イラン高官、肌を露出するウェディングドレスを娘が着ていたことに批判。女性にヒジャブを強制してきた(ハフポスト日本版)

イランの最高指導者ハメネイ師の側近が、娘の結婚式で女性たちがヒジャブをかぶっていなかったことを「ダブルスタンダードだ」と非難されている。 【動画】問題になったイラン高官の娘の結婚式の映像 問題になっているのは2024年4月に行われたアリー・シャムハーニ最高指導者顧問の娘の結婚式だ。 10月18日に流出した式の映像には、肩を露出した白いウィディングドレスを着た花嫁を、シャムハーニ氏がエスコートする様子が映っている。 シャムハーニ氏の妻も青いレースのイブニングドレスを着ており、出席者の女性の多くがヒジャブをかぶっていない。 イランでは、女性は公共の場で頭髪を隠すためのヒジャブと、身体の線を隠すためのゆったりとした服を着用することがイスラム法で義務付けられている。 2022年には、22歳のマフサ・アミニさんがヒジャブで髪をしっかり覆っていなかったという理由で道徳警察に身柄を拘束された後に死亡した。 この事件は市民の怒りを招き、イラン国内や世界各地で大規模な抗議活動が起きた。 ニューヨークタイムズによると、シャムハーニ氏は現在、国家防衛評議会でハメネイ師の代表という重要な立場を担っている。 また2025年7月まで約10年もの間、国家安全保障最高評議会の書記を務めており、2022年に抗議活動が起きた時にも、国内外の政策に大きな権限と影響力を持っていた。 女性に厳格なイスラム規範を強制し、抗議の声を弾圧してきたシャムハーニ氏が、自身の娘には結婚式で肌を露出するドレスを着るのを認めていたことに対し、矛盾を指摘する声が上がっている。 イランを亡命したジャーナリストで活動家のマシー・アリネジャドさんは、「国のトップの一人であるアリー・シャムハーニの娘が、肩を露出するドレスで豪華な結婚式を挙げました。一方でイランの女性たちは髪を見せただけで暴行され、若者たちは結婚する余裕もありません」とXに投稿している。 「ハメネイの主要顧問が宮殿のような会場で娘の結婚式を祝っていて、その同じ政権が髪の毛を少し見せただけでマフサ・アミニを殺し、歌った女性たちを投獄したのです」 「これは偽善ではなく、まさにこの体制そのものです。彼らは“慎み”を説きながら、自分たちの娘はデザイナーズドレスを着て祝っているのです。メッセージははっきりしています――『ルールはお前たちのためのものであり、私たちのためではない』」 一方、シャムハーニ氏側は、結婚式の映像を流出させたのは、敵対関係にあるイスラエルだと非難しており、イラン・インターナショナル放送によると、イラン国営放送の元トップは、プライベートな集まりの映像が流出したことを「イスラエルによる新たな形の暗殺」と表現した。 シャムハーニ氏は国営メディアに対し、1973年の映画『パピヨン』のセリフを引用して「前にも言った通りだ:お前らくそったれども、俺はまだ生きている」と述べたという。同氏はXにも同じセリフを投稿している。

ハフポスト日本版
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: