活動銀河核を宿した“おおぐま座”の渦巻銀河「NGC 4102」 ハッブル宇宙望遠鏡が観測

こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した渦巻銀河「NGC 4102」。

おおぐま座の方向、約5600万光年先にあります。

明るい中心部分と、その周囲でリングを形作る渦巻腕(渦状腕)が、1本の暗いダストレーンでつながっているような独特の姿を見せています。

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した渦巻銀河「NGC 4102」(Credit: ESA/Hubble & NASA, G. Fabbiano)】

ESA=ヨーロッパ宇宙機関によると、NGC 4102の中心部には狭い領域から強い電磁波が放射されるAGN=活動銀河核があることが知られています。

活動銀河核の原動力は、太陽の数百万倍~数十億倍の質量がある超大質量ブラックホール(超巨大ブラックホール)だと考えられています。

ブラックホールに引き寄せられたガスが周回しながら落下していく過程でエネルギーが解放され、高温になって、そこから様々な波長の電磁波が放射されることで、活動銀河核として観測されているというのです。

活動銀河核にはいくつかの種類があって、そのなかにはクエーサーのように非常に明るく輝くものもありますが、NGC 4102の場合は比較的穏やかなLINER(※)に分類されています。

※…「Low-Ionization Nuclear Emission-line Region」の略。低電離中心核輝線領域、ライナー。

天の川銀河から比較的近いところにあるNGC 4102は、活動銀河核と銀河本体がどのように相互作用するのかを研究する上で、理想的な機会を提供してくれるということです。

冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」で取得したデータを使って作成されたもので、“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、ESAから2025年11月3日付で公開されています。

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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