“Vision Pro級”のMR体験が約100gの軽量グラスで? 最新の「Meta VR Glasses」を試して分かった圧倒的な快適性:本田雅一のクロスオーバーデジタル(1/3 ページ)

 ノートPCを持ち歩いて使っていると、画面がもう1枚欲しくなる場面がある。資料を開いたまま原稿を書きたいし、AIに作業を頼むなら、その結果も横に並べて見ていたい。自宅のデスクでは普通にできることが、出先では少し窮屈になる。

 文字XREALやVITUREなど、光学シースルー方式のメガネ型ディスプレイを使いたくなる理由の1つも、そこにある。周囲を見ながら、目の前に大きな画面を表示できる。一方、Meta QuestやApple Vision Proのように、空間の中で複数のアプリを扱うVR/MRデバイスを日常に持ち出すには、重さや装着の手間が気になる。

 Vision Proの体験は素晴らしかったが、高価で重い。軽量/低価格モデルの開発についても、2025年10月にはBloombergが一時停止を報じている。初代機を購入し、あの体験をもっと気軽に使える製品を待っている私としては、Appleに対してもどかしいと感じるところだ。

 それだけに、Metaが長く取り組んできた成果がここまで高い完成度になっていることに率直に驚かされた。Meta Connect 2026で発表された「Meta VR Glasses」だ。

 試作機を事前に体験する機会を得たが、予想を超えた完成度だった。約100gという軽さに加え、周囲をしっかり見渡せるMRの質も高い。ハンドジェスチャーによる操作も含め、快適な使い心地と未来感が同居している。「MRでここまで来たのか」というのが、率直な感想だ。

「Meta VR Glasses」の実物

 発売は2027年春の予定で、まだ少し先になる。米国価格は1299.99ドル(20万5094円)。日本価格は未定だが、おそらく20万円前後だろうか。この価格と軽さで、Vision Proに近い体験ができることは大きな魅力だ。

 Meta VR Glassesは、センサーとディスプレイを収めた約100gのグラスと、バッテリーやプロセッサ、ストレージを収めた別体パックで構成される。両者は光ファイバーケーブルで接続され、パックにはQualcommの「Snapdragon Reality Elite」を搭載する。

バッテリーやプロセッサ、ストレージを収めた別体パック

 ソフトウェアのプラットフォームは、Quest向けに開発してきたものを拡張している。Metaによれば、Questのアプリラインアップ全体を利用できるという。これまで蓄積されてきたソフトウェアを引き継ぎながら、軽く、かけ心地のよいグラスで使えるわけだ。

 基本操作はハンドジェスチャーで行う。視線トラッキングセンサーを内蔵し、操作したいものを見つめて指を動かす感覚は、Vision Proに近い。手を大きく持ち上げなくても操作でき、普段使いのためにコントローラーを取り出す必要はない。

 既存のゲームなどで必要な場合は、互換性のあるMeta Quest Touch Plusコントローラーを接続する。ハンドジェスチャーだけで遊べるゲームも、発売時には75本以上が用意される予定だ。新しい操作方法を中心にしながら、Questのソフトウェア資産も生かせる構成になっている。

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 表示には約2.5型のmicro-OLEDパネルを使い、両眼合計5K、37PPDの「5K Infinite Display」を採用する。片眼の解像度は2412×2288ピクセルで、リフレッシュレートは最大120Hzだ。37PPDは、視野角1度当たりに37画素を表示するという意味だ。

Vision Proほどの解像感はないが、OLEDの見え味はよいと感じた

 ピーク輝度は500ニトで、Dolby Visionに対応する。正式発表時のファクトシートによると、FOVは水平70度×垂直66度と、視野の広さは控えめだ。Metaは、映像を楽しむ際には対角84型相当の大画面体験が得られると説明している。

 Vision Proほどの解像感はないものの、OLEDの見え味はよい。周囲の見え方やハンドジェスチャーによる操作を合わせると、Vision Proに近いMR体験を、ずっとカジュアルに楽しめる。デモでのパフォーマンスも十分に高く、技術の進歩を強く感じた。

 価格と軽さ、Questのソフトウェア資産まで考えると、一般ユーザーが購入して日々使うMRデバイスとして、かなり有力な選択肢になりそうだ。

 バッテリー持続時間は、高解像度メディアの連続再生で最大3時間だ。45Wの急速充電に対応し、充電しながらの利用も可能という。PC作業での実際の持続時間は製品版で確かめたいが、出先で作業するだけでなく、移動中に映画を楽しむ使い方も考えたくなる。

 その場合、私はオプションのライトシェードを組み合わせたい。周囲の光を遮れば、OLEDの黒やコントラストをより楽しめるはずだ。事前デモでは実物の紹介はなかったが、ライトシェードに加え、後頭部まで回して装着を安定させるヘッドバンドも用意される見込みという。いずれも現時点では付属品ではなく、必要に応じて追加するオプションとなる。

 画質は良好で、ライトシェードさえ装着すれば、劇場に近い体験ができるはずだ。3D映画対応の配信プラットフォームなら、3D映画を3Dのまま楽しめる。

 日本で仮に20万円前後になるなら、私は仕事にも映像にも使う機器として購入を検討したい。自宅で使う以上に、出先の限られた作業環境を広げてくれることが魅力だ。

 2027年春の製品版では、自分に合った補正レンズを入れ、実際の原稿執筆や資料の読み込みに使ってみたい。外出先で使うなら、光学シースルーのARグラス型が中心になると思っていた。しかし、この軽さと快適さなら、MR型デバイスを持ち出す機会も増えそうだ。発売までまだ時間はあるが、久しぶりに登場を心待ちにしたくなる製品だ。

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