木星探査機「ガリレオ」を振り返る。打ち上げから終幕、続く木星・氷衛星探査へ

【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:NASA)

大型通信アンテナの不展開や想定を上回る放射線……幾たびの逆境を乗り越え、現在の木星像を形づくったNASAの木星探査機「ガリレオ」。9月22日は、そのガリレオがミッションを終えた日です。今回は、打ち上げから終幕までを簡潔に振り返ります。

※…本記事はすべて日本時間で説明しています。

1989年10月19日、ガリレオはスペースシャトル「アトランティス」(STS-34)から放出されて旅立ちました。金星で1回、地球で2回の重力アシストを経て、1995年12月8日に木星へ到着しました。

ガリレオの観測は、これまでにない発見や知見をもたらしました。たとえば、イオの活発な火山活動の連続撮像、エウロパ内部に“導電性の海”を示す誘導磁場の証拠、衛星として唯一となるガニメデの固有磁場の発見、そして小衛星由来ダストで維持される淡い木星環の実像に迫ったことなどです。

こうした成果は、木星本体の内部構造や極域磁気圏を解き明かすNASAの探査機「ジュノー」の観測設計やデータ解析に活かされ、氷衛星に関する未解決課題はNASAの「エウロパ・クリッパー」とESAの「JUICE」へとつながっています。

木星到着から約8年後の2003年9月22日未明、ガリレオは木星大気へ制御突入して通信を終了しました。将来の生命探査に配慮し、エウロパなどへの汚染を避けるための意図的な最期でした。

冒頭の画像は、1990年代にNASAのジェット推進研究所(JPL)が公開した想像図で、木星探査機ガリレオが小惑星へ最接近する様子が描かれています。

編集/sorae編集部

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