宝塚歌劇団雪組新トップスター朝美絢 東京お披露目公演「勢いで突き進みたい」一問一答
宝塚歌劇団雪組の新トップスター、朝美絢(あさみ・じゅん)が、東京宝塚劇場(東京都千代田区)でのお披露目公演「ROBIN THE HERO」「オーヴァチュア!」開幕を控え2日、娘役トップの夢白あやとともに、囲み取材に応じた。雪組を率いる朝美は「勢いに任せて突き進んでいきたい」と意気込みを語った。主な一問一答は以下の通り。
ショーの一体感、好き
--芝居とショーの見どころは
朝美 「私はショーの中の客席降りで、皆さまのところに行くところがとても楽しくて。ちょっと振り付けが難しいですけれども(笑)、一緒に踊ってくださったり、掛け声を掛けてくださったり、一体感を感じられるところが、公演が始まって、さらに好きになりました。東京の皆さまがどういう反応をしてくださるか、とても楽しみにしています。
お芝居は、本当にスピーディーで、盛りだくさんで選べないです(笑)。最後は大団円で、たくさん結婚式を挙げ、みんなで歌うところが、ファンタジーのクライマックスの雰囲気で、すごく幸せに感じているので、そこが一番好きです」
夢白 「お芝居はかなりコメディータッチで、宝塚大劇場(兵庫県)で舞台に立ったとき、お客さまの笑い声がたくさん聞こえ、とても楽しい日々でした。東京は笑ってくださるタイミングも違うので、反応も楽しんでいけたらと思っております。
ショーはプロローグはロック、後半にかけクラシックに(音楽の)流れが変わっていくのですが、特に『エトランジェ!』の場面、デュエットダンスがお芝居っぽいので毎日、新鮮にお届けできたらと思っております」
新生雪組について「魅力満載。みんなの個性が輝いている」と話す朝美絢=2日、東京都千代田区の東京宝塚劇場(酒巻俊介撮影)みんなの個性輝く組
--(トップスターの象徴)大羽根を背負った感触は
朝美「宝塚大劇場の初日はいっぱいいっぱいで、本当にこなすことに必死でした。やはり羽根の重みといいますか、実際の重みも感じました。これが111年続いた宝塚の、歴代トップの景色なのかと、感じながらやっていました。日々、公演ごとにお客さま、組のみんなが出迎えてくれる温かいまなざしを、羽根とともに、感じることができました。東京でも1回1回、かみしめながらやりたいなと思ってます」
--新生雪組の魅力は
朝美「本当に魅力満載で、お芝居も個性豊かにお届けしておりますし、ショーも濃い場面が続く中、みんなの個性がすごく輝いて、勢いを感じています」
夢白「私も同じく勢い、という言葉が浮かんだのですけれども、朝美さんはすごいエネルギッシュで、それに周りがすごく引っ張っていただいてますし、そこに付いていかなきゃという勢いが勝って…」
朝美「たまに追い越されます(笑)」
夢白「すごい勢いを増しました(笑)」
--朝美さんは今後、雪組をどう引っ張りたいか
朝美「それこそ今は、勢いに任せて突き進んでいきたいと思います。その先に何が待っているか、私も楽しみにしたい。あまり、どうしたいと決めず、元気にいることが一番だと私は思っているので。元気な姿で、みんなも元気になってもらえたらいいなと思います」
囲み取材の間、何度も視線を合わせる朝美絢(左)と夢白あや=2日、東京都千代田区の東京宝塚劇場(酒巻俊介撮影)--東京の観客へのメッセージは
朝美「宝塚は温かさ、東京は熱さをすごく感じます。地元(神奈川県出身)が近いこともありますが、熱さをしっかり受け取って、さらに熱く。季節も暑い時期に入ってまいりますので、自分たちも熱くお返ししたいなと思ってます」
夢白「東京のお客さまは(関西と)反応が違うので、私たちも新鮮な気持ちでお届けできます。夜公演も、やっている感覚がすごく違うので、そこも楽しみです」
--互いの魅力は
朝美「改めて聞かれると、ちょっとドキドキしてしまう自分がいるのですけれど(笑)。いつも、まなざしが熱い。娘役さんですけれども、宝塚の娘役の枠を超えたものが確立されていて、今回、お芝居でもショーでも、それがすごく発揮されていると思います」
夢白「やはり熱さ。先ほど言った勢いも。毎日の公演、1回1回本当に熱くて、それに私自身も必死に付いていっている状態です。ご一緒させていただいたとき、自分自身もよりエネルギッシュにできたらと思うので、朝美さんに必死についてまいりたいと思います」
朝美絢
あさみ・じゅん 神奈川県出身。平成21年に初舞台を踏み、月組に配属。圧倒的美貌と三拍子そろった実力が注目され、26年の「PUCK」で新人公演初主演。29年、雪組に組替え。当たり役に「ベルサイユのばら」のオスカル役など。令和6年10月、トップスター就任。
夢白あや
ゆめしろ・あや 東京都出身。平成29年に初舞台を踏み、宙組配属。気品ある美貌と芝居心を備えた娘役として早くから抜擢。令和2年、雪組へ移り、4年に彩風咲奈の相手役としてトップ娘役に就任。
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東京宝塚劇場公演は5月3日~6月22日。問い合わせは宝塚歌劇インフォメーションセンター(0570・00・5100)。