弟子たちを“外の立場で応援”平成を代表する大横綱・白鵬 日本相撲協会を退職
幕内勝利数1093勝、優勝は45回に上ります。平成を代表する大横綱・白鵬。節目の日を迎えました。 元横綱 白鵬 「相撲に愛され、相撲を愛した25年でありました。この場を借りて白鵬翔は日本相撲協会を退職し、新たな夢に向かって進み出すことをお伝えします」 15歳から在籍した相撲協会を退職することが発表されました。 元横綱 白鵬 「今後は相撲を世界に広げていくプロジェクトを中心に活動していきたい。日本のみならず世界中多くの人たちに相撲の魅力を広げる『世界相撲グランドスラム』という構想のもと相撲を広げていきます」
白鵬を取り巻く環境はこの1年、決していいものではありませんでした。 元横綱 白鵬(去年2月) 「弟子を守ることができなかった私が責任を重く受け止めております」 弟子の北青鵬が起こした暴力行為により、自身が親方を務めていた宮城野部屋は閉鎖状態に。同じ一門の伊勢ケ濱部屋の部屋付き親方として再教育を受けることとなりました。本人の中では1年をめどに部屋の再建を目指していましたが…。 元横綱 白鵬 「預かりになってから4月1日付で丸1年経ちました。このことは3月中に執行部で話があった。その方向が聞かされた時に、いつというものが明確にされず(期間を)延ばすということが、今回の退職の理由は大きいのかなと」 また、伊勢ケ濱部屋をモンゴル力士の後輩である照ノ富士が継ぐこととなり、それも関係していると言われていましたが…。 元横綱 白鵬 「報道いろいろ書かれていましたけれど、後輩である同じ道場の照ノ富士が伊勢ケ濱親方になる。去年の話と今年の話でずいぶんズレがあるなと。本当に後輩としてよくがんばってくれました。照ノ富士の下が嫌だとか、それは全くありません」 去年、一門預かりになった時、モンゴル出身の親方と新米親方の部屋は対象外となっていました。しかし、照ノ富士はモンゴル出身で新米親方です。これが白鵬の言うズレです。 伊勢ケ濱親方 元横綱 照ノ富士 「(白鵬と)2人で話す場面も多かったし、報道では面白おかしく書かれることも多いので、一切ありません」
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相撲のために日本国籍を取得し、行ってきた貢献は偉大なものがあります。例えば、東日本大震災に関連した被災地支援です。 横綱 白鵬(2011年当時) 「元気と『ああ来てくれたんだ』と心が豊かになってくれればうれしく思います」 積極的に被災地を回り、そして復興にも一役買いました。岩手県大槌町でわんぱく相撲を指導している小原祐也さん(28)。3・11の時は中学生でした。 小原祐也さん 「震災で土俵が流されて、監督も流されて、まわしも無くなり、皆どこにいるか分からない状況」 相撲を辞めることも考えましたが、出会いがそれを変えました。 小原祐也さん 「宮城野部屋に招待してもらった。横綱に胸を出してもらって何番か相撲を取ってもらった。『日本に来た時は体が小さくて。でも自分の努力次第でこんなに大きくなって、強くなれるからがんばって』みたいな言葉を言われた」 大学まで相撲を続け、今もまわしをしめています。 小原祐也さん 「自分の関取を出したい。プロに行ってお相撲さんになって十両以上の関取になれるように出したい。自分たちの道場から。いないので大槌町で」
また、白鵬杯という子どもたちの大会も主催してきました。先日、横綱に昇進した大の里も白鵬杯の優勝経験者です。才能ある力士を掘り起こす重要な大会となっていました。 今後は会社を設立し、世界に相撲を普及させたいとしています。 元横綱 白鵬 (Q.退職について悔いは) 「悔いは全くありません。25年間ありがとうございました。外の立場から応援し、相撲が世界に広がっていけばいずれか一緒になる。相撲がオリンピックになる夢を見て今後、力を注いでいきたい。努力していきたい。本日はありがとうございました」
テレビ朝日