譜久村聖、ソロ1年目のリアル「モーニング娘。を卒業して気づいた“自分で決める”ということ」

2023年、12年以上にわたって在籍したモーニング娘。を卒業。今年4月にソロデビューを果たし、29歳の誕生日に20代ラスト写真集となる『Versl’Aube』と『瑠璃藍』を同時発売する譜久村聖に、ソロになってからの歌うことへの意識の変化、家族との向き合い方、20代最後の年にやっておきたいことなどを語ってもらった。(前後編の後編)

【写真】20代ラスト写真集を2冊同時に発売した譜久村聖【7点】

――今年4月にシングル『ロングラブレター/アニバーサリーはいらない』でソロデビューを果たしました。

譜久村 ソロになったんだなと日々実感しています。楽屋の過ごし方もそうですし、モーニング娘。の頃は忘れ物が多かったんですが、一人になると忘れ物もできないなとか(笑)。何より1人で歌に向き合うことが今までと大きく違う部分です。もちろん今もモーニング娘。の歌やつんく♂さんが作ってくれる曲が大好きですが、そこで育ってきたからこそ、別の作家の方が書いてくださった曲を歌う時の自分の感覚が、こんなにも違うんだというのが新発見でした。どんな自分を見せたいか、今後どんなライブをしていきたいか、全て自分で考えないといけないので大変ですが、自分のアイディアを採用してもらえる環境なので、日々アイディア出しを頑張っています。

――グループ卒業後は、しばらく活動休止をされていましたが、活動を再開してから1年が経ちます。

譜久村 この1年で、ハロー!プロジェクトの先輩たちはどうやってソロ活動を始めたのかとか、他のアーティストさんはどうやってライブを作り上げているのかなど、視野を広く持つことができました。まだまだ悩んでいる最中ですが、今は自分を深めていける時間なのかなと思っています。

――今年3月からDJを務めているラジオ番組「ミュージックライン」(NHK-FM)で得られるものも大きいのではないでしょうか。

譜久村 仰る通りで、ハロー!プロジェクトの楽曲が大好きでこの世界に入ったので、K-POPやバンドさんの曲をあまり聴いてこなかったんです。それほど音楽の知識がない中でラジオを始めて、たくさんのアーティストさんと音楽に触れ合って、たくさんの刺激をもらっていますし、自分の表現力も磨かれていると実感します。

――どういう意識でゲストのアーティストに臨んでいますか。

譜久村 視聴者の方に曲の良さを伝えたいからこそ、分からないことでも自分なりに質問をぶつけてみるというのを意識しながらやっています。

――キャリアのあるアーティストのゲストも多いですよね。

譜久村 レジェンドが次々と来てくださって、いつも足をガクブルさせながらやっています(笑)。ただキャリアに関係なく素敵な方々ばかりなので、同じように気持ちを受け取りたくて。音楽の違いはありますが、レジェンドだからという特別視はせずに、自分が感じた思いを伝えるようにしています。それが聴いてくださる方にも一番伝わると思うんです。

――『ロングラブレター/アニバーサリーはいらない』はモーニング娘。の頃とは違ったアプローチの歌唱法ですよね。

譜久村 どちらもスタッフさんが「譜久村に似合う」と送ってくださった曲で、「ロングラブレター」はバラードですが、ここまでの「ザ・バラード」はモーニング娘。でやったことがなかったので、表現方法は試行錯誤でした。

――ご自身で歌い方を工夫したんですか?

譜久村 特にディレクションはなかったので、スタッフさんにも相談しながら、自分が歌いたいように、時間をかけてレコーディングをさせてもらいました。

――ハロプロの楽曲とは違うリズム感ですよね。

譜久村 そうなんです! だからリズム面は苦戦しました。ハローの歌い方でも歌えるけど、絶対に違うほうがいいなと思って、今までと違う歌い方に挑戦しました。「アニバーサリーはいらない」も言葉数が多いので、息継ぎができないぐらい歌うのが難しくて。歌詞の世界観をどう広げられるか、どうすれば苦しくなく歌えるかとか、悩みながらレコーディングしました。

関連記事: