さん、いいモノを教えてくださってありがとうございますッ!!! お会いする機会がありましたらビール奢りま(以下略)。

 物書堂「かわせみ4」には、「ATOK」のユーザー辞書やキー操作設定をインポートできる。とりあえず使い始めに「ATOK」のキー操作設定を「かわせみ4」にインポートして使ってみたら、キー操作の感触はほぼ「ATOK」のままという印象。

 まっさらな状態での「かわせみ4」変換動作や変換結果などもかなり良好だった。……良好というより、至極マトモであった。

 じゃあ「かわせみ4」を本腰で! と思って「ATOK」のユーザー辞書を「かわせみ4」にインポートしたとき、「ATOKがダメになっていった原因は……これなのか?」というものを発見した。「ATOK」ダメ化原因と思われる要素をざっくり書くと、ユーザー辞書への自動学習が「なんでも学習状態」みたいになっていたことだ。

「ATOK」のユーザー辞書をインポートした「かわせみ4」の「辞書管理ツール」の表示。え? そんな単語を登録した記憶はゼロなんですが~? 「サ変名詞」もいちいち登録しないスタンスなんですが~? あ、自動登録ってやつ?
そこで、インポートした「ATOK」のユーザー辞書をテキストエディターで開いてみたら……行末に「$」が付くのが自動登録単語らしい。あーまあそうやって英文字を全角で入力して半角に変換するのってよくやる俺だが、アレを自動登録していたのか~。
ていうか「サ変名詞」として自動登録された単語がなぜか多い。
1行1単語のユーザー登録辞書は、4万2979行もあった。

 という感じで、メチャクチャな単語が自動登録されており、そのほとんどが「サ変名詞」としてだった。だから単文節変換だと「ATOK」の優秀だと思われる連文節変換ロジックが全然働かずに狂った変換が増えていったのだ、と思う。

 あとビビったのが、日本語入力モードでタイプしたパスワードの類いもけっこー多量に自動学習されていたこと(スクリーンショットで単語ボカシを入れているのがソレ)。

 サイトの会員登録時などに、日本語で名前とか住所とか入力しつつパスワードの設定なんかもするが、そのときに俺は日本語全角で入力→英語全角→英語半角って感じで入力することがある。

 アレも学習されていたのであった。なので「そうかそういうこともあるのか、今後はパスワードとか英字入力モードで入れないといかんなぁ」と猛省したが、「コレって地味にパスワードスキミングにつながるニャ~」とも思った。

 ともあれ、「かわせみ4」にインポートされた狂ったユーザー辞書は4万2979行もある。このなかには俺が登録した単語やフレーズもあるので、それは残したい。それと「ATOK」は自動学習でどんな単語登録をしたかにも興味があるので、この狂った辞書から狂気の単語を狂った勢いで手動削除する作業を行ってみた。

現在のユーザー辞書に登録されていた単語は「かわせみ4」の自動登録を含めて471語。非常にスッキリと変換できるようになった。
俺が意志的に登録した単語とフレーズは81語だけだった。約4万3000語の登録単語をここまで手動で減らしたが、選択→スクロール→削除の連続って感じだったので、1時間くらいで発狂することなく完了した。
これは「かわせみ4」が自動的に登録した単語。そうそう、そういう感じでの自動登録がイイっすね~。
「かわせみ4」で変換中、「この単語は候補に出さないでほしい」というものは「抑制語」としてその場で登録できる。十分な学習が済むまでは、この「抑制語」登録によって「ヘンな変換」を減らしていけるが、これを行うとハイペースで「かわせみ4」が賢くなっていくのがよくわかる。
ユーザーが文字列のどこを単語の区切りとしているのかも学習される。

 こんな感じでユーザー辞書の整理整頓を行った結果、ヒッジョーにイイ感じで変換が進むようになった。キー操作感は「ATOK」とほぼ同じにできたし、ユーザー辞書整理整頓後は「ATOK」を使い始めたときのようなマトモさがあるし、きっとこのまま「かわせみ4」を使い続けそうだなぁ、と思った。

 12月頭くらいから「かわせみ4」を使っているが、その使用感はどんどんよくなっている。なので現在仕事で使っている日本語IMEは「かわせみ4」だけ。

Macに入れている日本語IMEは「かわせみ4」だけ。非常にスッキリ♪

 ただ、「かわせみ4」はイロイロなお世話はしてくれない。今どき的な日本語IMEなので、単文節変換でも連文節変換でも十分にマトモな変換結果となるが、ユーザーのミスを指摘するとかそういう機能性はあまり持っていない。

