マイクロソフトとグーグル、欧州でデータセンターに大型投資

マイクロソフトは、ポルトガル沿岸部に人工知能(AI)向けのデータセンターを建設するため、100億ドル(約1兆5400億円)を投資する。マイクロソフトが今年欧州で行う投資の中では最大級の投資規模だ。

  マイクロソフトのブラッド・スミス社長が、リスボンでのウェブ・サミットで、地元紙ジョルナル・デ・ネゴシオスに投資計画を明かした。

  投資先は、リスボンの南約150キロに位置するシネシュに設けられるデータセンター群で、同社はポルトガルの開発企業スタート・キャンパス、英国のAIインフラのスタートアップNscaleと共同で整備を進めている。

  マイクロソフトの広報は、投資額が100億ドルと認めたが、それ以上のコメントは控えた。

  また、米アルファベット傘下のグーグルは、今後4年間でドイツのコンピューティングリソースと事業運営に55億ユーロ(約9800億円)を投資する計画だ。これにはフランクフルト地域でのデータセンター2カ所が含まれるが、施設の規模については明らかにしなかった。

  欧州各国ではデータセンターの整備が優先課題として進められている。域内の指導者らは、テクノロジーとAI分野でのさらなる後れを懸念している。欧州委員会は企業に対し、いわゆるギガファクトリーと呼ばれる複雑なAIモデルのトレーニングと維持が可能なデータセンターの開発を促している。

  マイクロソフトは昨年10月、シネシュ施設の容量を長期リースする契約を締結している。同社は、AIサービスに対する急増する需要に対応するため、コンピューティング・インフラの拡充を進めており、容量不足に直面する中で、コアウィーブネビウス・グループなど、高性能クラウドコンピューティングを提供する「ネオクラウド」企業と相次いで契約を結んでいる。ノルウェーと英国では、Nscaleからの容量リースも予定している。

  人口約1万5000人の沿岸都市シネシュは、ポルトガルの主要な投資拠点として台頭している。この地域には、欧州とブラジル・アフリカを結ぶ海底ケーブルが敷設されており、今後は米サウスカロライナ州につながる新たなケーブルの設置を、グーグルが予定している。今年5月には、中国のリチウム電池メーカーCALBグループが20億ユーロ規模の電池工場の建設を始めたほか、欧州連合(EU)が支援するAI「ギガファクトリー」の候補地にもなっている。

原題:Microsoft to Invest $10 Billion on AI Data Hub in Portugal (1)

Google to Invest €5.5 Billion In German Data Centers, Operations

(抜粋)

(見出しやデックヘッドを変え、第5、6段落を加えます)

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