話題株ピックアップ【昼刊】:オルガノ、NTN、フジクラ

オルガノ <日足> 「株探」多機能チャートより
■パーカー <9845>  1,188円  +187 円 (+18.7%)  11:30現在  パーカーコーポレーション<9845>が急伸し、上場来高値を更新した。同社は4日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上高が前年同期比2.5%増の173億3500万円、最終利益が同67.6%増の12億5100万円となっており、業績を評価した買いが入った。産業用素材部門の防音材は自動車用の受注が堅調に拡大したことに加え、猛暑を背景にエアコン向けが好調となり、2ケタの増収増益となった。化成品部門は自動車業界向けが北米・中国市場の不振の影響を受け減収となったが、原材料価格の安定化や不採算部門の縮小により製品原価の低減が進み、大幅な増益となった。

■オルガノ <6368>  10,600円  +1,500 円 (+16.5%) ストップ高   11:30現在  東証プライム 上昇率トップ

 オルガノ<6368>がストップ高。水処理エンジニアリング事業を主力展開し、半導体業界向け純水製造装置で高い商品競争力を誇っている。4日取引終了後、26年3月期通期業績予想の修正を発表、売上高は従来予想の1750億円(前期比7%増)を据え置いたが、営業利益は315億円から340億円(同9%増)に増額した。営業利益は前期比ほぼ横ばいの見通しから2ケタ近い増益に修正されたことで、これを好感する買いを引き寄せている。既に受注した大型プラントで資材コストの削減など合理化努力が利益率改善に寄与する見通し。

■NTN <6472>  300.4円  +41.2 円 (+15.9%)  11:30現在  東証プライム 上昇率2位

 NTN<6472>はマドを開けて急伸。年初来高値を更新した。4日取引終了後に4~6月期連結決算を発表。売上高は前年同期比5.6%減の1990億3900万円、営業利益は同53.9%増の69億7700万円だった。客先需要の低減や為替の影響で減収となった一方、利益面では変動費や経費の削減が奏功した。大幅増益で着地したことを好感した買いを呼び込んでいる。

■TOA <6809>  1,108円  +62 円 (+5.9%)  11:30現在  東証プライム 上昇率10位

 TOA<6809>が急反発し、年初来高値を更新した。同社は4日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比1.8%増の111億7900万円、経常利益は同4.1倍の4億3100万円となった。営業損益と最終損益は黒字転換を果たしている。決算内容をポジティブ視した買いが入ったようだ。中東では市況回復やラマダン需要の取り込みによる効果が出た。オランダ企業の連結子会社化もあって、欧州・中東・アフリカ部門は大幅な増収増益。国内とアジア・パシフィック部門はともに減収となったが、収益性は改善した。なお、同社は7月に開示した米国子会社での資金流出事案について業績への影響は軽微であり、通期の業績予想の修正は不要と判断したと公表している。

■ワールドHD <2429>  2,520円  +114 円 (+4.7%)  11:30現在

 ワールドホールディングス<2429>が急動意、5日移動平均線を足場にマドを開けて上昇し、連日の年初来高値更新と気を吐いている。同社は半導体関連業界などをはじめ製造業向けに技術者派遣や請負を展開しているが、足もとの業績は絶好調に推移している。4日取引終了後に25年12月期中間期(25年1~6月)決算を発表、売上高は前年同期比19%増の1317億8500万円、営業利益は同2.1倍の49億7500万円と倍増した。営業利益の中間期予想は35億4300万円で、これを14億円強上回っての着地となった。半導体向けで好調な需要を取り込んでいるほか、注力する人材教育ビジネスが全体を牽引した。好決算を手掛かり材料に上値を見込んだ投資資金が攻勢をかけている。

