NVIDIAがIntel 18Aでのチップ製造を断念との報道

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NVIDIAがIntelの次世代製造プロセスである18Aノードでのチップ製造に向けたテストを実施したものの、量産に向けた計画を断念したとロイターが報じています。

How a Silicon Valley dealmaker charmed Trump and gave Intel a lifeline | Reuters

https://www.reuters.com/world/us/how-silicon-valley-dealmaker-charmed-trump-gave-intel-lifeline-2025-12-24/

NVIDIA Tested Intel's 18A Node but Did Not Commit to Intel Foundry | TechPowerUp https://www.techpowerup.com/344401/nvidia-tested-intels-18a-node-but-did-not-commit-to-intel-foundry 関係者の証言によれば、NVIDIAはIntelの生産工程についてテストを実施したものの、最終的に量産へ向けた進展を停止する判断を下したとされています。これに対しNVIDIAは公式なコメントを控えていますが、Intel側は18A技術が順調に進展しており、顧客からの強い関心も維持されていると強調しています。

この報道の背景には、Intelの製造部門であるIntelファウンドリが抱える品質維持や歩留まりの問題が指摘されています。業界内では、18Aノードは主にIntel自身のCPU製品であるPanther LakeやNova Lakeなどの自社製品向けとしての性格が強く、外部顧客を本格的に惹きつけるのは2027年の提供開始を目指す14Aノード以降になるとの予測も出ています。

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NVIDIAは2025年9月にIntelに対して50億ドル(約7750億円)規模の投資を行い、パートナーシップを強化していますが、この提携はIntelのx86プロセッサにNVIDIAのGPUを統合するなどの製品レベルの協力に重点を置いたものであり、ファウンドリサービスの利用については確定した合意には至っていません。

アメリカ政府は、国内の半導体製造能力を強化するためにIntelに対して57億ドル(約8840億円)の資金提供を行い、同社の株式の約10%を取得することを決定しています。

巨額の公費投入により、Intelはアメリカの産業政策において失敗が許されない重要な地位を占めることになりましたが、NVIDIAによる18Aでの量産見送りという判断は、IntelがTSMCなどの競合他社から顧客を奪い返すための道のりが依然として険しいことを示唆しています。Intelのリップ・ブー・タンCEOは全従業員の約15%に及ぶ大規模な人員削減を断行するなど、技術者主導の文化を取り戻すための組織改革を急いでいます。

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