【第37回出雲駅伝】東洋大学・酒井俊幸監督 レース後インタビュー
━━チーム全体として今日の走りをどう評価しますか 「2区以降は全員でチームワークを意識して繋いでくれたと思います。順位的には上位ではなかったが(9位)、その位置でしっかりと粘ってくれました。特に迎(暖人、2年)は中央大の溜池くん(一太、4年)と並走しながら粘ってくれたのが印象的でした。学生たちには『大会は自分の殻を破るチャンス』だと伝えている。今日の出雲で攻めの走りや粘りを見せられた選手は自信になる。ひとつでも成長のきっかけを掴んでほしいです」
━━6区、宮崎(優、2年)選手の走りについては 「30分を切れていないのは残念。順位を2つ上げたのは良かったですが、入賞を考えると帝京大に40秒ほど負けている。宮崎でもう少し稼ぎたかったという思いはある。5区までのタイムの詰め方も課題で、やはり『3位以内・8位入賞』という数字にはこだわらなければならない。そうしないと箱根の連続シード権も危ういので、危機感を持って学生たちに伝えていきたいです」
━━2年生主体のチーム構成、手応えは 「経験の差はやはり大きいですね。松井(海斗、2年)はかなり悔しそうでしたが、『出雲の借りは出雲で返す』という気持ちで、来年もう一度チャレンジできるメンバーです。一方で、國學院大學のように4年生が中心となって優勝するチームを見て、東洋は4年生が誰も走れていないという現状を箱根までに修正しなければならない。この後の記録会も非常に大事なので、網本(佳悟、4年)や田中(純、3年)には『自己ベストを目指していこう』と声をかけました」
━━今回エントリーに入らなかった主力、田中選手や緒方(澪那斗、4年)選手の状態は 「緒方はエントリーには入っていましたが、最後の追い込みができなかったので、今回は練習が積めている選手を起用しました。ただ緒方は主力の一人ですので、箱根では主要区間を期待しています。西村(真周、4年)、岸本(遼太郎、4年)も出遅れているのは事実ですが、ようやくポイント練習もできるようになってきました」
━━駅伝の暑さ対策については 「これだけ暑くなると、暑さに強いというのも大事な要素。箱根でも気象条件に対応できるかが鍵になります」
━━チームウェアのデザインに“龍”のモチーフを入れた理由は 「後ろは箱根・九頭竜をイメージしたドラゴンのデザイン。他大学はフロントに入れていないと思うので、東洋らしさを出したかった。上り調子のイメージですね」
━━全日本駅伝がない中での箱根駅伝。今後の課題と展望について 「記録会やハーフマラソンでしっかり勝負していきたい。全日本の選考会ではピーキングができなかった部分もありましたが、その分6、7月の記録会では結果を出してきている。スピード能力を年間通して積み上げないと、今の学生駅伝では通用しない。IVYリーグ選抜もそうだが、今の留学生のレベルも非常に高い。日本人選手もそれに対抗できる存在を育てなければいけません。安定したチームを作らないと勝負にならない時代です」
━━現在の学生駅伝のレベルについて 「今は“ロードで強ければOK”という時代ではない。トラックでもロードでも結果を出せる力が必要です。ハーフマラソンも1kmを2分50秒前後で走るレベルでないと戦えないし、箱根でも20kmを1km3分ペースで走るだけでは足りない時代です。誰もが28分20〜30秒台を出せるようでないと厳しい。10人がそのレベルで、さらに山を揃えないと箱根は戦えません」
━━若い選手たちの成長について 「宮崎は1年生で箱根駅伝を経験できたことは大きいです。昨年アンカーを経験した薄根(大河、3年)もいます。松井も今日1区を走って課題をしっかり感じ取れたと思います。悔しさをバネに成長できるチャンスです。将来的に見れば、今日区間賞を獲るよりも価値があったかもしれません。松井は体力的にはまだ他の選手に劣りますが、客観的に自分を見つめる力がついてきた。そこが大きな成長です」
━━今後のチーム作りの方向性は 「2年生を中心に、個人ではなく複数の選手をエース級に育てないと勝負できません。今日は“負け”だと思って帰りますが、この悔しさを必ず次につなげます」
◆『オレは摂取す』 Presents 第37回出雲全日本大学選抜駅伝競走実況中継◆ 2025年10月13日(月・スポーツの日) 13:00~15:30 解説:大志田秀次(明治大学体育会競走部駅伝監督) 実況:斉藤一美アナウンサー(文化放送) ◆聴き方いろいろ◆地上波FM91.6/AM1134 radiko インターネットラジオ
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