なぜ任天堂株だけ急落しているのか Switch 2をメモリ高騰が直撃する理由 #エキスパートトピ

(写真:REX/アフロ)

任天堂の株価は昨年夏に上場来最高値となりましたが、11月以降は下落。直近では4月以来となる1万円割れとなりました。日経平均株価が最高値を更新している中だけに、落ち込みが際立っています。

主な要因とされるのが、AIブームによるメモリ価格の高騰がSwitch 2の利益率を圧迫するという懸念です。ただし、同じくゲーム事業を主軸とするソニー株の落ち込みは軽微となっています。

なぜメモリ高騰は任天堂株により強く影響しているのでしょうか。実際のところ、今後のSwitch 2の先行きは本当に危ぶまれる状況なのでしょうか。

ココがポイント

ホットストック:任天堂が上場来高値、IP関連への期待根強い出典:Reuters Japan 2025/8/18(月)

任天堂の株価がNintendo Switch 2発売後初めて「終値1万円割れ」。“メモリー品薄からくる懸念”も影響か出典:AUTOMATON 2026/1/13(火)

ソニーグループ、25年3月期のゲーム事業は営業益43%増の4148億円(中略)PSNetwork、サードパーティ好調出典:gamebiz【ゲームビズ】 2025/5/14(水)

メモリ価格上昇に伴うハードウェアの収益性への影響については、今期に関しては、既に部材は確保済みであり影響はない出典:SONY 2025/11/11(火)

エキスパートの補足・見解

任天堂株が低迷している理由のひとつは、ソニーのように「すでにメモリは確保済みで、2025年度内は影響がない」と明言できていない点です。古川社長は「中長期的に部材調達を進めながら対応していきたい」と示唆する程度にとどまっています。

二つ目は、ソニーが音楽や映画などへ事業を多角化しているのに対し、任天堂はゲーム事業が中核である点です。その中でも、ハードウェアであるSwitch 2の占める比重が高く、利益率の低下が業績に直結しやすい状況にあります。

三つ目は、ゲーム定額サービスの収益比率の差です。ソニーのPS Plusはゲーム事業全体の2割以上ですが、Nintendo Switch Online(NSO)は数%にとどまります。つまり、ソニーはPS5の販売台数が鈍化しても一定の安定が見込める一方、任天堂はハード(とくにSwitch 2)・ソフトの販売に収益が大きく依存しているわけです。

こうした懸念は、Switch 2本体の売上を牽引する強力な専用タイトルが登場すれば、短期的には和らぐでしょう。ただし、コスト面での圧力自体が消えるわけではないため、今後もメモリ市場の動向を注視していく必要がありそうです。

アニメライター/ゲームライター

京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、マグミクスで記事を執筆中。

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