朝ドラ「あんぱん」脚本・中園ミホが明かす秘話 登場人物はすべて「アンパンマン」キャラクターに当てはめていた!

朝田三姉妹!(今田美桜、河合優実、原菜乃華) - (C) NHK

 人気アニメーション「それいけ!アンパンマン」の原作者である漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さんの夫婦をモデルとしたNHK連続テレビ小説「あんぱん」(総合・月~土、午前8時~ほか)。劇中の登場人物たちは、どこか「アンパンマン」の妖精(キャラクター)たちに似ているようで、SNSでは「ヤムおんちゃんはジャムおじさんみたい」「朝田三姉妹がドキンちゃん、ロールパンナ、メロンパンナちゃん」などと考察が白熱している。

【画像】かまめしどん、てんどんまん、カツドンマンを当てはめた登場人物

 放送前に行われた第1週完成試写会見で制作統括の倉崎憲は「この登場人物は『アンパンマン』のこのキャラクターじゃないかな? と想像しながら楽しんで観てもらえたら」と呼びかけていた。そんなこともあってかキャラクター考察がヒートアップしている中、脚本を手掛ける中園ミホは先日、同局で実施された取材会で「やなせさんは『ドキンちゃんは自分のお母さんがモデル』とも『暢さんがモデル』ともおっしゃっていました。つまり、二人は似ていたんだと思います。それから、『バタコさんのモデルが暢さん』ともおっしゃっていたみたいです。女の人はいろんな面があって、ドキンちゃんみたいに好奇心が強くて、ちょっとわがままだったり、バタコさんのように優しく人を支えて、いつもニコニコしていたり……。暢さんはどっちの要素もあったんじゃないかな」と“考察”した。

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 一方で、中園は「初稿では『この人はロールパンナ』とか、小さい役でも全部、アンパンマンの登場キャラクター、妖精たちに当てはめていました」と打ち明けると、「これはわたしの趣味の世界でしたが、最近は推察されているみたいですね。釜次(吉田鋼太郎)、和尚の天宝(斉藤暁)、団子屋の桂(小倉蒼蛙)は、かまめしどん、てんどんまん、カツドンマン」と自分の“回答”も示し、「朝ドラを書くのは本当に大変なので、こういう楽しみ方をしながら一生懸命に書いています」と、登場人物に妖精たちを当てはめることも執筆の原動力になっていると話した。

 自身が一番好きな妖精は「ドキンちゃん」だそうで、「欲望に正直で我が道を行く感じが好きです。わたしもそうですが、いつも『お腹すいた』と言っているところに共感します。もちろん、アンパンマン、ばいきんまん、ロールパンナ、メロンパンナちゃん……みんな好き。勝手にキャラクターを当てはめて書いていると気持ちが入っちゃうので、今ではロールパンナを見るだけで涙腺が緩んだりします」とはにかんだ。(錦怜那)

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「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」特撮監督を務める佛田洋

 スーパー戦隊シリーズ第14作「地球戦隊ファイブマン」(1990~1991)から長年にわたり、特撮シーンを牽引してきた特撮監督・佛田洋。師匠である故・矢島信男が率いた特撮研究所と共に幾多のロボの変形&合体シーンを手掛け、子どもから大人まで多くのファンを喜ばせてきた。シリーズ50年の節目となる最新作「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」では、大きな見せ場となる巨神テガソードの演出を手がけている佛田がインタビューに応じ、撮影の裏側を語った。

【動画】「ゴジュウジャー」激アツ!座談会 話題の第1話を最速振り返り!

特撮の掴みは「オープン撮影」

 長く続いてきたスーパー戦隊シリーズだが、毎年、作品が切り替わる以上、どのスタッフにも「終わり」があれば「始まり」のタイミングがある。特撮監督の佛田にとって「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」の始まりは、プロデューサーである松浦大悟を介してであった。

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 「来年の(スーパー)戦隊は50周年で大きく盛り上げたいから、一度飲みましょうと言われて、松浦くんと雑談していく中で、彼が“『特命戦隊ゴーバスターズ』(2012~2013)が好きなんです”と言ったんです」と佛田は振り返る。しかしながら、当時は企画の概要が固まっていないタイミングで、佛田はそれに対して思わず「真面目な方向性でやるの?」と返したという。「ゴーバスターズ」は比較的シリアスな作風で、そうした意図だと受け取ったそうだ。だが、松浦が言わんとしていたことは、そうではなく、「『ゴーバスターズ』の“オープン撮影が良かった”ということだったんです」と続けた。