■フジクラ <5803>  10,570円  +300 円 (+2.9%)  11:30現在

 フジクラ<5803>が3日ぶりに切り返し、一時前日比360円高の1万630円まで上値を伸ばし、7月31日以来となる上場来高値を更新した。データセンター建設需要が世界的に高まるなか、通信インフラに必須の部材である光ファイバーなどを手掛ける同社株への注目度は引き続き高い。そうしたなか、市場関係者からは「産業用コネクターを手掛けるアンフェノール<APH>が通信関連部材メーカー大手コムスコープ<COMM>のケーブル部門などを買収するとの報道が出ている。買収金額は日本円で1兆5000億円強と伝わるなど結構な大型案件で、光関連部材の中期的な成長性を示唆する買収劇となっている。東京市場でもフジクラや古河電気工業<5801>が、ワールドワイドに存在感を高める背景ともなっている」(中堅証券ストラテジスト)という意見が聞かれた。

■三菱重工業 <7011>  3,648円  +102 円 (+2.9%)  11:30現在

 三菱重工業<7011>がマドを開けて急反発した。オーストラリア政府は5日付で三菱重から次期フリゲート艦を調達する方針を発表した。業績への期待感が高まり買いが入っている。まず3隻を日本で建造し、2029年に1隻がオーストラリアに引き渡される。2030年に運用が始まる予定。なお、同社はきょう午後1時30分に26年3月期第1四半期(4~6月)連結決算の発表を予定している。

■FRONTEO <2158>  962円  +20 円 (+2.1%)  11:30現在

 FRONTEO<2158>が4営業日ぶりに反発している。同社はきょう、日華化学<4463>と化粧品領域における新規標的探索を目的とする共創プロジェクトを開始したと発表。これが材料視されているようだ。このプロジェクトは、日本人の毛髪・頭皮・皮膚についての豊富な知見を持つ日華化学と、創薬と人工知能(AI)に精通し、新規性の高い標的分子の発見とそのメカニズムを示す仮説生成に強みを持つフロンテオが、両社の知見と技術を融合させ、日華化学の製品領域における各種症状に関連する標的分子の探索と、症状発生のメカニズムや新たな改善アプローチの解明に取り組むもの。プロジェクトではフロンテオのAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」が活用されるという。

■タクマ <6013>  2,230円  +20 円 (+0.9%)  11:30現在

 タクマ<6013>がしっかり。この日、千葉県市川市からごみ処理施設のDBO(設計・建設・運営)事業を受注したと発表しており、好材料視されている。焼却施設及び不燃・粗大ごみ処理施設を新設し、31年1月から20年間の運営を行う。高温高圧ボイラをはじめとした高効率発電システムにより、国内最高レベルの発電効率でごみ発電を行う。

■三井倉HD <9302>  3,930円  +20 円 (+0.5%)  11:30現在

 三井倉庫ホールディングス<9302>が3日ぶりに反発している。4日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想について、営業利益を200億円から210億円(前期比17.8%増)へ、純利益を102億円から103億円(同2.6%増)へ上方修正したことが好感されている。売上高は2940億円(同4.7%増)の従来見通しを据え置いたものの、自動車関連貨物の物量増により航空貨物輸送の取り扱いが想定を上回ったことが利益を押し上げる。同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高736億2400万円(前年同期比12.2%増)、営業利益63億8500万円(同66.8%増)、純利益32億7200万円(同10.0%増)だった。主に航空貨物輸送の取り扱いの増加や、不動産事業におけるマルチテナント化したMSH日本橋箱崎ビルへの新規テナント入居などが寄与した。

■ヒロセ電機 <6806>  19,115円  +75 円 (+0.4%)  11:30現在

 ヒロセ電機<6806>は朝安スタートもその後切り返している。4日の取引終了後に105万株(自己株式を除く発行済み株数の3.10%)、または150億円を上限とする自社株買いを実施すると発表したことが好感されている。取得期間は8月5日から来年3月31日までで、株主還元の充実及び資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の一つとして実施するとしている。同時に発表した第1四半期(4~6月)連結決算は、売上高489億7200万円(前年同期比9.1%増)、営業利益98億3300万円(同4.2%減)、純利益72億2700万円(同14.0%減)だった。一般産機市場向けは回復感が高まり、コンシューマ・モバイル機器市場向け、スマートフォン市場向けが良好に推移。自動車・モビリティー関連向けも堅調に推移し売上高を押し上げた。ただ、為替影響に加えて、人件費増や償却費増が利益を圧迫し減益を余儀なくされた。なお、26年3月期通期業績予想は、売上高1910億円(前期比0.8%増)、営業利益385億円(同9.8%減)、純利益280億円(同15.2%減)の従来見通しを据え置いている。

