爆破されたHIMARSから炎と黒煙、ロシア軍FPVドローンが背後から激突する衝撃シーン(ニューズウィーク日本版)
ロシアのドローン部隊が、ドネツク州の前線近くで、ウクライナが使用するアメリカ製の高機動ロケット砲システム「HIMARS」を破壊した瞬間とみられる動画が公開された。 【動画】走行中の標的を追跡・爆破...ロシア軍のFPVドローンが「HIMARS」に激突する衝撃シーン ロシアの精鋭ドローン部隊である「ルビコン先端無人技術センター(Rubicon Center of Advanced Unmanned Technologies)」が攻撃を認め、前線から約30キロのルシン・ヤール(Rusyn Yar)村付近でHIMARSを破壊したと発表した。 もし事実であれば、2022年2月の開戦以来、ロシアの一人称視点(FPV)ドローンがウクライナのHIMARSを破壊した初めての事例となる。 ウクライナ軍はこの兵器を頻繁に使用しており、特にロシアの最先端地対空ミサイルシステムや指揮所を標的にしてきた。 ルビコン先端無人技術センターはテレグラムの投稿で次のように述べている。 「ドネツク方面。前線から30キロの地点でルビコン戦闘部隊がHIMARSを発見して破壊した」 この投稿には動画が含まれており、HIMARSが炎に包まれ、黒煙を巻き上げる様子が映っている。 本誌はこの動画を独自に検証できなかった。ロシアとウクライナの当局は、この件についてまだコメントを発表していない。
ウクライナは複数の前線、特に大部分がロシアの占領下にあるドネツク州とルハンスク州にHIMARSを配備している。 アメリカは開戦以来、ウクライナに少なくとも39基のHIMARSを供与しており、ウクライナがロシアの軍事資産に大損害を与えることを可能にしたと評価されている。 ロシアは2024年8月、アンドレイ・ベロウソフ(Andrey Belousov)国防相の指示の下、ドローン戦を専門とする部隊を立ち上げた。ロシア国防省によれば、ロシア軍のドローン専門家から精鋭を選出し、高度な技能を持つ教官を養成しているという。 ドネツク州での戦闘はさらに激化すると予想される。ロシア軍がこの地域の完全な支配を引き続き目指しているためだ。 一方、ロシア政府のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は5月6日、計画通りに3日間の停戦(5月8日から11日まで)を実施する意向だと述べた。ただし、ペスコフは「ウクライナが停戦を実行せず、われわれの拠点や施設への攻撃を続けた場合、直ちに適切な対応をとる」と警告している。 (翻訳:ガリレオ)
イザベル・バンブルーゲン