 通常、特撮はスタジオで撮影が行われるが、「オープン撮影」とは、これを野外に持っていき、平台を置き、その上にミニチュアセットを建て込んで行う撮影方法を表す。自然光によるリアルなライティングに、実際の青空を借景として用いることでスケール感のある画を撮ることができるが、通常のドラマ撮影で行われるロケーションと同様、天候に左右されるため、スケジュールを鑑み、年間を通して行うことは難しい。

 「『ゴーバスターズ』では、撮影初期に時間を割いてオープンで特撮を撮っていて、その後の作品でも時々オープン撮影はやっていたけど、だいたい第1話&第2話だけだったんだよね。『ゴジュウジャー』では、大々的にオープン撮影をやろうと思い、それこそ『ゴーバスターズ』を越える期間約3週間を費やして、10話分くらいの特撮を一気に撮った」と語っており、これが序盤における「掴み」となった。

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巨大な手が視聴者にもたらすインパクト

 先に行われたシネマトゥデイのインタビューで、松浦プロデューサーが「『スーパー戦隊といえばロボットでしょ』ということをもう1回やりたかった思いがありました」と語っているように、スーパー戦隊シリーズの大きなセールスポイントにはロボが挙げられる。そして、それをいかにして魅力的に描くかが、特撮監督としての何よりの大きな仕事となる。

 本作では、巨大な手からロボに変形する「巨神テガソード」が登場。佛田はこの「巨大な手」というコンセプトに対して、往年の特撮ドラマ「ジャイアントロボ」(※現在東映特撮YouTube Officialにて期間限定配信中)の第5話に登場したガンガーを思い浮かべたそうで、「CGでガンガーの現代版を作ろう」とイメージを膨らませた。

 また、戦隊ロボにも色々なパターンが存在するが、テガソードは今のところ正体不明であるものの、人類が英知を結集して生み出されたメカというよりは、神秘性を帯びた存在として描かれており、そうした要素が本体のテクスチャーに分かりやすく現れている。「たとえば架空の古代文字を入れる手もあったけど、超古代文字は『仮面ライダークウガ』(2000~2001)で印象的に使われていたでしょう。それでエジプトとか、どちらかといえばそっち方面を思わせる文様を入れることにしました。幸い、僕らの仲間にそういうのが得意なレイルズと言うCGプロダクションがあったのですぐ発注しました。やはりデフォルメのセンスが良くて、すぐに文様を入れてもらったところ、これが実によかったのです」

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 第1話では雲海から巨神テガソードが登場する場面があるが、「あのカットを最初に作ったんです。寄りもあって文様が入っているのも分かるでしょう。ここはみんな気に入ってくれて、『テガソードの象徴的なカットはこれだ』となりました」と胸を張る。

 また、テガソードの「巨大な手」が与えるインパクトにこだわり、「本来は剣が前に出ているのが正しい形状だけど、映像では敢えて折り畳んで後ろに持って行っていった。だけど、変形する際にはなぜか元に戻っている(笑)。誰も気づかないでしょ?」と明かした。本来ならおかしいけど、理屈ばかり考えていると作品がつまらなくなる。そういうのが許されるところが、スーパー戦隊シリーズを面白くしているんです」と力説した。

 そのテガソードから、センタイリングをセットすることでロボ形態にチェンジするが、CGによる巨神テガソードに対して、こちらはスーツで撮影が行われている。

 ロボのスーツは、外観から分かるように様々な制約が生じるが、第1話ではテガソードレッドが躍動感あふれるアクションを披露しており、その活躍ぶりを多くの視聴者が目に焼き付けたことと思う。一連のアクションからは、かつての箱型だったロボの時代からの技術革新を見て取ることができるだろう。これに関して佛田は「やっぱり“動けてナンボだから”という話をしました。近年で言うと『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019~2020)のキシリュウオーが一番動けるロボだったので、あれを目指したところがありました」

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 その一方で、佛田は同じ傾向が続くことを危惧する。「こういう動けるロボはたまにやるからいい。その時々のプロデューサーや(パイロット)監督によって、スピーディなロボを好むか、重量感のあるロボを好むとかいろいろと変わるんですね。今回みたいに従来のロボと変えたことで皆さん驚いてくれたし、喜んでくれていると思うけど、毎年“動けます”ということだと、等身大アクションと変わらなくなるし、飽きられてしまう。もちろん、オーダーにはプロとしてきっちり応えていくし、その中で自分のやりたいことはやる。そこがまた戦隊の懐の深さでもあるし特撮監督の腕の見せ所でもあるよね」

 奇しくも現在、NHKが「全スーパー戦隊大投票」を行っており、そこには「ロボ部門」も含まれている。佛田にとって、お気に入りの戦隊ロボは何なのだろうか。「『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011~2012)のゴーカイオーや『救急戦隊ゴーゴーファイブ』(1999~2000)のビクトリーロボ、それから遡るとバイオロボ。その辺りが理想だよね」と語るが、「ゴジュウジャー」の撮影を通じて、今一度、かつての戦隊ロボの魅力を実感する機会があったという。

 第6話「決戦!常夏城の大冒険」&第7話「心ときめけ! 結集、ゴジュウジャー!」がそれに該当し、この2エピソードには「恐竜戦隊ジュウレンジャー」(1992~1993)の大獣神が登場した。第6話のラスト、マント姿で登場した大獣神のインパクトや、第7話での新旧二大ロボの共闘も話題となったが、「二人並んで見栄を切ってドカーン! となるカットを撮ったわけです。テガソードに比べて大獣神はそんなに動けるわけじゃないけど、周囲のスタッフからは『お、大獣神もいいよね!』と声があがり、自分で撮っていても『この頃忘れていたけど戦隊ロボって確かにこうだったよな』」と往年の戦隊ロボを演出しての手応えを語った。

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 そして、ヒーロー側のロボを魅力的に見せるためは、敵側のロボにも相応の個性や存在感が求められる。第1話で登場した、ブライダンの特攻隊長ファイヤキャンドルが操るキングキャンデラーは、両腕から放つ火炎放射に実際の火を使い、一段と目を引くものとなっていた。「あそこは合成じゃなくて、実際に火を吐いているから迫力が全然違うよね」。もちろん、そうした描写を実現するためには事前準備が欠かせない。「スーツを造る時点でホースを別パーツで隠せるようにしたり、大分前から仕込んでいた」と佛田。

 第1話では、テガソードレッドとの剣戟(けんげき)も描かれたが、テガソードソードに対してキャンデラックスソードは燃え盛る炎が表現されており、これにもやはり生の火を使用して効果を上げていた。「レインボー(造型企画)さんが作ったキャンデラックスソードを直接燃やすわけにはいけないから、ダミーで作った木製の剣の周囲に石綿を貼り、ガソリンを付けて燃やしています。実際まともに受けたら燃えてしまうから安全第一で撮影したけど、あれも今回、やってよかったことのひとつですね」

いつまでも「王道」と言っていても仕方ない

「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」メインビジュアル - (c)テレビ朝日・東映AG・東映

 第1話以後、松浦プロデューサーの要望を受けて盛り込んだ第4話「パーリィタイム☆夢見るじじい」のテガソードレッドからテガソードイエローへの「強制チェンジバトル」を挟み、第6話「決戦!常夏城の大冒険」のテガソードブラックの活躍を以て、ゴジュウジャー5人の各テガソードが全て出揃った。当然、それぞれの描き分けも重要となるが、佛田監督は各テガソードの活躍を以下のように振り返る。

 第2話「ブン捕れお宝!俺の獲物だ」で、初登場を飾ったテガソードイエローはパワー系ロボで、この回では、アイアイザー・クロサンドラの全身をホールドして叩き落す必殺技「テガソードライバー」が大きな見せ場となった。「あれはアニメにもなったプロレス超人のマンガに出てくる技がヒント」と語る佛田だが、ここは前述したオープンで撮影されており、しかも合成ではなく、ワイヤーで実際に技を決め2体のスーツを上から地面に叩き落とすことで表現。さらに着地のタイミングに合わせ、実際に地面から土砂が舞い上がる特殊効果を加えることで、その威力を見事に描き切った。

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 パワー描写で佛田がもうひとつ拘ったのが、両腕の暴君拳から繰り出す強烈なパンチだ。アイアイザー・クロサンドラのクロサンドラショベルとの激突シーンでは、中央に置かれた廃墟ビルを壊すくだりがあり、両者のパワーが伝わる描写となっている。それに関しては、佛田曰く「直前までそんなビル置いてないんだけど、お互い殴ろうとしたカットになるとなぜかそこに廃墟ビルがある(笑)」とのことで、ここもやはり理屈に縛られずに、見せ場を構築しており、スーパー戦隊特撮ならではの名カットと言えるだろう。

 第3話「日本のドン!私が総理!」に登場するテガソードブルーは、右腕にガトリング砲を模した「レオンバスター砲」を装備している設定だ。佛田によれば70年代の巨大特撮ヒーローの必殺技が脳裏にあったと言い、実際に曳光弾を撃ちまくることに拘った。またライオンのタテガミを模した周囲が回転して一斉射撃を繰り出すカットについては、「あれは実際のプロップは回転するようにはできてないんです。ここは逆に合成で回転させたけど、自分としてもいい仕上がりになった」と自負する。

 第5話「取り戻せ魂!スミにおけないお節介」のテガソードグリーンは背中に翼を持った「飛行強化型」だが、佛田はそれをストレートに生かさず、別の見せ方を提案した。「普通、飛行ロボが出てくると“敵も空を飛ぶんでしょ!”となるでしょう。そうなると、だいたいCGの空中戦で板野サーカスよろしく、乱射されるミサイルを避けたりする活躍パターンになるけど、俺も天邪鬼だから(笑)、『そういうのはやめよう』と。それで飛行シーンは場所移動で描写して、直接のバトルは足技メインにしました。もちろん単に天邪鬼なわけじゃなくて(笑)、テガソードグリーンの右足にはイーグルシューター50のアロー部分が付いているから、その特徴を生かしたアクションとして考えたわけです」

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 そして前述した最後の一体が、第6話のテガソードブラックである。左手のユニコーンシールドは変形して脚部に合体すると、ケンタウロスを模した4足の「突進モード」となる。その対戦相手として登場するのが、ケーキとナイフをモチーフにした、Mr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークで、松浦プロデューサーから出されたお題が「お菓子っぽい攻撃」だったという。それを受けた佛田は「『仮面ライダーガヴ』(テレビ朝日系・毎週日曜午前9時~)と被るでしょうと言ったんだけどね(笑)。それで敵がピンチになった時にケーキコロシアムを作り、四方八方から弓矢の如くナイフが飛んでくるシチュエーションにして、その攻撃を避けるために突進モードになってコロシアムの中を走り回る。そういう展開を捻り出した(笑)。まぁ、やってみたら『ガヴ』とは全然違う描写になったし、面白かったね」

 オンエアはまだまだ序盤で、これからも様々な特撮シーンで視聴者を楽しませてくれると思うが、最後に特撮監督の佛田から見た「ゴジュウジャー」の見どころを訊ねてみた。

 「特撮も一生懸命撮っていて飽きさせないものになっていると思うし、作品としては、なんだかわからないけど(笑)、場面が次から次へと変わって行くところが面白さにつながっているんじゃないかな。本編の会話シーンも常に何か楽しいことをしゃべっているし、新旧レッドが対決したり、意外なところで巨大戦が挿入されたり、いつもの等身大戦→巨大戦じゃないパターンも新鮮だよね。シリーズが長く続くと『王道』という言葉が出て来るけど、いつまでも『王道』と言っていても仕方ないからね。ああいうアイデアは、僕ら特撮の人間だけでは思い浮かばない。僕らは『ファイト!サンバルカンロボ』の歌に乗せて発進、合体していくシーンが100点だと思っているので(笑)つまるところ、やっぱり松浦プロデューサーや脚本家の井上亜樹子さんが作り上げた世界観に大きな魅力があるんだろうね」(取材・文:トヨタトモヒサ)

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「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」

最高最強のナンバーワンを目指し、子どもたちに圧倒的な人気を誇る動物や恐竜=獣(けもの・ジュウ)をモチーフにした5人のヒーローが活躍する物語。脚本は「仮面ライダーガッチャード」の井上亜樹子、演出は「仮面ライダーガッチャード」「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」などの田崎竜太(崎はたつさきが正式表記)が担当する。

「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」テレビ朝日系にて毎週日曜午前9時30分~放送中

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復讐心で冷静さを失うラキア - (c)2024 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映

 特撮ドラマ「仮面ライダーガヴ」(テレビ朝日系)の第32話「本音をカップオン!」が、27日午前9時から放送される。

【画像】リゼルがショウマに接近…第32話場面カット

 「仮面ライダーガヴ」は、異世界からやってきた主人公・ショウマ(知念英和)が、お菓子を食べることで生まれる眷属(けんぞく)・ゴチゾウの力を借りて仮面ライダーに変身し、幸せな人間をさらおうとするモンスター“グラニュート”と戦いを繰り広げる作品。

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 ラキア(庄司浩平)は、斬撃跡からグラニュートのリッパーこそが弟のコメルを亡き者にした犯人だと確信する。思わぬ事実を目の前にしたラキアは、辛木田絆斗(日野友輔)の制止もきかず我を忘れて…。

 グラニュート界の大統領、ボッカ・ジャルダックの愛娘・リゼル(鎌田英怜奈)に誘われたショウマ。リゼルの目的が理解できないまま、渋々時間を共にすることになる。そんなショウマの兄でもあるニエルブ(滝澤諒)が、デンテ(声・多田野曜平)の洞窟にやってきた。(編集部・倉本拓弥)

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『新幹線大爆破』より 貸切り撮影で実現したシーンも満載

 草なぎ剛(なぎ=弓へんに剪)主演のNetflix映画『新幹線大爆破』から、作品の魅力の一つである「鉄道」にフォーカスした場面写真とメイキングカットが公開された。

【画像】映画だけの並走シーン!『新幹線大爆破』場面写真&メイキングカット

 本作は、高倉健さん、千葉真一さんらが出演した、1975年公開の同名映画(監督:佐藤純彌)を、『シン・ウルトラマン』(2022)、『シン・ゴジラ』(2016)の樋口真嗣監督が再構築したリブート作品。時速100kmを下回ると起爆する爆弾が仕掛けられた、東京行「はやぶさ60号」を舞台に、爆破を回避しようとする鉄道人たちの奮闘が描かれる。

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 公開されたのは、作品の舞台となる「はやぶさ60号」の前に立つ、車掌・高市(草なぎ)を収めたカットや新幹線内の様子、そして救出作戦の一部を収めた場面写真。また、予告映像が解禁された当初から話題を集めていた「ALFA-X」の姿も収められている。

 「ALFA-X」は、時速360km運転を目指して開発されたJR東日本の次世代高速試験車両で、本作では、劇中のある重要な場面に登場する。E5系「はやぶさ」と併走する、本作でしか見ることのできない貴重なカットも公開された。

 これらの映像が実現できた背景にあったのが、JR東日本による特別協力だ。本作を撮影するため、“はやぶさ60号”を貸切り、臨時列車として特別ダイヤで走行。実際に上野~新青森間を計7往復したという。

 新青森駅や盛岡駅、八戸駅をはじめ、盛岡新幹線車両センターでのロケも敢行。さらに、高市(草なぎ)と藤井(細田佳央太)が車両に乗車するまでの撮影は早朝から昼過ぎにかけてホームを貸切り。さらに、八戸駅や盛岡駅での撮影にあわせて、実際の支社の社員も出演者として参加した。

 さらに、草なぎ、細田、のんは、撮影前に東京新幹線車両センターを訪れ、実際の業務や装置について一から学ぶことで、細やかな所作から精神面まで「鉄道人」として徹底的に“本物”に近づく準備を行ったという。撮影現場でも、乗客優先の行動、点字ブロックへの配慮といった、実際の鉄道現場での意識や精神を徹底的に刷り込んでから挑んだその熱演も見どころだ。(編集部・入倉功一)

Netflix映画『新幹線大爆破』は世界独占配信中

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世界中が熱狂しているキャラクター「チキンジョッキー」 - (C) 2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

 日本より一足先に公開された世界各国で、『マインクラフト/ザ・ムービー』が爆発的にヒットしている。初公開週末の北米興行収入は、1億6,300万ドル(約236億円)。今年最高のオープニングだっただけでなく、やはりゲームの映画化作品で大成功した『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の北米デビュー成績(1億4,600万ドル/約211億円)をも上回る数字だ。現在までの全世界興収は7億2,600万ドル(約1,052億円)で、10億ドル超えも確実と思われる。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル145円計算)(文/猿渡由紀)

【動画】チキンジョッキーだ!『マインクラフト/ザ・ムービー』日本語吹替版予告

 4月4日に北米公開されて以来、この映画は、多数の記録を塗り替えてきた。デビュー成績は、今年これまでに公開された作品で最高。ビデオゲームの映画化作品としても、ワーナー・ブラザースとレジェンダリー・エンタテインメントが製作する作品としても史上最高だ。ヨーロッパでも、今のところ、今年最高のヒット作となっている。キャストのジャック・ブラックジェイソン・モモアジェニファー・クーリッジ、それぞれのキャリアにおいても、最高ヒット作である。

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 PG指定の映画としては、『白雪姫』『パディントン 消えた黄金郷の秘密』『Dog Man』を抜いて前売りの売り上げも今年トップとあり、公開前から成功は予測されていた。しかし、業界が6,000万ドル(約87億円)の北米デビューを予想したのに対し、実際の売り上げはその3倍近いという、画期的な結果を出してみせたのである。

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 この手の映画でよくある通り、批評家の評価は冴えない。大手映画批評サイト Rotten Tomatoes を見ても、誉めている批評家はわずか47パーセントだ。一方で、観客はというと、87パーセントが好意的に受け止めている。『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』も、批評家は59パーセントだったが、観客は95パーセントが支持し、最終的に13億ドルを売り上げてみせた。家族向けのエンタメ作品ではとくに、批評家が何を言っているのかは、ほとんど関係しないのだ。

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 シネマスコア社の観客感想調査の結果はというと、『ザ・スーパーマリオ・ブラザース・ムービー』が「A」だったのに対し、『マインクラフト/ザ・ムービー』は「B+」。それでも北米では2週連続で首位を獲得した上、週末ごとの下げ幅も大きくなく、観客を満足させていることがうかがえる。

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 何より、劇場での盛り上がりがすごいのだ。北米やイギリスでの公開直後、一部のファンが上映中に食べ物や飲み物を投げたり、大きな歓声を上げたりする映像がソーシャルメディアで拡散されて話題になった。それがまた宣伝効果になったのかとも思われている。中には、「チキンジョッキー」というセリフにあわせて、生きた鶏を劇場に持ち込んだ人もいた。警察が呼ばれたり、観客が追い出されたりしたケースもあったようだ。

 観客は特定のシーンで特定のせりふが出てくる瞬間を狙って騒ぐことから、イギリスの劇場チェーン「シネワールド」は、ブラックが「I am Steve」というシーンで叫ぶのはいいけれども物は投げないでください、また動画録りはしないでくださいと、Instagramを通じて注意を喚起。ニュージャージー州のある劇場も、「ある不幸な出来事」があったことから、子供が見にくる場合は責任を持てる大人の付き添いが必要だと、Facebookで通達した。観客の反感を買うことを恐れ、何も言わない劇場チェーンが大多数だが、いつもより掃除が必要なこの映画が「早く劇場から消えてほしい」と思っているスタッフは少なくないようである。パンデミック、そして俳優、脚本家のダブルストライキと災難が続いた映画館にとって、大ヒット作品の到来は待ちに待ったところだったが、こんなトラブルが付随してきたのは意外だった。

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 日本では「マイクラ」と略される元ネタのゲームは、2009年5月に初公開。2011年11月に正式リリースされた。2023年10月時点で、3億本を売り上げた大人気商品だ。映画化の企画が発表されたのは、2014年。一時はショーン・レヴィ(『ナイト ミュージアム』『デッドプール&ウルヴァリン』)が監督することになっていたが、ゲームのデベロッパーとクリエイティブ面での意見が合わず、降板。紆余曲折を経て、『ナポレオン・ダイナマイト』『ナチョ・リブレ 覆面の神様』のジャレッド・ヘス監督が完成させた。