■ユナイテッドアローズ <7606>  2,226円  +2 円 (+0.1%)  11:30現在

 ユナイテッドアローズ<7606>が反発している。4日の取引終了後に発表した7月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高が前年同月比5.6%増と3カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。気温上昇とともにシャツ、カットソー、サンダルなどの夏物アイテムが好調だったのに加え、ジャケット、パンツなどのキレイ目アイテムの高いニーズも継続。また、価格帯の高い重衣料や定価販売も強く、既存店客単価が同5.6%増と牽引した。なお、6月の既存店売上高は速報の9.3%増から6.4%増へ変更された。

■ティラド <7236>  5,650円  +705 円 (+14.3%) ストップ高買い気配   11:30現在

 ティラド<7236>はストップ高カイ気配。7月25日につけた5070円の年初来高値を上回り新値圏に突入した。自動車向けを主力にラジエーターなど熱交換器を製造するが、足もとの業績は会社側の想定を大幅に上回って推移している。4日取引終了後に26年3月期通期業績予想の修正を発表、売上高は従来予想の1400億円から1510億円(前期比横ばい)、営業利益は36億円から66億円(同10%減)に増額した。今期の業績については、米関税政策などによる影響で減収大幅減益を見込んでいたが、かなり保守的に傾斜していたこともあって、足もとの状況を鑑みて従来予想を見直した。依然として営業減益見通しにあるものの、大幅な上方修正はポジティブサプライズとなった。PERやPBRが超割安圏に放置されていることや、高配当利回りも改めて注目されている。

■堀田丸正 <8105>  83円  +30 円 (+56.6%) ストップ高   11:30現在

 堀田丸正<8105>がストップ高の水準となる前営業日比30円高の83円に買われ、年初来高値にツラ合わせした。同社は4日の取引終了後、RIZAPグループ<2928>が保有する株式の一部を、米バックト・ホールディングス<BKKT>傘下で暗号資産をはじめとするデジタル資産の売買・管理などのプラットフォームやサービスを提供するバックト・オプコ・ホールディングス(ジョージア州アルファレッタ)に譲渡すると発表した。市場外での相対取引を通じ、前日終値(53円)を大きく上回る1株99円41銭でRIZAPが1686万4650株を売却する。バックト・オプコ・ホールディングスは議決権所有割合30%の筆頭株主となる見通しで、RIZAPの同割合は57.26%から27.26%に低下する見込み。暗号資産関連企業が筆頭株主となることや、時価を上回る売出価格となったことを背景に、堀田丸正への物色意欲が高まったようだ。

■クラダシ <5884>  620円  +100 円 (+19.2%) ストップ高   11:30現在

 クラダシ<5884>がストップ高。4日の取引時間中、同社が実施する第三者割当増資を通じ、日本郵政<6178>傘下の日本郵便がクラダシ株を引き受けることが、同日に提出された有価証券届出書により明らかとなり、クラダシ株はストップ高に買われた。クラダシは4日取引終了後の適時開示で、日本郵便との資本・業務提携契約の締結を公表。フードロス商品の販売拡大や新サービスの開発、物流・ロジスティクス分野での協業推進に取り組む方針を示している。日本郵便は議決権割合の10.02%を保有する第2位の株主となる見通し。クラダシ株に対しては、日本郵便のリソース活用による事業拡大を期待した買いが継続している。 ●ストップ高銘柄

 堀田丸正 <8105>  83円  +30 円 (+56.6%) ストップ高   11:30現在

 クラダシ <5884>  620円  +100 円 (+19.2%) ストップ高   11:30現在  など、4銘柄 ●ストップ安銘柄  なし 株探ニュース

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