父が息子をクビにするのか?角田裕毅の名も浮上…アストンで揺れるストロールの立場
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記事要約
・アストンマーティン首脳陣が不調のストロールを相次いで擁護
・ジュンカデラは「厳しい環境で育っておらず苦戦も当然」と分析
・クラックは努力と姿勢を評価、移籍や父の苦渋の決断にも言及
■ストロールを擁護する声、アストンマーティン首脳陣から相次ぐ
アストンマーティンのトップ陣営から、苦境にあるランス・ストロールを擁護する声が相次いでいる。
チームオーナーの息子という立場は、F1デビュー以来8シーズンにわたりストロールを取り巻く評価に影を落としてきた。さらに2023年以降は、歴代最強ドライバーの一人であるフェルナンド・アロンソがチームメイトとなり、その差がますます際立っている。
■ジュンカデラ「バブルの中で育った彼には厳しい環境」
アストンマーティンのシミュレータードライバーを務めるダニ・ジュンカデラは、ストロールにとってこの状況が特に厳しいものだと語る。
「フェルナンドやフェルスタッペンのように“勝利のために殺し合うような”連中とやり合うのは、メンタル的にも非常に難しいことです」とジュンカデラは『DAZN』に語った。
「父親が誰かという点で、彼は一般の人間とは異なる“バブル”の中で育っています。人生で何かが足りないと感じることはないでしょう。だからこそ、本当に厳しい局面で戦うのが少し難しいのかもしれません。フェルナンドのように“あと一歩”を絞り出す術を身につけるのも簡単ではないはずです」
■モチベーション低下の批判に反論するクラック
アロンソと3年目のシーズンを共にするなかで、ストロールの成績不振はもちろん、レース外でのモチベーションの低さも批判の的となっている。
だがアストンマーティンのトラックサイド責任者であるマイク・クラックは、外部からの印象とは裏腹に、ストロールの仕事ぶりを評価している。
「ブリーフィングや日常的なやり取りの中で、私たちが接している彼はまったく違う人物です。外から見えるイメージとは全然一致しません」
■アロンソとの差が精神面に影響か
ジュンカデラもまた、今季のストロールが苦しんでいることを認める。
「結局、“相手に勝てない”という思いに取り憑かれてしまうと、それが逆効果になるんです。それがストロールとアロンソの間に起きていることかもしれません」
「昨年は、フェルナンドが不調だった週末にストロールが輝いたこともありました。でも、今では毎回フェルナンドに負けるという流れになっています」
■移籍の噂と“父親の決断”
そして2026年に向けては、ジョージ・ラッセル、角田裕毅、さらにはマックス・フェルスタッペンの名前までもがアストンマーティン移籍の噂として浮上している。
「これは父親にとって非常に辛い立場です」と2016年F1王者ニコ・ロズベルグは語った。「他の誰かを雇うということは、最終的に自分の息子をクビにする決断を下すということです。酷な状況ですよ」
■ニューウェイも擁護、クラックは努力を強調
エイドリアン・ニューウェイも最近、ストロールを「過小評価されている」と擁護したばかりだ。そして今回クラックは、ストロールの努力に言及する。
「多くのドライバーが月曜日にはビーチやバカンスに出かけているでしょう。しかしランスは職場にいて、シミュレーターを走らせたり、来年のマシンについての検討を行ったりしているのです」
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