 当初、スティーブ役に決まっていたのは、『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』のマット・ベリー。ブラックは豚の声でカメオ出演するはずだった。しかし、俳優と脚本家のダブルストライキの影響で各作品の製作スケジュールが混乱し、ベリーの出演がかなわなくなったことで、ブラックに変更。『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』にクッパの声で出演したブラックは、またもやゲームの映画化作品でファンを楽しませることになったのである。

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 ただし、やはりブラックが出演したゲームの映画化作品『ボーダーランズ』は、1億ドル(約145億円)以上の製作費をかけたのに対し、全世界興収はわずか3,300万ドル(約47億円)と、撃沈している。ゲームの映画化は簡単ではないと昔から言われてきたが、その通り。『バイオハザード』『ソニック・ザ・ムービー』『アングリーバード』など成功例もある一方、『ウォークラフト』『ニード・フォー・スピード』など、がっかりの結果に終わったものも多数ある。

 しかし、最近もテレビ、配信では「The Last of Us」「フォールアウト」が大ヒットしたばかり。今年も、この後、『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2』や『モータル・コンバット2』の公開が控えている。『マインクラフト/ザ・ムービー』に続き、これらの作品も、ファンを興奮させてみせるだろうか。

映画『マインクラフト/ザ・ムービー』は全国公開中

HIKAKIN & SEIKIN、ドズル社もマイクラ声優に!映画『マインクラフト/ザ・ムービー』日本語吹替版予告 山寺宏一、安元洋貴や実力派も勢揃い » 動画の詳細

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映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』公開記念舞台あいさつに登壇した萩原利久、河合優実

 俳優の萩原利久が26日、TOHOシネマズ日本橋で行われた映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(全国公開中)公開記念舞台あいさつに、河合優実伊東蒼黒崎煌代大九明子監督と共に登壇。萩原は自身のチャームポイントが、顔を覆うぐらいの“大きな手”であると明かした。

【画像】萩原利久が大きな手で顔を隠す…河合優実は春らしいワンピで登場!

 本作は、お笑いコンビ・ジャルジャル福徳秀介が2020年に小説家デビューを果たした恋愛小説を、映画『勝手にふるえてろ』や『私をくいとめて』の大九監督が映画化。さえない毎日を送る大学生の小西徹(萩原)が、お団子頭の桜田花(河合)と出会い、自分を取り巻く世界を少しだけ愛せそうになった矢先、運命を変える衝撃の出来事が二人を襲う。

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 萩原演じる小西は劇中、自分を守るために傘を、そして河合ふんする桜田はお団子頭で武装している。それがある意味でキャラクターの個性にもなっていることにちなみ、登壇者の“チャームポイント”を回答することに。萩原は「難しいですね」と悩ましい顔をしつつも「やっぱり僕は手かな」と大きく手を開いて見せる。「結構褒めていただく機会が多くて。指が長いんですよね。バスケットボールが(片手で)つかめます」と顔に手を持って行き、すっぽりと顔を隠した。

 同じ質問に河合は「内面でもいいですか?」とはにかみ、「結構しっかりしていると言われるのですが、物忘れが激しく、自分のしゃべったことも忘れちゃうんです。忘れ物も多くて……」とウイークポイントを告白。「小さい頃から抜けているので、欠点ではなくチャームポイントということにしています」と逆説的に捉えて前向きに生活していると明かした。

 また劇中では小西と桜田がいろいろなところに出かけるシーンも描かれる。司会者から「ゴールデンウィークに行きたいデートプラン」を問われた萩原は「プライベートなことで申し訳ないのですが」と前置きすると、「この時期、バスケットボールとサッカーがかなり熱い時期でして。映画館でライブビューイングできるみたいなので、劇場でスポーツを観戦したいです」と回答していた。

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 本作は、昨年行われた第37回東京国際映画祭・コンペティション部門選出をはじめ、第49回香港国際映画祭のカレイドスコープ部門選出、第27回ウディネ・ファーイースト映画祭・コンペティション部門出品が決まっている。大九監督は「いつも映画を作る時には、国はもちろん性別、年代などのボーダーラインを考えずに自分が面白いなと思うものをシンプルに積み重ねて紡ぐように作っています。その意味で、国境を越えていろいろなところで観ていただけるのは、監督冥利に尽きます」と笑顔を見せた。(磯部正和)

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