知らぬ間に名簿が第三者へ 母親「個人情報の扱いずさん」と憤り
保護者に無断で第三者に生徒名簿を閲覧させたことを巡り「学校の対応はあまりにずさんだった」と批判する元生徒の母親=仙台市青葉区で2026年4月21日午後2時26分、遠藤大志撮影
障害のある我が子を守るために提出に同意した名簿が、知らないうちに学校外の第三者の目にさらされていた。
その人物は迷惑行為を受けたと訴え、学校に息子(18)への指導を求めてきていたという。
母親(54)は学校から名簿の無断利用は不適切だったと謝罪を受けた。しかし、今も、憤りと不信感が収まらない。
頭が真っ白、ただただ謝罪
2025年7月。母親は宮城教育大付属特別支援学校(仙台市青葉区)高等部3年だった息子の進路相談後、教員から息子とともに別室に移動するよう求められた。
そこで、告げられたのは、息子に関する想像もしていない「通報」だった。
「ヘルプマークをつけ、制服を着た男子生徒に足を蹴られた」「(席を)どいてくださいと周囲に言っている」
通報者は大学生のグループで、事案は地下鉄車内で約2週間前に起きたとの説明だった。通報者は「(生徒の)顔を見れば分かる」と言ったため、学校側は来校を求めた。翌日、通報者は生徒名簿の写真を閲覧し、相手は息子だったと証言したという。
母親は頭が真っ白になり、ただただ謝るしかできなかった。
浮かんだ三つの疑問
しかし、時間がたつと、次々に疑問がわいてきた。
まず、名簿をなぜ通報者に無断で見せたのか。
名簿は、生徒が地下鉄内で災害や緊急事態に巻き込まれるなどした際に備えて、宮城県警鉄道警察隊に事前に提出することを承諾したものだった。ただ、今回学校が見せた相手は、捜査機関ではない第三者の人物だ。
そして、通報者にけがはなく、刑事事件でもないのに、「迷惑行為」をした人物を第三者に特定させるほどの緊急性があったのか。
息子は知的障害があり、4歳ごろに自閉症と診断された。…