 記憶を辿ってみると、ATOKからインポートしたユーザー辞書の整理整頓直後あたりは、まだ俺が望む変換候補を全然出してくれていなかった。また単語の区切り位置も一部望まないものであった。

 だが単語登録や単語区切り位置を変える操作や、あるいは抑制語の指示をわりと丁寧にしていったら、その後の2~3日で急速に「ツカエる日本語IME」へと姿を変えていく「かわせみ4」なのであった。そしてそのあたりから、「かわせみ4」は俺の日本語入力をここ十数年で最もキモチイイという状態に導いてくれるようになった。

 たぶん「かわせみ4」は、余計な学習をしていなくて、最低限の学習で「ユーザーの好み」を拾っていくような育ち方をしているのだと思う。なので、単文節変換派の俺には非常に都合がいい。俺がよく使う単語を変換候補の上のほうに上げてくる程度の学習っぽいからだ。結果、自然に変換候補の上のほうに俺が好んで使う単語が集まっていく。

 連文節変換をするとどうなるかはあまり検証していないが、単文節変換で使っていって半月もしたら、俺的には爽快なほど気分よく入力できるようになった。単文節変換での日本語入力はもう40年近く続けているが、この「かわせみ4」の使用感には、ホントに30年以上前の日本語入力環境の小気味よさを感じる。

 こういう話をしても「?」って人が多いとは思うが、かつて日本語IME(日本語FEP)で「VJE」ってのがあった。

 またそのVJEをNEC PC-9801シリーズパソコンにインストールして辞書などをRAMディスク上に展開しつつ、必要な単語登録をして使うと、なんつーかもう最小限の操作で目的の日本語をガシガシ入力でき、その効率の小気味よさは無敵感までもたらしてくれた。

 ソフトウェアが余計なことをせず、最短距離の効率の良さで、求める日本語を画面上に出しまくってくれた、というときが、過去にあった。あまりの快適さにVJEの操作を体が完璧に覚えていたほどだ。

 この「かわせみ4」は、そういう「過去にはあったけど最近は全然ナイ」的な痛快な動作を、けっこーたっぷりしてくれる。ので、真面目な話、最小限のストレスで文章を入力できるようになり、原稿を書くことに非常に集中できている。

 結果、原稿を書くのがより速くなったと実感している。実際、deleteキー(BSキー)の押下回数が明らかに減っているし、打鍵音もリズミカルだ。

 ……でも~、この先、「かわせみ4」がヘンな自動学習を多々始めちゃって、狂った変換をし始めたらどうしよぉ~、とも思ったりする。のだが、自動学習などの結果を見ていると、フツーにマトモ。

 それから「かわせみ4」は辞書へのアクセスやメンテナンスが容易でわかりやすいので、不要な自動登録単語や抑制語や学習なども定期的に最適化する気になる。ので、たぶん、今後も「かわせみ4」は気分よく使い続けられるだろうと予想している。

 といった感じの「かわせみ4」。なのだが、「誰にでも快適な日本語IME」ではないかもしれない。ただ、単文節変換派にはぜひ一度試してほしい日本語IMEではある。普通の日本語表現ではない、クセのある文章を書きがちという単文節変換派にも向くような気がする。

 余談だが、いまの日本語IMEは連文節変換や一文すべてを入力してからの一括変換のほうが効率がいいとは思う。実際にそうしてみると、文脈をある程度読み取って変換候補を出すなどするので、普通に使うなら連文節変換が効率的だと思う。

 ただ、俺の場合、連文節変換を使うと「平べったい日本語になりがち」という感覚がある。よりわかりやすい表現にしたり、ひねりを加えたりするのが、できにくいかな、と。

 単文節変換など短い文節ごとに入力していくと、変換を確定した直後に「あ、この表現にこう続けるとどんな感じ?」とか「この単語はコレに置き換えよう」とよく考えるようになると思う。

 一文を一括で変換して正しい単語が並ぶと、「まっこれでいいか」とその先の日本語に取り掛かってしまい、「いつも同じような文章を書く」ということに、俺の場合だが、なりがちだと感じる。なので単文節変換ラヴ♪

 話を戻して、少々前述したが「かわせみ4」には無料体験版が用意されており、インストールから30日の間、すべての機能を利用できる。それ以降は買い切りスタイルでライセンスを取得する必要があるが、非常にイイ日本語IMEなので、ぜひ試してみていただきたいッ!!!

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