SF連銀デーリー総裁、秋の利下げに含み-関税の影響は限定的と示唆

Catarina Saraiva、Maria Paula Mijares Torres

米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、関税が大幅かつ持続的なインフレ圧力につながるとは限らないとの証拠が増えていると述べ、今秋の利下げを正当化する環境が整いつつあるとの見解を示した。

  デーリー氏は26日、ブルームバーグTVとのインタビューで「私の中心的な見方としては、秋ごろから金利の調整を開始できるというものであり、その考えは特に変わっていない」と語った。

  同氏は関税が物価に与える影響について、3つのシナリオを提示。第1に、関税が遅れてではあるが持続的なインフレ圧力につながるケース。第2に、物価を一時的に押し上げるにとどまるケース。第3が、関税による価格上昇が限定的であるケースだ。

  3つ目のシナリオは自身の基本的な見通しではないとしつつ、「その可能性は高まりつつある」とデーリー氏は述べた。

  同氏は、現在の金融政策は「良好な位置にある」と改めて指摘。労働市場には減速の兆しはあるものの、悪化を示す警告サインは見られないとも述べた。

  この日発表された失業保険継続受給者数が2021年11月以来の高水準に増加。継続受給者数はここ1カ月半に大きく増加しており、失業状態が長期間続いている人が増えていることが示唆された。一方で新規失業保険申請件数は減少。新規申請件数は季節調整前ベースでも減少した。

関連記事:再就職の困難を示唆、米失業保険継続受給者数が21年11月以来の高水準

原題:Fed’s Daly Says Muted Tariff Impact May Open Door To Fall Cut(抜粋)

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