“縦2眼”で広角20mmから望遠120mmまでカバーするジンバルカメラ「DJI Osmo Pocket 4P」を試す
DJIが2015年に発売した「Osmo」は、当時の空撮ドローン「Inspire 1」のカメラ/ジンバル部をハンドスティックに取り付けたモデルでした。大掛かりなスタビライザーを使わずとも、ブレを大幅に低減できるビデオカメラとして、一躍人気となりました。次いで2018年に登場した「Osmo Pocket」は、ポケットサイズでありながらスムーズな動画撮影に最適とあって売れに売れました。
2023年に登場した「Osmo Pocket 3」は、海外メディアのEEWORLDによると累計販売台数が1000万台を超え、2024年には日本でもビデオカメラ部門で41.5%のシェアを記録しています。
そんな大ヒットシリーズの最新モデルが「Osmo Pocket 4P」です。4月16日に発売された「Osmo Pocket 4」の上位機種になります。最大の特徴は、2つのカメラセンサーを搭載しているところです。広角だけじゃない。望遠撮影も得意というスキルを手に入れました。
価格は9万9000円から。カラーバリエーションはクラシックブラックとパールホワイトが用意されています。先日、Insta360が発売した「Insta360 Luna Ultra」の直接的なライバル機種でもあります。早速、実機を用いて性能をチェックしてみましょう。
まずはスペックを見比べてみます。現在も併売されている前モデルのOsmo Pocket 3、最新モデルのOsmo Pocket 4、そしてInsta360のLuna Ultraとのスペックを並べています。
Osmo Pocket 3 Osmo Pocket 4 Osmo Pocket 4P Insta360 Luna Ultra イメージセンサー 1型 1型 1型+1/1.28型 1型+1/1.3型 レンズ フルサイズ換算20mm f/2.0 フルサイズ換算20mm f/2.0 フルサイズ換算20mm f/2.0+60mm f/1.8 フルサイズ換算20mm f/1.8+60mm f/2.0 最大録画解像度 4K/60fps 4K/60fps 4K/60fps 8K/30fps カラーモード HLG/10bit D-log 10bit D-log 10bit D-log2 I-Log 10-bit トラッキング性能 ActiveTrack6.0 ActiveTrack7.0 ActiveTrack8.0 Deep Track 5.0 ズーム 2倍(4K撮影時) ロスレス2倍/デジタル4倍(4K撮影時) ロスレス6倍/デジタル12倍(4K撮影時) ロスレス6倍/デジタル12倍(4K撮影時) スローモーション 4K/120fps 4K/240fps 4K/240fps(広角側) 4K/120fps(広角側) ダイナミックレンジ 12.8 Stop 14 Stop 17 Stop(広角側) 14 Stop 内蔵ストレージ なし 107GB 103GB 47GB Wi-Fi Wi-Fi 5 Wi-Fi 6 Wi-Fi 6 Wi-Fi 6 USB USB 2.0 USB 3.1 USB 3.1 USB 3.0 バッテリー容量 1300mAh 1545mAh 1545mAh 1550mAh サイズ 139.7(幅)×42.2(奥行き)×33.5(高さ)mm 144.2(幅)×44.4(奥行き)×33.5(高さ)mm 159.5(幅)×63.3(奥行き)×33.5(高さ)mm 169.9(幅)×52.4(奥行き)×38.5(高さ)mm 質量 約179g 約190.5g 約230g 約233gOsmo Pocket 4Pで真っ先に注目すべきなのは、やはりカメラ部分でしょう。フルサイズ換算で20mm~59mmの広角用に1型センサーを、そして60mm~120mmをカバーする望遠用に1/1.28型センサーを搭載しています。
収納状態だと頭でっかちなルックスとなります。なんだか重そうな印象があり、「小さなジンバルアーム&モーターで制御できるのか」と感じますが、その点に関しては、DJIの技術力があれば安心です。
というのも、1つのデバイスに複数のカメラセンサーを搭載しているDJI製品は既に存在します。それがドローンです。
例えば、「DJI Air 3S」は、広角用に1型センサー、望遠用に1.3型センサーを採用しています。ペイロードが限られるドローンでも、2眼のカメラセンサーを適切に扱う技術力を持っており、それがOsmo Pocket 4Pにも反映されていると考えて良いでしょう。実際に使ってみて、不安を感じたシーンはありませんでした。
なお、クアッドベイヤーセンサーにより、広角側は20(1倍)~40mm(2倍)まで、望遠側の60(3倍)~90mm(4倍)までは、光学ズームとの差が見分けにくいロスレスズーム(一種のデジタルズーム)となっており、それ以上の領域はアップスケーリングを行っているようですね。
背面側には大型のヒートシンクが備わっており、大判センサーでも効率よく放熱しているようです。4K/240fps(望遠カメラレンズ使用時は最高で4K/200fps)という高速撮影を可能としただけのことはあります。
- 白い「Osmo Pocket 4P」をDJIのグローバル本社「Sky City」で見てきた ハッセルブラッドを統合する真の狙い DJIのグローバル本社「Sky City」で、2眼化された新型「Osmo Pocket 4P」の白モデルを見てきた。
- DJIの最新スマホジンバル「Osmo Mobile 8P」は画面付きリモコンと360度回転で死角なし DJIの最新スマホジンバル「Osmo Mobile 8P」をレビューします。
- DJI初の360度カメラドローン「DJI Avata 360」実機レポ 多彩な8K空撮、これは“空飛ぶOsmo 360”だ DJIの最新ドローン「DJI Avata 360」をレビュー。8K/60fps対応の360度カメラとヘッドトラッキング機能がもたらす圧倒的な没入感や、従来のFPV機との違い、航空法上の注意点を解説します。
- ライカ共同開発の2眼ジンバル「Insta360 Luna Ultra」レビュー 12倍望遠、画面分離ギミックを持つ片手8Kカメラ Insta360初のジンバルカメラ「Luna Ultra」をレビューします。ライカ共同開発の2眼レンズを搭載し、片手での8K撮影や最大12倍ズームを実現。画面が分離してリモコンになる革新ギミックなど、全方位に隙のない万能感を検証します。
- DJI、初心者向け新ドローン「Lito」シリーズ発表 全方向障害物検知やLiDAR搭載で安全性を強化 4万7520円から DJIは、初めて空撮に挑戦する層をターゲットにした新ドローンシリーズ「Lito」を発表した。全方向障害物検知やLiDARなどの高度な安全機能を備え、高品質な空撮をより手軽に実現できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Page 2
続いて動画の作例チェックに移りましょう。真っ先に見ていただきたいのが、1倍~12倍のズーム領域を行き来する撮影でもトラッキング対象をつかみ続けてくれるところです。
実機発表前のファームウェアだからでしょうか。広角/望遠カメラレンズ切り替え時のホワイトバランスの差が少し気になるものの、「これが被写体だ」と認識したものを離さない握力の強さに驚きました。
もちろん画角から急に外れるような被写体だと見失うことがありますが、このように、ドローンのような小さな被写体でもしっかりと追いかけてくれます。
被写体が障害物に隠れる瞬間があっても、それが短時間であれば大丈夫です。トラッキングが復活します。従来のDJIドローンで体験してきた性能ですが、これは楽しい。楽しすぎる。
片手で持てる120mm望遠カメラでこの高精度なトラッキングを実現できていることに感謝します。
近接撮影時のクオリティーをチェックしてみましょう。こちらの動画は、オートフォーカスが合う距離を調べているシーンです。喋っている内容に間違いがあるのでテロップを入れましたが、広角カメラレンズ側は8cm、望遠カメラレンズ側は18cmまで寄れます。
筆者はテック系ライターという立場ゆえに、デジタル機器の撮影も多く行っています。そういった仕事の現場でも使えるものかどうか、物撮りに視点を絞ってみました。なお写真撮影時は9倍までのズームとなります。
結論は「ブツ撮りに使えるし、使っていきたい」です。1倍20mmまたは3倍60mmの焦点距離であれば、部品表面のニュアンスも正しく記録できます。9倍時は塗り絵をしたかのように細部の情報が失われてしまうので注意が必要ですが、逆に人物を撮る時には効果的かも。肌のトーンがきめ細かく感じられる撮り方ができるかもしれませんから。
今度は望遠カメラレンズ側だけを使って撮影してみました。これは、写真を撮るためのコンデジとしても優秀といえるのではないでしょうか
1型より小さな1/1.28型センサーといっても、十分な大きさがあるため背景がきれいにボケて、被写体の花をクッキリと浮き立たせています。また、ロスレスズームの6倍でも優れた解像度を維持しています。9倍にしても周囲が十分に明るければ細かな葉脈も捉えてくれます。
1型センサー級でズームレンズを搭載しているコンデジには、ソニーの「VLOGCAM ZV-1」(最安値約10万円/フルサイズ換算18~50mm/最短撮影距離5cm)や、パナソニック「LUMIX DC-TX3」(最安値約12万7000円/フルサイズ換算24~360mm/最短撮影距離3cm)がありますが、それらの実力派と望遠域での品質を比べてみたくなってきましたね。
逆に、光量が限られてしまう屋内のテーブルフォトも試してみました。これまた優秀です。色の再現性や自然な前ボケ、後ボケが楽しめます。1/1.28型センサーの3倍カメラレンズの方は少し彩度が控えめかなと感じますが及第点でしょう。
- 白い「Osmo Pocket 4P」をDJIのグローバル本社「Sky City」で見てきた ハッセルブラッドを統合する真の狙い DJIのグローバル本社「Sky City」で、2眼化された新型「Osmo Pocket 4P」の白モデルを見てきた。
- DJIの最新スマホジンバル「Osmo Mobile 8P」は画面付きリモコンと360度回転で死角なし DJIの最新スマホジンバル「Osmo Mobile 8P」をレビューします。
- DJI初の360度カメラドローン「DJI Avata 360」実機レポ 多彩な8K空撮、これは“空飛ぶOsmo 360”だ DJIの最新ドローン「DJI Avata 360」をレビュー。8K/60fps対応の360度カメラとヘッドトラッキング機能がもたらす圧倒的な没入感や、従来のFPV機との違い、航空法上の注意点を解説します。
- ライカ共同開発の2眼ジンバル「Insta360 Luna Ultra」レビュー 12倍望遠、画面分離ギミックを持つ片手8Kカメラ Insta360初のジンバルカメラ「Luna Ultra」をレビューします。ライカ共同開発の2眼レンズを搭載し、片手での8K撮影や最大12倍ズームを実現。画面が分離してリモコンになる革新ギミックなど、全方位に隙のない万能感を検証します。
- DJI、初心者向け新ドローン「Lito」シリーズ発表 全方向障害物検知やLiDAR搭載で安全性を強化 4万7520円から DJIは、初めて空撮に挑戦する層をターゲットにした新ドローンシリーズ「Lito」を発表した。全方向障害物検知やLiDARなどの高度な安全機能を備え、高品質な空撮をより手軽に実現できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.