日本の大動脈「新東名高速」"悲願の全通"へ! 神奈川〜静岡の「唯一の未開通部」に"超・巨大橋"誕生! 国内最大級の「山北天空大橋」命名でまもなく完成 27年開通まで再び前進

 山北天空大橋は、山北町にある新東名の新御殿場IC(インターチェンジ)から新秦野ICまでの区間に位置しています。

 全長は上り線が771m、下り線が692m、幅員は62mで、最大支間長(主塔と主塔の間の長さ)は日本最大級の220mに達します。

 丹沢湖から流れる河内川に架かり、周辺地形は深いカーブ状の谷になっているため、地表からの高さは約125mという壮大なスケールを誇ります。

 その規模は、富士山と重なった姿が国道246号から確認できるほど雄大だとされています。

 この名称は1022件もの応募があり、最終的に「山北天空大橋」が選ばれ、記念式典には命名者も招かれたとのことです。

 橋は、関東と中京・関西圏を直結する新東名のうち、「最後の未開通区間」となっている約27kmの一部を構成します。

 新東名は、東名高速と並行しながら、東京と愛知の間をほぼ直線的に結び、渋滞の多い東名から交通を分散させる役割を持つ、重要なインフラとして整備が進められてきました。

 2012年には静岡県内のほぼ全域にあたる、御殿場JCT〜浜松いなさJCTの広範囲が一気に開通。

 その後2016年には愛知県の豊田東JCTまで延伸し、伊勢湾岸道と接続。

 2018年から2022年にかけては、神奈川県内の海老名JCT~新秦野ICまでの区間が順次開通しています。

 しかし、現在も未開通のまま残されているのが、新秦野IC〜新御殿場ICまでの約27kmです。

 この「最後のピース」とも言われる区間が開通すれば、ようやく全線開通となります。

 未開通区間が残っている現状では、東京から関西方面へ向かう際、ドライバーは御殿場JCTまで東名を利用するしかありません。

 特に秦野中井IC周辺は山間部で急カーブが連続しており、慢性的に渋滞。事故も多く、休日ともなれば、20kmを超える大渋滞に発展し、ドライバーにとって悩みの種となっています。

 新東名が全面開通すれば、東名とで交通流は分散し、大幅な渋滞緩和により、スムーズに移動できることが期待されています。

 国土交通省はこの最後の未開通区間について、「2027年度中の開通」を目標として掲げています。最速でも2028年3月までの開通を目指しているとのことです。

 しかし、実はこの区間については今までに何度も開通予定が繰り延べられており、当初2020年度の開通予定が示されていたにもかかわらず、2023年度へと開通時期が延期され、さらに2027年度へと、実に7年もスケジュールが後ろ倒しになっている状況です。

 工事が遅延している最大の理由は、山北町と静岡県小山町を結ぶ「高松トンネル」の工事が難航していること。

 活断層近くの脆弱な地盤を通過するため、湧水対策など多重な工事対策が求められています。

 対して、工事の進捗が順調なのは橋りょう部分です。

 今回の山北天空大橋は現在、「トラベラークレーン」と呼ばれる特殊な建設機械を使って、架橋工事が進められました。

 8台もの貴重なトラベラークレーンが集結し、大規模な工事が展開され、東名の通行車両からもその様子を確認することができます。

 また新東名が全線開通すれば、同じく東京と静岡方面を結ぶ国道246号も、各所の渋滞ポイントで交通状況の改善も期待されています。

 なお、山北町には「山北スマートインターチェンジ(仮称)」も新設される予定です。

 全国のドライバーが待ち望む「新東名全線開通」の日まで、工事の進捗に注目が集まっています。

関連記事: